夏の音

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シャカシャカシャカ…
ミーンミーン…
ジャカジャカジャカ…
ツクツクボウシツクツク…

セミが鳴き始めました。
皆さんの周りではセミの鳴き声どのようなものなのでしょうか?
こちらではきっとクマゼミだろうなぁというジャカジャカした声が
朝からひっきりなしに聞こえてきます。

この時期特有の季節の音を奏でる(?)セミたち。
実は生薬にも蝉が使われています。
これです↓(画像)


蝉退(センタイ)という名前で扱われています。

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生薬にまつわる「竹」

2019年4月27日(土)

先日、ほりたて、ゆでたてのタケノコをいただきました。

水煮やごはんやさんでいただく調理されたかたちでは
みたことがありますが、丸々いただくのは初めてでした。

台所に立ち、
先っぽの方(色の濃い部分)が堅い!とか
たまねぎのように、どこまでもするする剥けてしまう、マトリョーシカや!と
ひとり突っ込みながら
タケノコの炊き込みご飯づくりに勤しんでいました。

さて、前置きのタケノコはこのくらいにして生薬の話に移ります。

残念ながらタケノコ自体は生薬に含まれていないので、
「竹」が名前に含まれている生薬をこの機会に調べてみました。
ざっと5つ紹介します。

「竹葉(チクヨウ)」「竹如(チクジョ)」「竹瀝(チクレキ)」「淡竹葉(タンチクヨウ)」「玉竹(ギョクチク)」

これらがすべて竹由来の素材で、同じ種類の竹なのかと思いきや
そうではありません。

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ホワイトデー

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ホワイトデーが近づきました。

ホワイトデーがなぜホワイトなのかはちょっと調べきれませんでした
(ご存知の方また教えてください)
ただはじまりとしては、バレンタインデーでチョコレートの贈物を受けた男姓が
お返しの意味を込めて、キャンディーを贈る日として飴菓子業界が策定した日だとか。

第1回は1980年。
今年でホワイトデーは32歳なんですね。

ホワイトつながりで「白」の漢方薬の話題です。

その漢方薬の中身がこちら(画像)です。

まっ白い生薬の正体は「セッコウ」です。

この漢方薬は、白虎湯(びゃっことう)といいます。

中国史や、ゲームがお好きな方は白虎ときいて
ピンと名前の由来が浮かぶと思います。

そうです、四神です。

西の白虎、五色の「白」。

実際にこの漢方薬も画像の通り、真っ白のセッコウが多量に含まれいます。
このことから白虎湯と命名されたのかもしれません。
(*できあがりの煎じ液は真っ白にはなりません。)

西洋薬の名前の由来も調べてみると色々考えられて、名付けられているものも多くあります。
例えば、痛み止めのカロナールは「痛みがとれ軽(かる)くなる」いう薬の効果から命名されたそうです。

他にも、この時期におなじみ、アレルギー性鼻炎に対して使われる「ザイザル」(Xyzal)があります。
この由来はアレルギー疾患に対する最終兵器との意味を込めて「XYZ」の文字を入れたのだそうです。
それだけ、アレルギーをいかに抑えるかに悩まされていたのかと思ったネーミングです。

また最近、私はCMでよく耳にする「ドリエル♪」は「dream well(良い眠り)」に由来しているとのこと。

漢方にせよ西洋薬にせよ、名前の由来を調べるのは楽しいです。

白虎のみならず、もちろん青龍、玄武が名前の由来の漢方薬はあります。
ご紹介はまた次回にでも。

最後話がそれましたが、ホワイトデーには忘れないようにお返しをしようと思います。

牡蠣は何と読みますか?

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2019年2月2日(土)

最近、街の中を歩いていると「牡蠣」というのぼりが目につきました。
「牡蠣」という字は、目にした瞬間、「かき」とお読みになると思います。

しかし、私はどういうわけか、
「ボレイ」という読み方が、頭に浮かんできました。

生薬にだいぶ触れているせいかなぁとしみじみ思った今日この頃です。

今回はそんな「牡蠣」について。

牡蠣(かき)の身は、海のミルクと呼ばれるように、ミネラルなどが豊富で、
栄養たっぷりの冬の味覚の一つです。
ピンと張り詰めた、寒さが染み渡るこの時期ならではの食べ物ですね。

この牡蠣を「ボレイ」と読みますと、牡蠣(かき)の殻のことを指し、
生薬の1種として扱われます。

なぜ、他の貝ではなく、
牡蠣(かき)の殻を薬として目を付けたのかは、不思議なところです。
(ただ、貝殻はよく、土壌に撒いたりして使用されるので、
そういったところからも発想に至ったのかもしれないません。)

漢方の考えでは、ボレイは
「重鎮安神(じゅうちんあんじん)薬」に分類されます。
安神とは「心が落ち着いている状態」と考えてください。

漢方薬のなかにおいても、驚きやすい、不安、不眠を訴える方に
使用されるものに含まれてます。
昔々に、貝殻に上記のような力を見出したことには感心します。

あくまで個人的な想像を膨らませてみますと、

貝殻には、重さがあります。
漢方薬を作る際は砕かれているものを扱いますが、量をあつめると、
その手にずっしりとした重さを感じます。

このずっしりとした感覚が、「鎮める」につながり、
さらに、気持ちを平静な自分自身へ「落ち着かせる、冷静にさせる」ことになったのでしょうか。

よく眠たくなると、うつらうつらすると思います。
このとき、まぶたは下がりかけています。
まぶたが「重く」なるともいわれる状態です。

つまり、ずっしりとしたもので、まぶたを重くする→眠たくする

という発想かもしれないなぁとふと思いました。

その他では、胃酸過多に用いられる薬に含まれてもいます。
こちらの用いられ方はおそらく、殻の主成分が炭酸カルシウムであり、
それが胃酸を中和する働きをもつためだと考えられます。

普段は私たちの口の中には入らない、牡蠣の殻ですが、
食卓の話題の一つにもなる(?)ので
この殻が漢方薬として利用されているものなのだと思いつつ、
旬の牡蠣(かき)を召し上がってみてください。

召し上がる際は、くれぐれも、お腹をこわさないように気を付けてくださいね。

まだまだ寒い季節です。
風邪には油断なさらず、防寒などしっかり対策して
お過ごしください。

風邪薬に頼りすぎない冬に

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2018年11月22日(木)

最低気温が10℃を下回る日が増えてきましたね。
ゼロゼロ、ゴホゴホという人、マスク姿の人が多く見受けられます。

風邪は万病のもとというように、
風邪のみではなく、ひくことで体が弱ってしまうことも問題となります。

体調を壊すとデメリットがたくさんでてきます。
例えば、

物事がはかどらない
治りが遅くなりやすい
お薬代がかかる 
ご飯がおいしく食べられない

もちろん、人によって違いがあるでしょうが、いつもなにげなくできていることが、
うまくいかないことが多いと思います。

「時は金なり」といいます。
体調が思わしくない時、

15分で、できていたことが、なぜか30分かかっていた。
いつもしないようなミスをして、同じことを繰り返す羽目になり落ち込む。
覚えようとしたことがなかなか頭にはいってこない、イライラする。

このように
「時間」のロス、精神的にもマイナスにつながります。
余計なストレスもたまるかもしれません。

なる前に、ならないように予防することが、やはり、
普段のなにげない生活を気持ちよく過ごすためには大事だと感じます。

ハレノヴァでは

ウイルスに感染した時の頭痛、高熱に使用される生薬【板藍根】
を飲みやすく粉末にした商品がございます。

のどのイガイガ、痛みにもお使いいただけます。

また、オリジナルで板藍根をブレンドしたお茶もございます。
癖のある板藍根の味が抑えられ、飲みやすくなっております。

試飲もできます。
風邪をひかないように、ぜひ味見に来てください。

加えて、
手や足先、お腹を触ると冷たい、など冷えやすい方にはぜひおすすめなのが、
「蒸した」ショウガ100%の【赤乾姜】です。

お腹から全身をあたためてくれる商品です。料理にもお使いいただけます。

【赤乾姜】は「蒸してあること」がポイントで、蒸していない生姜と異なり、
体を中からあたためる成分が多く含まれます。

理想は、風邪をひいたら、家でゆっくりして、早く寝る。がベストなのですが、
仕事、家庭、勉強などと、そうもいってられない現代の生活です。

「お金」「時間」のロスをなくすためにも、
「風邪をひかないこと」「風邪薬にたよりすぎない」冬を過ごしてみませんか?

晩ご飯に
板藍根のお茶、赤乾姜いりのお味噌汁、赤乾姜の生姜焼き
どれかを一品加えて、翌日の健康に備える。

なんて
いいかもしれません。

秋の風物詩2

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2018年9月29日(土)

前回(18.9.22)の話の続きとなります。
ご紹介させていただいた、秋の七草の内、5つが漢方薬の原料である生薬としても使用されています。
くず、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、あさがお(キキョウ)です。
では、くずからみていきましょう。

○葛(くず)/葛根(カッコン)
使用部位:根
解表(発汗させることで、風邪などの症状を緩和する)薬の1つ
熱を冷ます、筋肉のけいれんをゆるめる作用があります。葛根湯は、首筋の後ろのこりや、こわばりがある時に使用する。というのが指標の1つとしてありますが、その理由はこの葛根の作用と考えられます。民間療法でも使用され、風邪のひきはじめなどに、くずゆをお飲みになったことがある方も、いらっしゃるのではないでしょうか?

○撫子(なでしこ)/瞿麦(クバク) 
使用部位:花が咲く時期の地上部
利水滲湿薬(体の水の流れをよくして、水湿を除く)の1つ
湿熱を除き、尿の出をよくする作用や、また血(体の中の血が滞った状態)をとる作用もあり、無月経の治療に用いられることもあります。

瞿麦の「瞿」という漢字が珍しいので調べてみました。
瞿:上部の二つの目が見はって警戒する、下部の字(はやぶさ)を加えて、猛鳥が見張るさまを表している。
意味:1.みる、タカなどの猛鳥がきょろきょろ見回す 2.ほこ、刃先が4つある武器
とのことです。

○女郎花(おみなえし)/敗醤(ハイショウ) 
使用部位:根を付けた全草
清熱薬(体の様々な要因より生じた熱をさます薬)の1つ
炎症を抑え、また解毒、膿を取り除く作用があるといわれています。

敗醤とは:
植物全体に、醤(味噌など、どろどろに発酵させた食品)が腐ったような臭気があるところから名付けられたようです。

○藤袴(ふじばかま)/佩蘭(ハイラン)
使用部位:全草
暑薬(暑さによる諸症状(ほてり、熱感など)を取り除く薬)の1つ
暑さや湿気による発熱や、食欲の低下などに使用されます。香りによって、胃腸を元気にし、口臭や口がねばねばするなどの症状に対する良薬とされています。

なぜ蘭がつくのか?
「蘭」の字は古くは芳香のある植物をさしたそうです。新鮮な葉をもむと、さわやかな香りがあり、乾燥させるとさらに強い桜餅に似た芳香を放つようになるようです(まだわたしは試したことがありません)

あまり目にしない「佩」という漢字について
はい:人と、巾(帯)と凡(服)からなり、人の帯につけた飾り玉、ひいては帯びる意味を表す。
意味:1.おびだま 2.帯びる、はく 3.こころにとどめて忘れない

○桔梗(キキョウ) 
使用部位:根
化痰止咳平嘔薬(痰をのぞき、咳をとめる薬)の1つ
のどの通りをよくし、痰を除き、咳を止めるため、咳、痰、のどの痛みなどにもちいられます。

ちなみに朝顔も生薬として用いられています……
○朝貌(あさがお)/牽牛子(ケンゴシ)
種子を使います。便秘に用いる、下剤の一つとして紹介されています。少用では大便を通じさせ、多用すると水のような排泄をひきおこすと書かれていることから、なかなか作用は強いようです。

一部の生薬の写真です。
左上から、葛根、瞿麦、牽牛子、そして右下が桔梗です。

以上で紹介を終わります。
秋の七草は観ても美しい、人の身体の薬にもなることがわかりました。

1年のうち、この時期ならではの「秋」を季節の草花で目を、食で口を…と、五感で満喫しつつ、冬に備えていきたいですね。

女性の不調の味方? 当帰のお話

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2018年9月8日(土)

今週始めは関西を中心に大型の台風が、また先日は北海道を中心に大きな地震が起こりました。
ハレノヴァは大阪にありますが、幸いにも大きな被害を受けることなく、通常通り営業しております。
被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

さて、今回は漢方薬の原料である生薬のひとつ「当帰(トウキ)」についての話題です。

漢方薬に用いる当帰は、セリ科の植物でトウキ Angelica acutiloba Kitagawa またはホッカイトウキ Angelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino の根を湯通しして乾燥したものです。

当帰には血(ケツ)を補う働き、血(ケツ)をめぐらす働き、月経を整える働きなどがあります。
漢方医学で言う血(ケツ)は、西洋医学で言う血液と身体に必要な栄養分のことを指します。
血(ケツ)が不足すると、肌の乾燥・肌荒れ、爪がわれる、髪につやがない、めまい、不眠、動悸、生理痛、生理不順など、たくさんのトラブルが起こりやすくなります。

女性は体質的に血(ケツ)が不足しやすい人が多く、女性に使われる漢方薬の主役(主薬)と言われることもありますので、この当帰が含まれた処方を飲む機会は多いかもしれませんね。

ちなみに当帰は日本でも古くから栽培されている生薬のひとつなのですが、その生産地のひとつである奈良県では、トウキの葉を利用した様々な食品を発売しているそうです。
写真は奈良県の方に買ってきていただいた、トウキの葉入りのラテ、ポン酢、ドレッシングです。

以前にトウキの葉入りのお茶を飲んだことがありますが、その時は少し甘い独特のトウキの香りや味がしました。
これは初めてなので、どんな香りや味がするのか楽しみです。
やはりトウキのお茶のような香りや味がするのでしょうか……。

春先に咲く花と漢方素材「モモ」

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2018年3月16日(金)

日差しが随分と温かい日もあり、春めいてきましたね。
まだ少し肌寒くなる日もありますが、着実に春に向かっていっているのだと感じます。
ちょうど来週は春分ですね。
春分は昼の長さと夜の長さがほぼ同じになる日と言われていますが、確かに最近は日が落ちるのが大分遅くなった気がします。

この時期は、ウメ、モモ、サクラときれいな花が次々と咲きます。
開花時期も少しずつずれているので、長く楽しめるのがいいですよね。
漢方の世界ではこれらの「花」ではなく、「実」や「種」、「樹皮」の部分を利用します。
中でも一番よく使われるのはモモの種を利用した「桃仁(トウニン)」。
血(ケツ)のめぐりを良くする働きがあり、婦人科領域でよく使われる処方の中にも含まれることも多いです。
ただ観賞用や食用のモモの種は小さいため、薬用の品種のモモから桃仁は作られています。

その他の身近な植物もこのように漢方薬に利用されているかも知れませんよ。
これからは薬用植物もたくさん花を咲かせる時期です。
散歩てがら、薬用植物を探しに行ってみてはいかがでしょうか。

福知山の花

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2017年10月10日(火)

全国の都道府県や市町村では各地域のシンボルとして花や木・鳥などを使用しているのはご存知でしょうか?都道府県の花は1954年牧野富太郎先生、本田正治先生によって「郷土の花」が制定され、そのまま今に繋がっているとも言われています。

因みに都道府県においては、東京都・大阪府は下記の通りです。
東京都・・・木:イチョウ、花:ソメイヨシノ、鳥:ユリカモメ
大阪府・・・木:イチョウ、花:ウメ・サクラソウ、鳥:モズ

栃本天海堂の薬草圃場が京都府福知山市にあります。福知山市のシンボルの花は
漢方処方でもよく使われる『桔梗(キキョウ)』です。

福知山の圃場にも沢山の桔梗が栽培され、夏に開花します。スラット伸びた茎に艶やかな紫色の花をつけます。

漢方では、桔梗の根の部分を使用し、主な効果は去痰、止咳、排膿作用で、特に咳を止めや扁桃腺の腫れに使用されます。これから寒くなりのどの痛みを感じる季節となります。風邪の症状には早めに対処してください。

友が島:菊花

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2017年6月12日(月)

先日、和歌山県にある「友が島」に行ってきました。
友が島とは、淡路島と紀伊半島の間にある地ノ島、神島、沖ノ島、虎島の総称です。
大阪から車で1時間半ほど走り、フェリーに乗って20分。あっという間についてしまいました。
久しぶりにフェリーに乗ると気持ちいいですよね☆

ここは、昔に第二次世界大戦まで要塞施設として使用され、大阪湾からの外国艦隊の進入を防ぐ目的で建てられたとのことですが、一度も大砲を打つことなく終戦を迎えたとのことです。
今では「天空の城ラピュタに似ている」とのことで観光スポットになっています。
島に着くと、トレッキングに来ている老若男女の方がおられ、また外国からの観光客もちらほらと見受けられました。
2コースあり、私は2時間ほどで回れる短いコースを選びました。それでも上りあり下りありで汗だくになるほど。。。
明日は筋肉痛になるでしょう。。。
最初に見えたのは第二砲台:ここは爆破されてしまい形は残っていません。

一番見どころがあったのが第三砲台:ここは地下が迷路のようになり明かりもなく真っ暗。携帯のライトがなければ前に進めません。

どことなく「天空の城ラピュタ」に似ていますよね。

友が島にはジャングルのような森もたくさんありましたが、なんといっても菊がたくさん咲いていました。

この菊は小粒で杭菊花といい、非常に目に良い作用を持っています。効能効果としては、目の炎症・充血を取り精神を落ち着かせてくれます。良く菊花茶としても飲まれていますよね。
ハレノヴァにもすっきりとした甘さの菊花茶があります。ぜひ興味のある方お問い合わせください。

女性の強い味方:当帰

2017年3月20日(金)

春分の日を迎え、今日は春の日差しがあり暖かく過ごせましたね?
三連休皆さんどのように過ごされましたか?

「当帰」という生薬は漢方薬の中でも血を補ってくれるので女性に強い味方の生薬です。多くの婦人薬に含まれ、血の循環を良くしてくれるとともに肌への潤いをプラスしてくれます。嬉しいですよね。

少し前ですが、当帰の中でも良品とされている大和当帰の産地に行ってきました。
大和と言うほどなので、大和地方:奈良県にほど近い和歌山です。

当帰は苗床で1年、本圃で1年の2年かけて育てます。当帰はセリ科の植物でなんとなくセロリに似た匂いを放つ植物です。掘り上げる2年目の秋には大きく育ち大きいものでは50cmほどに育っています。潤いのある甘みと辛味を備えた根の部分が生薬として使われます。この当帰は11月ごろ掘り上げ、土を付けたまま風に晒して乾燥させ、2月ごろの寒い時期に湯もみをします。この湯もみを丁寧にすることによって甘さが増し良質な当帰が出来上がります。この湯もみが終わると5月ごろまで再度風に晒しゆっくりと春の光を浴びて乾燥させて出来上がり。太陽の光をふんだんに浴びている加工方法ですね。

作物を作るのは農家さんたちの愛情と手間が深くふかーーく染み込んでるんですよね。
ちなみに、当帰を育てている農家さんは皆お肌が綺麗な方でした。これも当帰の効果ですね。5月ごろ今年の当帰が入荷するのが楽しみです。

百合根について

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2017年2月13日(月)

みんなさまこんにちは。
いかがお過ごしでしょうか。

立派な『ゆりね』を見つけたので、ぱちっと1枚写真を撮ってみました。
独特の食感が癖になる感じで美味しいですよね〜♪ 我が家では、茶碗蒸しや卵とじにして食べる予定です。楽しみ楽しみ。

実は『ゆりね』ですが、中国最古の本草学専門書『神農本草経』に中品として収載されており、食用以外に古くから薬用としても使われます。

●ビャクゴウ(百合)は、ユリ科のオニユリやハカタユリなどのりん片葉を主に蒸して乾燥したものです。
漢方的には潤肺、止咳、安神などの効能があり、咳嗽(せき)や不安による動悸などに用いられます。
また、苦味の少ないオニユリなどのりん片葉は、ゆりね(百合根)として食用として用いられています。
参考:https://www.kigusuri.com/kampo/jiten/shouyaku/byakugou/

とても空気が乾燥するこの時期にもってこいの食材です。また、カリウム含有量が野菜の中ではトップクラスでキュウリよりも高いため、血圧が高めの方にもおすすめですね。

そろそろ旬も終わりに近づいてきているそうなので、まだこの冬食べられてない方はぜひどうぞ〜

キハダ ☆黄柏☆

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2016年9月3日(土)

9月に入りまだまだ残暑が厳しいですが、朝晩が少し過ごしやすくなってきましたね。秋の味覚が楽しみになってきました。

少し前ですが8月初旬に、漢方薬で使用される「黄柏」採取の研修に参加してきました。
黄柏とは、ミカン科:キハダの樹皮を乾燥させたものです。
非常に苦いですが、家庭薬としてもよく使われています。「良薬は口に苦し」とはまさに黄柏のことを指すのかもしれません。
効果として健胃・整腸作用・殺菌作用があり、また身体の中の余分な熱を取ってくれるので打撲にも使われます。


今回の研修で使用したのは、奈良県で40年以上育ったキハダの木です。伐採後適当な長さに切断し、樹皮を剥がしやすいように切れ目を入れます。切れ目からヘラなどを使って刺していくとスーーッと剥がれていきます。思っていた以上に綺麗に簡単に剥がれ、鬼皮も自然に取れていきます。

あとはこのまま乾燥し漢方薬として使います。

このキハダの採取は水分が樹皮に沢山染み込んでいる梅雨の時期が適しています。乾燥するとこんなに簡単には剥がれないそうですよ。

漢方薬に使われている生薬の多くは長い年月育った植物の力を使っています。大切に使わないとダメですね。

21染料☆ベニバナ☆

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2016年7月3日(日)

7月2・3日に広島国際大学で行われました
「呉藍(紅花)祭り」
に参加してきました。この呉藍とは、3世紀の中国王朝時代(呉の時代)に染料の技術(藍と総称)が渡ってきたことに由来しています。紅花から赤色の色素を取り出す技術はすごく手間暇がかかり、昔はこの紅色が非常に高価なものとされ、高貴な人でしか使うことができなかったそうです。

実際に紅花を使った染にチャレンジしました。
行程は
1.摘み取った紅花を4時間水にさらし黄色の色素を取り出す
2.花びらを絞る
3.1・2の作業を黄色の色素が出なくなるまで繰り返す
4.赤色の色素を取り出すために4−8%の炭酸カリウムで抽出する
5.赤色の染料ができる
6.染めたいものを染料につけ、揉み込む
7.クエン酸と米酢を加えさらに揉み込む
8.色止めでさらに米酢につける
9.水洗いと乾燥

染料の素材になる植物って紅花以外にも、クチナシ・アイなど植物で漢方薬としても使われるものなんですよね。
今回染に使った紅花も漢方では「コウカ」という名で血の流れを整えてくれる効果があります。
植物って本当に奥が深いですよね。
手作りで染めたスカーフは愛着がわきます。
今は機械化が進んで染料を使った染めをする機会はなかなかないですが、ご興味があればチャレンジしてみてください。

むくみにおすすめ はとむぎ茶

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2016年5月30日(月)

気温が上がるとともに、少しずつ蒸し暑くなってきましたね。
梅雨の時期に向かって湿度も高くなってきているようです。

そんな湿気が多い時期に気になるのがむくみ。
漢方では、身体に影響を与える余分な湿気のことを「湿邪(シツジャ)」と呼びます。この湿邪が旺盛となるこの時期は、多すぎる湿に身体がうまく対応することができず、身体の水が滞りやすくなるので、どうしても、むくみやすくなる人が増えてしまいます。
また西洋医学的にも、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなるため、身体に水が溜まりやすくなってむくみにつながる、というように言われているようです。

さて、この時期のむくみ解消に、おすすめなのが「はとむぎ」です。
はとむぎは穀物の1種。最近では色んなお茶にブレンドされていますので、ご存知の方は多いと思います。
写真の左側、茶色い色をしているものがお茶の原料として用いられる「はとむぎ」です。
その右側にある白い粒は「ヨクイニン」といい、はとむぎの茶色い皮を脱穀したものです。漢方薬に配合されるときはこのヨクイニンの形で用いられます。

毎日飲むお茶としてはとむぎを使いたい、という場合は茶色い殻のついたはとむぎの状態で使うことをおすすめします。焙煎してあるものだと、さらに香ばしい味が楽しめておいしいお茶になりますよ。

むくみのほか、はとむぎは美肌効果もありますので、石鹸や化粧品の素材として使われているようです。昔からヨクイニンはイボ取りによい、と言われていますので肌に良いのもうなずけますね。