牡蠣は何と読みますか?

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2019年2月2日(土)

最近、街の中を歩いていると「牡蠣」というのぼりが目につきました。
「牡蠣」という字は、目にした瞬間、「かき」とお読みになると思います。

しかし、私はどういうわけか、
「ボレイ」という読み方が、頭に浮かんできました。

生薬にだいぶ触れているせいかなぁとしみじみ思った今日この頃です。

今回はそんな「牡蠣」について。

牡蠣(かき)の身は、海のミルクと呼ばれるように、ミネラルなどが豊富で、
栄養たっぷりの冬の味覚の一つです。
ピンと張り詰めた、寒さが染み渡るこの時期ならではの食べ物ですね。

この牡蠣を「ボレイ」と読みますと、牡蠣(かき)の殻のことを指し、
生薬の1種として扱われます。

なぜ、他の貝ではなく、
牡蠣(かき)の殻を薬として目を付けたのかは、不思議なところです。
(ただ、貝殻はよく、土壌に撒いたりして使用されるので、
そういったところからも発想に至ったのかもしれないません。)

漢方の考えでは、ボレイは
「重鎮安神(じゅうちんあんじん)薬」に分類されます。
安神とは「心が落ち着いている状態」と考えてください。

漢方薬のなかにおいても、驚きやすい、不安、不眠を訴える方に
使用されるものに含まれてます。
昔々に、貝殻に上記のような力を見出したことには感心します。

あくまで個人的な想像を膨らませてみますと、

貝殻には、重さがあります。
漢方薬を作る際は砕かれているものを扱いますが、量をあつめると、
その手にずっしりとした重さを感じます。

このずっしりとした感覚が、「鎮める」につながり、
さらに、気持ちを平静な自分自身へ「落ち着かせる、冷静にさせる」ことになったのでしょうか。

よく眠たくなると、うつらうつらすると思います。
このとき、まぶたは下がりかけています。
まぶたが「重く」なるともいわれる状態です。

つまり、ずっしりとしたもので、まぶたを重くする→眠たくする

という発想かもしれないなぁとふと思いました。

その他では、胃酸過多に用いられる薬に含まれてもいます。
こちらの用いられ方はおそらく、殻の主成分が炭酸カルシウムであり、
それが胃酸を中和する働きをもつためだと考えられます。

普段は私たちの口の中には入らない、牡蠣の殻ですが、
食卓の話題の一つにもなる(?)ので
この殻が漢方薬として利用されているものなのだと思いつつ、
旬の牡蠣(かき)を召し上がってみてください。

召し上がる際は、くれぐれも、お腹をこわさないように気を付けてくださいね。

まだまだ寒い季節です。
風邪には油断なさらず、防寒などしっかり対策して
お過ごしください。

バレンタインプレゼントにもどうぞ♪

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2019年1月24日(木)

唇の乾燥は気になりませんか?
外では冷たい空気にさらされ、暖房のきいた部屋の中は乾燥、なかなか唇も大変なのです。

今回は乾燥する唇にオススメの商品「フィッツ フィッシマ リップスティック」のご紹介です。
アルガンオイル配合、ビタミンEを豊富に含み、乾燥からしっかりと守り、荒れやすい唇を保護しやわらかな唇に導いてくれます。

女性の方ならスキンケアの延長で、メイク前にも塗っておくと口紅を塗るころには潤う唇になっています。
口紅はよれず、潤うのにべたつかず、下地としてもお使いいただけます。
また意外と男性の方も、唇の乾燥に悩んでいると聞きます。
ついついなめてしまい、乾燥がひどくなる方もいらっしゃいます。
100%天然由来成分のみでつくられたリップスティックで、乾燥が気になるときにいつでもお使いいただけます。
ココナッツオイルのほのかな香りで男性の方にもオススメです。

バレンタインのプレゼントにチョコと一緒にいかかでしょうか?

フィッツ商品をはじめ、漢方商品なども健康を気遣う方へのプレゼントとしてもオススメです。
またお好きな商品をラッピングさせていただきます。

お気軽にお声かけください。

春の七草と七草粥

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2019年1月5日(土)

セリナズナ ゴギョウハコベラ ホトケノザ スズナスズシロ これぞ七草

江戸時代の書物ある、春の七草を和歌にしたものです。七草を空で言えない方は、これ以降の文はどうでもいいので、これだけ覚えて帰ってください。

さて、元旦から数えて七日目を「七日正月」といい、朝に七草粥を食べるのが慣わしとなっています。本来は、いわゆる旧暦を元にするので、1月下旬から2月上旬あたりに食べます。

ナズナはぺんぺん草、ゴギョウはハハコグサとも呼ばれます。また、スズナはカブ、スズシロはダイコンのことです。
勘違いしやすいのがホトケノザで、現在の標準和名のホトケノザではなく、タビラコという植物です。
食べたことがありませんが、あのホトケノザは、毒はないけど味もなく、おいしくないらしいです。

七日、七草と、なぜ七が並んでいるのかというと、中国や日本で、七は「吉数」とされるからです。
七福神や七賢など、いろんなものごとに使われます。パチンコの7もこれが由来なのかと思いましたが、ラスベガスのスロットを元にしたみたいで、どうやら違うようです。

冒頭に挙げた七つの植物だけが七草と決められ古くから七草粥として食べられているわけではなく、江戸時代にもまだ統一されていませんでした。
一年で最も寒さの厳しい時期なので、手に入る若菜が少なく、地域によっても差があったようです。

七草粥の効能については、冬には汗をかかないため、体内にナトリウムがたまり、それに伴って水も溜まる。
その結果、血圧上昇やむくみなどが起こる。
若菜はカリウムが豊富であり、カリウムはナトリウムが尿として出ていくのを助けるので、冬に溜まった余分な水を体から追い出す。といった考えがあります。
七草を個別にみると、尿の量を増やす、痰を除く、胃腸の調子を調える、消化を助けるなどの作用があり、春に向けて、体の中の余分なものを取り除き、胃腸を整える狙いがあるのだろうと思います。

仕事が忙しい方や、ひとり暮らしの方は、行事食を食べることが少なくなってしまうと思いますが、これを読んだことをきっかけに、少し興味をもってもらえれば嬉しいです。

年末年始休業・臨時休業・営業時間変更(臨時)のお知らせ

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2018年12月19日(水)

漢方薬局ハレノヴァの年末年始休業日、臨時休業および12月28日(金)の営業時間変更をお知らせいたします。

年末年始休業期間:
平成30年12月29日(土) ~ 平成31年1月3日(木)

臨時休業日:平成31年1月12日(土)

営業時間変更日(臨時):平成30年12月28日(金)  10:00 ~ 13:00

年末年始休業期間および臨時休業日中、メールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は1月4日(金)以降となりますので、予めご了承くださいませ。

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします。

あなたも胃腸、肝臓のヒーローに。

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2018年12月12日(水)

とうとう師走にはいりました。
ご存知のように、お師匠さんも走り回るくらいの忙しい時期です。
年末、さらに年始に向けて、
仕事も、生活も一気にかけぬける一か月です。

頭も体も忙しくなりますが、
もっと忙しくなるのが、内臓…胃腸、肝臓です。

これからみなさま、(おそらく)ごちそうシーズン到来ですよね
忘年会、クリスマスケーキ、おせち料理・・・。

普段以上のごはんを食べる機会に多々直面します。

そうなりますと、からだにはいる
水の量、アルコール量、脂の量 が大変多くなります。

つまり
胃腸、肝臓は普段よりオーバーワークにさらされます。

胃腸、肝臓は
「ブラックな1か月が始まった、ブラック12月、1月…」と
きっと嘆いているでしょう。

そして、そんな胃腸、肝臓を持つご自身も、

体にアルコールと水が多く入った飲み会のあと、
→翌朝のいやな「のぼせ」や、体、顔の「むくみ感」がなくなっていれば…。

お腹パンパン、幸せになるまでごはんを食べた翌朝、
→お腹がもたれている…でもおいしくごはんをまた食べたいのに(食べれない)…。

なんて感じませんか?

このとき、
胃腸、肝臓はフル稼働した結果、疲れています、
疲労困憊しています。

そんな、胃腸、肝臓を救うことができるのは、あなた自身です。

たすけてあげてください。

早ければ早いほど、からだに余分な水や油分をためにくくなり、
おいしいごちそうが、きちんと体の栄養分として吸収されます。
吸収されないと、
余分な脂肪やむくみとして体にたまってしまいます。

「助けたい」あなたに、漢方薬があります。

まず、
次の日の目覚めをスッキリしたい方には
●二日酔い対策セット
→熱っぽさ、熱やむくみからくる、だるさを抑えてくれます。

つぎに、
普段の消化剤では物足りない方には特に、おすすめなのが、
●胃もたれさせない「漢方薬」
→消化を助ける生薬のみ、胃腸の機能を調え、下痢、
お腹の張りにも効く生薬で構成されています。

そして、助けるだけではなく、

肝臓自身がもともとそのオーバーワークを
やりすごせる「チカラ」があれば、
ちょっとやそっとで、肝臓がへこたれることはありません。

そんな肝臓自身の「チカラ」をたかめてくれる、
●田三七
→血液の流れが滞らないようにしてくれるので、
肝臓も活き活きと働くことができます。

今から飲み始めると年末年始はきっと怖くはないでしょう。

それでも、めちゃくちゃ飲みすぎた、食べ過ぎた、
けれど、次の日に大事な予定があって
フラフラ!ではおれない方!には

動物生薬、牛の胆石である
●牛黄(ごおう)があります。

→胆石は胆汁のかたまりですので、
あぶらの消化をたすけることはもちろん、
牛黄そのものが、つまりをなくし、気分を爽快にします。

さらに、熱を静めてくれる作用は「ピカイチ!」です。

これで、次の日も怖くありません。

おいしい食事を、きちんと栄養に変えて、
胃腸も、肝臓も、そして自分自身も、「元気」に
師走をかけぬけていきましょう。

そうそう、
お酒のおつまみには枝豆を、揚げ物にはキャベツを、
お供にすることもお忘れなく。

クリスマスギフトご用意しています☆

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2018年12月5日(水)

昨日今日とあまり冬らしくない温かい日が続きますが、街はクリスマスを迎える雰囲気になりつつありますね。
ハレノヴァも例年通りクリスマスツリーを飾っています。

そんなツリーのすぐ側に、今年は来店者限定クリスマスギフトをご用意しました!
ハレノヴァエコバックの付いた、オーガニック化粧品フィッツのおすすめセットです♪
友人・家族・恋人へのプレゼントに、またご自分へのプレゼントとしていかがでしょうか?
詳しくは店舗にておたずねくださいませ。

私は柿を食べない方がいい?

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2018年11月30日(金)

柿がおいしい時期になりました。
送ったり送られたり、お金のように柿が動きます。
贈り物は心を贈るものなので、感謝しながらいただくのですが、
ひとつ注意しないといけないことがあります。

それは、柿は体を強く冷やしてしまうので、冷え性の人はそのまま食べるのは控えた方がいいということです。
逆に言えば、顔が赤く火照って血圧の高い方には、とてもいい果物です。
また、咽をよく潤す効能があるので、体の潤い、特に喉の潤いが足りずに咳がでる方にもいい果物と言えます。

寒くなりだす時期に、柿がおいしくなるのに、冷え性だと食べるななんて、酷ですよね。
冷え性の方は、そのまま食べるのではなく、焼き柿にしたり、ジャムやコンポートにしてから温めて食べたりしてください。

私は以前に、栽培ではない山の柿を、体が冷えているときに食べて、お腹が痛くなったことがあります。
3日ほど空けて同じ柿を食べ、2度目もお腹が痛くなりました。
その時、柿は気を付けないといけないと心に思いました。

柿の葉茶や柿渋など、民間薬としても柿はよく用いられ、上手くとれば健康を維持するのに大きく役立ちます。

冷え性の方も、そうでない方も、柿の特徴を知って、上手に食べてください。

風邪薬に頼りすぎない冬に

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2018年11月22日(木)

最低気温が10℃を下回る日が増えてきましたね。
ゼロゼロ、ゴホゴホという人、マスク姿の人が多く見受けられます。

風邪は万病のもとというように、
風邪のみではなく、ひくことで体が弱ってしまうことも問題となります。

体調を壊すとデメリットがたくさんでてきます。
例えば、

物事がはかどらない
治りが遅くなりやすい
お薬代がかかる 
ご飯がおいしく食べられない

もちろん、人によって違いがあるでしょうが、いつもなにげなくできていることが、
うまくいかないことが多いと思います。

「時は金なり」といいます。
体調が思わしくない時、

15分で、できていたことが、なぜか30分かかっていた。
いつもしないようなミスをして、同じことを繰り返す羽目になり落ち込む。
覚えようとしたことがなかなか頭にはいってこない、イライラする。

このように
「時間」のロス、精神的にもマイナスにつながります。
余計なストレスもたまるかもしれません。

なる前に、ならないように予防することが、やはり、
普段のなにげない生活を気持ちよく過ごすためには大事だと感じます。

ハレノヴァでは

ウイルスに感染した時の頭痛、高熱に使用される生薬【板藍根】
を飲みやすく粉末にした商品がございます。

のどのイガイガ、痛みにもお使いいただけます。

また、オリジナルで板藍根をブレンドしたお茶もございます。
癖のある板藍根の味が抑えられ、飲みやすくなっております。

試飲もできます。
風邪をひかないように、ぜひ味見に来てください。

加えて、
手や足先、お腹を触ると冷たい、など冷えやすい方にはぜひおすすめなのが、
「蒸した」ショウガ100%の【赤乾姜】です。

お腹から全身をあたためてくれる商品です。料理にもお使いいただけます。

【赤乾姜】は「蒸してあること」がポイントで、蒸していない生姜と異なり、
体を中からあたためる成分が多く含まれます。

理想は、風邪をひいたら、家でゆっくりして、早く寝る。がベストなのですが、
仕事、家庭、勉強などと、そうもいってられない現代の生活です。

「お金」「時間」のロスをなくすためにも、
「風邪をひかないこと」「風邪薬にたよりすぎない」冬を過ごしてみませんか?

晩ご飯に
板藍根のお茶、赤乾姜いりのお味噌汁、赤乾姜の生姜焼き
どれかを一品加えて、翌日の健康に備える。

なんて
いいかもしれません。

お肌もっちりうるおい美人へ♪

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2018年11月15日(木)

秋、そしてこれから冬へと季節が深まる中、空気も乾燥してきました。
乾燥によりお肌の老化も進むとも言われています。
お肌の乾燥対策を始めませんか?

今回は、あらゆる肌タイプの乾いた肌にお使いいただけるフィッツ「アクア24H」をご紹介いたします。

・ミセルローション(化粧水)
 みずみずしくうるおうダマスクローズがやさしく香る化粧水で、お肌がもっちりします。

・エリクシールイドラタント24H(ジェル美容液)
しっかりうるおいの続く肌へ整えるジェル美容液です。甘い香りで、しっとりうるおうのに、べたつかないのもオススメポイントです。

・フリュイドイドラタント24H(乳液)
なめらかで軽い使いごこちの保湿乳液で、うるおいを与え柔らかな肌へ整えます。

・イドラタントクリーム24H(クリーム) 
クリーミィでなめらかな保湿クリームで、うるおいを与えしっとりとした肌へ整えます。
(乳液とクリームは乾燥する場所にあわせてどちらかでもOKです。)

アクア24Hには全て、「植物性ヒアルロン酸」(保湿成分)配合。
水をしっかりかかえこんで、水分不足のお肌に働きかけ、一日中うるおいを実感できるお肌へと導いてくれます。
乾燥するとついつい、油分をべったり塗りたくなりますが、水分をしっかりと保持することも大切なのです。
「アクア24H」も100パーセント天然成分のみでつくられています。
しっかり保湿対策したい方にオススメです。

お肌がうるおうと、メイクのノリも良くなり気持ちもいいですね。
おでかけやパーティなども増える季節、ぜひお試しください。
店頭ではテスターでお気軽にお試しいただけます。

自分の体質を知って不調をケア!

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2018年11月5日(月)

この1週間でぐっと冷え込むようになりましたね。
お店の中にいても足元が冷えるなぁと感じています。
いよいよ秋が深まり、冬に近付いていきますね。

寒さが厳しくなり乾燥しやすくなるこの時期には、風邪をひきやすくなったり、疲れやすくなったり、何かと体調が崩れやすいものです。
またそれに合わせて自律神経が乱れることもあります。

秋の養生方法としては、身体に潤いを与える食べ物をうまく取り入れる、お風呂につかり芯から身体を温める、適度に運動をするなどが挙げられます。
その季節をうまく過ごすにはこのような季節ごとの養生がとても大切です。
さらに人にはそれぞれ強い部分、弱い部分がありますので、自分の体質を知り、その人に合ったケアをすることも大切です。

自分の体質を知ることは養生の第一歩です。
意外と気付かない自分の体質を向き合ってみて、不調をケアしましょう。

またハレノヴァでは体質別おすすめオリジナルブレンドティーを販売しています。
漢方の世界でおなじみの素材はもちろん、西洋のハーブも使用し漢方の気血水のカテゴリ別に、6種類のお茶がございます。
自分の体質で選ぶのも良し、味のお好みで選ぶのも良し、その日の気分で選ぶのも良しです。
店舗のカウンター横に並べていますのでよろしけば見に来てくださいね。
体質相談もしていますよ。

小児必用養育草2

小児必用養育草2

2018年10月13日(土)

前回に引き続き、小児必用養育草(しょうにひつようそだてぐさ)を見てみます。
上の挿絵は、乳母が授乳しているところです。
本文には関係ありませんが、雰囲気を味わうために貼り付けておきます。

さて、今回紹介するのは、巻二の「生子養育の説」の一部です。
原文に続いて、適当に私が訳した文を記します。

〈原文〉
『千金論』に、「夏の時にいたらは、赤き絹にて袋をぬいて杏仁七つ、両方の尖りと皮とをさりて袋の内に入て、児の衣の領になり共、帯になり共くくりつけて置くべし。児雷の声を聞てもかつて驚事なし」と見えたり。日本にても常にする事なり。

〈私訳〉
『千金論』に、「夏になったら赤い絹で袋を縫い、杏仁七つの両方の先端と皮を去ってその袋の中に入れ、子どもの服の襟や帯にくくりつけて置くのがよい。こうすると、子どもが雷の声を聞いても驚かない」とある。日本でもよくなされることである。

私は小さいころ、雷が怖かったのですが、親が杏仁をくくりつけてくれなかったのでしょうね。
それをしてくれていたら、びくびくしなくて済んだのに。

さて、少し飛ばしてその続きです。

〈原文〉
(中略)すべて小児は心気うすく、物におびえやすければ、雷などの時は乳母の懐にしかと抱きて、驚かぬやうにすべきなり。かくいへば物に心えぬ愚なる人は、あまりに児を愛しすごし、少ばかりの雷の時も、はや驚きて蚊帳を釣、戸棚、長持のうちにかくすやうにするによりて、いよいよ児におそろしみをつけて、それをならつて性となりて長となりても、少の雷にも色を青くし、少の雷にも肝をひやして、夏の時、天くもりては人前には出る事ならぬ類の者多し。糾々たる武夫の家の小児などをかくそだてなす事は、さてさておろかなる事なるへし。能々心得べき事なり。

〈私訳〉
子どもというものは、驚きやすいので、雷などが鳴るときは、乳母の胸にしっかり抱いて、驚かないようにしないといけない。
こう言うと、何も考えない愚かな人は、子どもを過保護に扱い、少しの雷でも、すぐに驚いて蚊帳を釣って中に入れたり、戸棚や長持の中に隠れさせたりすることで、ますます子どもに恐怖を植え付け、それを繰り返して性格となり、大きくなっても少しの雷で顔が青ざめ、肝を冷やして、夏は空が曇ると人前に出る事もできないような者が多い。
れっきとした武家の子どもをこのように育てることは、何とも愚かな事である。よく心得るべきことだ。

雷が鳴るたびにすぐに戸棚や長持みたいな暗くて狭いところに押し込めてたら、そらトラウマになりますよ。
おそらく暗所恐怖症、閉所恐怖症も併発してるでしょう。
曇ると人前に出られないなんて、夏は出かけられないです。そこまでひどいと、夕立に会うと失神してしまいます。
これも、杏仁をちゃんとくくりつけてないからですよ。
これをお読みの方々は、子どもを持つ親戚、友人には杏仁七個を次の夏までに渡してください。

秋の風物詩2

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2018年9月29日(土)

前回(18.9.22)の話の続きとなります。
ご紹介させていただいた、秋の七草の内、5つが漢方薬の原料である生薬としても使用されています。
くず、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、あさがお(キキョウ)です。
では、くずからみていきましょう。

○葛(くず)/葛根(カッコン)
使用部位:根
解表(発汗させることで、風邪などの症状を緩和する)薬の1つ
熱を冷ます、筋肉のけいれんをゆるめる作用があります。葛根湯は、首筋の後ろのこりや、こわばりがある時に使用する。というのが指標の1つとしてありますが、その理由はこの葛根の作用と考えられます。民間療法でも使用され、風邪のひきはじめなどに、くずゆをお飲みになったことがある方も、いらっしゃるのではないでしょうか?

○撫子(なでしこ)/瞿麦(クバク) 
使用部位:花が咲く時期の地上部
利水滲湿薬(体の水の流れをよくして、水湿を除く)の1つ
湿熱を除き、尿の出をよくする作用や、また血(体の中の血が滞った状態)をとる作用もあり、無月経の治療に用いられることもあります。

瞿麦の「瞿」という漢字が珍しいので調べてみました。
瞿:上部の二つの目が見はって警戒する、下部の字(はやぶさ)を加えて、猛鳥が見張るさまを表している。
意味:1.みる、タカなどの猛鳥がきょろきょろ見回す 2.ほこ、刃先が4つある武器
とのことです。

○女郎花(おみなえし)/敗醤(ハイショウ) 
使用部位:根を付けた全草
清熱薬(体の様々な要因より生じた熱をさます薬)の1つ
炎症を抑え、また解毒、膿を取り除く作用があるといわれています。

敗醤とは:
植物全体に、醤(味噌など、どろどろに発酵させた食品)が腐ったような臭気があるところから名付けられたようです。

○藤袴(ふじばかま)/佩蘭(ハイラン)
使用部位:全草
暑薬(暑さによる諸症状(ほてり、熱感など)を取り除く薬)の1つ
暑さや湿気による発熱や、食欲の低下などに使用されます。香りによって、胃腸を元気にし、口臭や口がねばねばするなどの症状に対する良薬とされています。

なぜ蘭がつくのか?
「蘭」の字は古くは芳香のある植物をさしたそうです。新鮮な葉をもむと、さわやかな香りがあり、乾燥させるとさらに強い桜餅に似た芳香を放つようになるようです(まだわたしは試したことがありません)

あまり目にしない「佩」という漢字について
はい:人と、巾(帯)と凡(服)からなり、人の帯につけた飾り玉、ひいては帯びる意味を表す。
意味:1.おびだま 2.帯びる、はく 3.こころにとどめて忘れない

○桔梗(キキョウ) 
使用部位:根
化痰止咳平嘔薬(痰をのぞき、咳をとめる薬)の1つ
のどの通りをよくし、痰を除き、咳を止めるため、咳、痰、のどの痛みなどにもちいられます。

ちなみに朝顔も生薬として用いられています……
○朝貌(あさがお)/牽牛子(ケンゴシ)
種子を使います。便秘に用いる、下剤の一つとして紹介されています。少用では大便を通じさせ、多用すると水のような排泄をひきおこすと書かれていることから、なかなか作用は強いようです。

一部の生薬の写真です。
左上から、葛根、瞿麦、牽牛子、そして右下が桔梗です。

以上で紹介を終わります。
秋の七草は観ても美しい、人の身体の薬にもなることがわかりました。

1年のうち、この時期ならではの「秋」を季節の草花で目を、食で口を…と、五感で満喫しつつ、冬に備えていきたいですね。

秋の風物詩

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2018年9月22日(土)

いつのまにか、日が暮れるのが早くなり、30度を下回る日も多くなり始め、秋がきたのだと思う日々になりました。
今年はなにやら、「残暑」で体がだるくなるよりも、「秋雨」による湿気と、朝夕の冷え込みに体が悩まされそうですね。

体はしらずしらず、空気の冷たさによって冷えていきます。体調を崩されないように、温かい飲み物をとることをはじめるなどして、養生されてください。

さて、実りの秋といわれますように、甘くておいしい根菜や木の実、脂ののったサンマなど、おいしい食材には、秋はことかきません。

ですが、この度は、画像でお分かりかのように、「食べる秋」ではなく「観る秋」をとりあげようとおもいます。

「秋の七草」

7種類、みなさま、覚えていらっしゃいますか?

春の七草と違い、食用には使用されず、スーパーなどで並ぶ機会も少ないので、あまり身近ではないかもしれません。

私は「5・7・5・7・7」のリズムに合わせて、覚えた思い出があります。
覚え方はいろいろあるようですが、このリズムが私の中では覚えやすいように感じます。

そういえば、
花の名前が述べられた句の前にもう一つ、前の句があるということを知り、
調べてみますと、この秋の七草の句は「山上憶良(やまのうえのおくら)」が書かれたもので、万葉集に掲載されているとのこと。

万葉集が編纂されたのが、759年以降(奈良時代)と言われています。そして、現存する日本最古の和歌集です。それほど前から述べられていたということは、美しいもの、きれいなものに対する、人の感性はそうそう変化しないのでしょうか。(もちろん、個人の好みもあると思います)
今でも、鑑賞するにはきれいな植物ばかりです。

つらつらお読みになるうちに、7種類、思い出されましたか?

「萩(はぎ)の花、 尾(お)花、葛(くず)花、撫子(なでしこ)の花、女郎(おみなえし)花、藤袴(ふじばかま)、朝貌(あさがお)の花」

(アサガオ:現在では桔梗)
以上7種です。

全句:
「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」
「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また 藤袴 朝貌の花」

ちなみに、画像は桔梗です。凛とした感じが素敵です。

秋の七草は、鑑賞として楽しみ、食用としては用いられませんが、
実は、生薬では、ほとんどが用いられています。

どの植物のどの部位かご存知でしょうか。
そのお話は次回、ご紹介させていただきます。

秋の七草、またその他の秋の植物たちを、みなさまも、日々の生活の中でみつけて、楽しんでください。

オーガニックで汗のケア・天然のいい香り♪

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2018年9月14日(金)

鈴虫の音色に、秋が近づいているのを感じるようになりました。
涼しくなってきましたが、まだ汗ばむこともあるかと思います。
一年を通して、天然のいい香りで気になるワキ、汗のケアはいかかでしょうか?

今回のおすすめ商品は「フィッツ デオロールオン」です。
ロールオンタイプのスキンローションで、ワキのにおいを防ぎ、さらっとした気持ちのよい肌を保ちます。
スプレータイプではないので、周りに拡がらず赤ちゃんやペットのいるご家庭にも使いやすいかと思います。
オフィスに、また化粧ポーチに入れておいてもさっと使えて便利です。
ワキだけでなく首筋にもお使いいただけます。
これから迎える行楽シーズンや運動会、学生の方は一年を通して部活動で汗をかいて、気になるにおいのお悩みもあるかもしれません。
フレッシュグリーンのさわやかな香りで、しっかりにおいも抑えます。

アロエエキスなど保湿成分配合で、長時間保湿、敏感肌にも対応しています。
オーガニック商品を初めて使ってみたい方、お子様、ご両親、ご友人へのプレゼントとしてもおすすめです。
※アルミニウム塩 ミョウバン石は使用していません。安心してお使いいただけます。

100%天然由来成分、オーガニック認証「フィッツ デオロールオン」
ご家族皆様で使っていただけます。

ハレノヴァではテスターをご用意しています。香りや使い心地をぜひ試してみてください。
どうぞお気軽にお立ち寄りくださいませ。

女性の不調の味方? 当帰のお話

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2018年9月8日(土)

今週始めは関西を中心に大型の台風が、また先日は北海道を中心に大きな地震が起こりました。
ハレノヴァは大阪にありますが、幸いにも大きな被害を受けることなく、通常通り営業しております。
被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

さて、今回は漢方薬の原料である生薬のひとつ「当帰(トウキ)」についての話題です。

漢方薬に用いる当帰は、セリ科の植物でトウキ Angelica acutiloba Kitagawa またはホッカイトウキ Angelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino の根を湯通しして乾燥したものです。

当帰には血(ケツ)を補う働き、血(ケツ)をめぐらす働き、月経を整える働きなどがあります。
漢方医学で言う血(ケツ)は、西洋医学で言う血液と身体に必要な栄養分のことを指します。
血(ケツ)が不足すると、肌の乾燥・肌荒れ、爪がわれる、髪につやがない、めまい、不眠、動悸、生理痛、生理不順など、たくさんのトラブルが起こりやすくなります。

女性は体質的に血(ケツ)が不足しやすい人が多く、女性に使われる漢方薬の主役(主薬)と言われることもありますので、この当帰が含まれた処方を飲む機会は多いかもしれませんね。

ちなみに当帰は日本でも古くから栽培されている生薬のひとつなのですが、その生産地のひとつである奈良県では、トウキの葉を利用した様々な食品を発売しているそうです。
写真は奈良県の方に買ってきていただいた、トウキの葉入りのラテ、ポン酢、ドレッシングです。

以前にトウキの葉入りのお茶を飲んだことがありますが、その時は少し甘い独特のトウキの香りや味がしました。
これは初めてなので、どんな香りや味がするのか楽しみです。
やはりトウキのお茶のような香りや味がするのでしょうか……。