引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。
今日は老人の疾病治療に関する部分を抜粋して読んでみます。
引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。
今日は老人の疾病治療に関する部分を抜粋して読んでみます。
気象病(天気痛)とは、天気や気圧の変化によって起こる痛みや体調の悪化をいいます。
雨の日が近づくと頭痛がしたり、リウマチの人なら関節が痛くなったり、喘息の人なら少しぜーぜーするなどの症状が出てきたりします。
漢方では、体の中に湿気をため込んでいる人は、気象病の症状が出やすいです。
体の中に湿が溢れていると、体の外の湿に、体の中の湿が反応して、体への影響が大きくなります。
カラッと晴れた湿度の低い、いい天気の時には、体内の湿も鳴りを潜めて大人しくしているのですが、外に味方がいるときには暴れてしまいます。
体の中に湿をため込む人(水の巡りが悪い人)は、いくつかの種類に分けることができます。
胃腸が弱いタイプ、腎が弱いタイプ、冷えているタイプ、肺が弱いタイプなどがあります。
胃腸が弱いタイプは、食事の量はあまり食べられなかったり、食後に眠くなりやすかったりします。漢方では、胃腸は水をさばく働きがあると考え、胃腸が弱いと、水の巡りが悪くなって、手足や頭に湿が溜まりやすくなります。
腎が弱いタイプは、喉が渇いて飲むけど尿が出にくかったりします。尿による不要な水の排出が悪くなることで、湿が溜まりやすくなります。
冷えているタイプは、手足が冷えやすかったり、冷たいものが飲めなかったりします。冷えているせいで、体内の水の巡りが悪くなり、湿を溜めてしまいます。
肺が弱いタイプは、かぜをひきやすかったり、動くとすぐに汗が出たりします。肺は体の上部や体表面の水を動かす働きがあるので、肺が弱いことも湿が溜まることに繋がります。
このほかにも、精神的ストレスで全身の気(エネルギー)の巡りが悪くなり、それに伴って水の巡りが悪くなるのが絡んでいる人もいます。
1人の人の中に、いろいろなタイプが混ざっていることが多いので、その人にあったお薬を選ばないといけません。
では、湿をため込まないためにはどうすればよいかですが、湿を入れない・生み出さない、湿を追い出す、この2つが原則です。
水を飲む量を考えたり、湿を生む甘いものや脂っこいものを避けたりして、湿の発生を防ぎ、しっかり動いて汗や尿として湿を追い出すなどが効果的です。
体が冷えると気血水の巡りも悪くなるため、氷入りの水分は取らないことなども重要です。
天気に関連する不調に関しては、西洋薬ではあまり効果がないため、漢方薬が大きな力を発揮します。
お一人お一人に合った漢方薬をご提案します。
よければ、一度ご相談ください。
暑熱馴化(しょねつじゅんか)。なぜかこの2、3年で急にニュースで聞くようになった言葉です。暑熱馴化ができていないと、熱中症のリスクが高まります。
体が暑さに馴れる馴れないとは別に、体質として、なかなか汗をかかない方は、結構います。漢方相談で来店される方の場合、汗をかきやすい、或はかけるかどうかはかなり重要な判断材料となります。
さて、暑熱馴化に関して簡単に説明すると、急に気温が上がる時期や、暑い日が続かない時期は、まだ体が暑さに慣れていなくて、汗を出したり体表面の血管を拡げて熱を体の外へ逃がす機序が上手く働かないということです。
厚労省や日本気象協会の情報から引用すると、予防には、ウォーキングやサイクリングなどの軽い運動、筋トレ、入浴などが有効で、汗を出やすい体にできると言います。
一度、体が暑さに慣れても、数日暑くない日が続くと、元に戻ることがあり、5月、梅雨の晴れ間、梅雨明けなどは気を付けなければいけません。
また、利尿薬や、自律神経にはたらくパーキンソン病の薬、広範囲の皮膚疾患を持っている方などは、熱中症の危険性が高いです。
まずは、運動で汗腺を鍛えることが重要ですが、それでも体質として難しい方は、漢方薬も選択肢になります。
漢方では、汗をかけないのは、体表面まで気を持って行けなかったり、体表面までの道で気が滞っていたり、体が冷えていて代謝が悪いなどの状態が考えられます。
漢方薬を試してみたい方は、一度ご来店ください。
引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。
今日は老人の疾病治療に関する部分を抜粋して読んでみます。
漢方と現代医学では、同じ用語でも全く同じものを指すことはありません。
「五つの臓(臓器)」の名前でいうと、西洋医学では、臓器そのものの実体を指す言葉ですが、漢方では、システムや機能単位で区切った言葉です。
今回、「肝」について紹介いたします。
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前回、邪を防ぐ、邪の発生を予防するための方法をお話ししました。
今回は、漢方薬にも、治療のための薬、健康を保つのための薬があることについてお話しします。
前回、正気を強くするためにはどのような方法があるかお話ししました。
では、邪を防ぐ、邪の発生を予防するにはどうすればよいでしょうか。
1,邪を細菌やウイルスとする場合、2,気候や環境とする場合、3,気血水の滞りとする場合に分けて考えてみます。
前回、病気にならないためには、正気を強くするか、邪の侵入を防いだり、邪を体に溜め込まないようにするかどちらかという話をしました。
では、正気を強くするにはどうすればよいか。
正気を強くするには、正しい食事と睡眠をとる、治療のための薬ではなく保健のための薬を飲む、体の熱や冷えのバランスを整える、五臓(肺心脾肝腎)のバランスを整えるなどが必要です。
病気になりたくないのは、全ての方に共通している思いではないでしょうか。
(むしろ病気になりたいという方は、深淵な哲学をお持ちの方か、探究心を窮めた狂気じみた方か、芯の図太い徹底した天邪鬼だと思います。)
では、病気になりにくい体、病気が再発しにくい体を目指すためにはどうすればよいでしょうか。
漢方の視点、治療薬、保健薬、生活習慣、心、いろいろな面からどうすればよいかを考え、何回かに分けてお話ししていこうと思います。
2022年1月18日(火)
先日、雑誌「素敵なあの人」編集部様(宝島社様)に、「60代からのフェムテックと漢方」のテーマで、オンライン取材を受けました!
フェムテックとは、Female(女性)とTechnology(技術)を組み合わせた新しい言葉です。
女性の健康における課題をテクノロジーで解決するサービスや製品をフェムテックと呼びます。
引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。
今日は身体の保養に関する部分を抜粋して読んでみます。
2021.8.18
コロナがかつてないほど爆発的に広がり、“災害級”という言葉も使われていますが、若い世代ほど気にしていない方の割合が多い印象があります。
ワクチンを希望しない方も、他の世代より若い世代の方が多いと言われています。
今が大事というのもわかりますし、感染して最悪の場合亡くなってしまうのは運だと割り切ってしまうのも考え方として否定すべきものではありません。
社会のために行動しろ、ワクチンを打てという圧力も、健康ファシズムのようで、少し心がざわつきます。
ただ、そこは考え方次第で、単に、自分の為に今の行動やワクチン接種を考えて欲しいと思います。
引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。
今日は身体の保養に関する部分を抜粋して読んでみます。
引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。
今日は精神の保養に関する部分の後半を抜粋して読んでみます。
【原文】
・悲の情は心胞絡の主る所なり。年老いては気弱くして、憂にだも堪えがたし。悲はまた憂よりも気をけづる事倍せり。『素問』にも「悲ときは気消す」とあり。憂にしづむといふも、心のやる方もなきものなれど、涙の催すほどなる事なし。少のかなしみにもまづ涙のさきだつをもて、その重き事をしるべし。老人のとぼしき元気いかんぞ此悲に堪んや。悲はおほくは死別なり。老人には死別をつつみかくして聞せぬやうにすべき事なり。