老人必用養草3(寄り道)

香月牛山

前回に引き続き、『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は、以前に紹介した『小児必用養育草(しょうにひつようそだてぐさ)』の香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになる本です。

なのですが、今回は何か所かを切り取り、「老人」や「年老いては」、「人」などの言葉を削って、通して見てみます。

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老人必用養草2(飲食について:総論、肉)

香月牛山

前回に引き続き、『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は、以前に紹介した『小児必用養育草(しょうにひつようそだてぐさ)』の香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。

今日は食養生の部分を抜粋して読んでみます。

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老人必用養草1(養老の総論)

香月牛山

今回は、『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は、以前に紹介した『小児必用養育草(しょうにひつようそだてぐさ)』の香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになる本です。

「巻一、養老」の総論の一部分を読んでみます。
原文のあとに、私が適当に訳したものを記します。

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小児必用養育草3

2019.2.16

2019年2月15日(金)

さて、久しぶりに小児必用養育草(しょうにひつようそだてぐさ)を見てみます。
上の挿絵は、右がお食い初め、左がお宮参りの図です。
今回も本文には関係ありませんが、雰囲気を味わうために貼り付けておきます。


さて、今回紹介するのは、巻二の「生子養育の説」の一部です。
前回までは、あまり信用できない部分を紹介しましたが、
今回は現代でも役に立つ部分を紹介します。
原文に続いて、私が適当に訳した文を記します。


〈原文〉
 『保嬰論』に、「子を養育に十種の法あり。第一には、背を暖にせよ。二つには、腹を暖にせよ。三つには、足を暖にせよ。四つには、頭を涼しくせよ。五つには、胸を涼しくせよ。六つには、小児の驚きおそるるかたちの類を見する事なかれ。七つには、いまだ見しらぬ人を見せしむる事なかれ。八つには、啼事さだまらずして、乳を飲しむる事なかれ。九つには、軽粉、朱砂の類の石薬を飲ましむる事なかれ。十には、浴する事たびたびすべからず」と見えたり。

〈訳文〉
 『保嬰論』に、「子供を育てるのには十個のするべき事がある。一つ目は、背中を温かくすること。二つ目は、腹を温かくすること。三つ目、は足を暖かくすること。四つ目は、頭を涼しくすること。五つ目は、胸を涼しくすること。六つ目は、子供が驚き怖がるような見た目のものを見せないこと。七つ目は、見知らぬ人に合わせないこと。八つ目は、泣き止まない内は乳を与えないこと。九つ目は、軽粉、朱砂などの鉱物由来の薬を飲ませないこと。十は、湯浴みを何度もしないこと。」

 背中を温めるのは重要で、背中には膀胱経という気血の通り道があり、風邪(フウジャ)が入ってくる場所があります。風邪に侵されるとかぜになってしまうので、そこをしっかりと守るために、背中を温めるように言っています。
 頭を涼しくするのは、子供は陽(温めたり動かしたりするエネルギー)が盛んなので、大人より暑がりです。オーバーヒートしないように頭を冷やすということでしょう。


〈原文〉
 巣元方の説に、「初生の小児は、皮膚いまだ堅からず、衣を厚く重ねて温むべからず。温れば汗出やすし。汗出れは皮膚弱く成て、風を引やすきなり。常に衣を薄くすべし。背を冷やす事なかれ。衣を薄くする事は、初秋よりならはしむべし。漸々に寒くなるによりて、初秋より薄く仕馴て、次第次第に厚くして、冬にいたれは俄に寒きにいたらずして、寒に馴てよく堪るなり」といえり。心得べき事なり。

〈訳文〉
 巣元方という医師の説に、「生まれたばかりの子は、皮膚がまだ固くなく、厚着して温めてはいけない。温めると汗が出やすい。汗が出れば皮膚が弱くなり、かぜをひきやすくなるものだ。常に薄着にするのがよい。ただし、背中を冷やしてはいけない。薄着にするのは、秋の初めから慣れさせるのがよい。徐々に寒くなるにつれて、秋の初めから薄くすると馴れて、だんだんと厚くして冬になると、すぐに寒いとは思わなくなり、よく堪えられるようになる。」とある。心するべきことである。

 上でも話したように、子供は陽が多く、陰がすくないと言われています。つまり、体温が高くて活発に動くということです。体温が高いのに、厚着をするとすぐに汗をかいてしまいます。汗がでると、気も同時に出てしまいます。気は体の防御機能にも関わっているため、汗が出ることで、からだ表面の防御が弱くなり、かぜをひきやすくなります。
 では、冬はどうすればいいかというと、秋口から薄着に馴れさせていけばいいとあります。これは、大人も同じことで、秋口から薄着に馴れていくと、冬の寒さに強くなります。
ただし、冷え性で冬はいつも困っている方などは無理をせず、寒い時期は体を温めて気を付けて過ごしてください。

 古くからの子育て法には、現代ではしてはいけないことや、しても効果がないことなども含まれていますが、大切なこともたくさんあります。まだ科学的に証明できていないこともありますが、頭から否定せず、一度考えてみることが重要だと思います。

好物の夏の旬

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2018年7月23日(月)

豪雨災害から2週間が過ぎました。
幸いなことに、ハレノヴァスタッフ全員、大きな被害にあうことはありませんでしたが、みなさん、ご無事でしたでしょうか。
これ以上被害などがひどくならないこと、一日も早く普段の生活が送れるようになることをねがうばかりです。

関西は先週から梅雨明けしています。
これから暑い夏となってきます。
屋外、屋内どちらで過ごしても、熱中症にはくれぐれもお気をつけください。
知らない間に、熱中症になっていたという話しを良く耳にします。
水分補給は、喉が乾く前に、こまめに、少量ずつ とることがポイントです。

そんな熱中症対策に良い、夏の旬といえばみなさま、なにを思いつくでしょうか。
私は、中身の真っ赤な、トマト…でなく「スイカ」が大好物です。
毎年夏の楽しみで、スーパーに並んでいるのをみるとついつい手が伸びてしまいます。

スイカは「西瓜」と書きます。
あたりまえすぎて気づかなかったのですが、普通にスイカとは読めないなと今更ながら感じました。
調べてみますと、中国では西の地方からきた瓜だから、このような字になったという話があります。
また、日本のスイカというヨミは、中国での「西瓜」の発音が由来だそうです。

このスイカですが、生薬の1つにも載せられています。
西瓜(せいか)といいます。

夏の暑さによって体が熱くなった状態(ほてり)を冷ます、夏の暑さからくる、喉の乾きを癒してくれたり、尿の出をよくしたりすると掲載されています。

確かに、私個人の意見ですが、西瓜を食べた後は、喉の乾きも減り、トイレに近くなるような気がします。(気のせいかもしれません)

身近な、また好きな食材が生薬に含まれていると、生薬というものに親近感が湧く今日この頃です。
外が緑で割ると、色の違う中身が出てくる西瓜を、昔の人は奇妙に思いつつ、何かに効くだろうと思って食べたのでしょうか? 最初に食べようと考えた人は、すごいなといつも感心しています。

西瓜に限らず、夏の旬は身体の熱を取ってくれるといわれるものが多くあります。
旬のものをたくさん食べて、熱中症にならず、夏を楽しんでいきたいですね。

ちなみに、西瓜の皮も西瓜翠衣(せいかすいい)といわれ、西瓜とおなじように尿の出をよくしてくれるそうです。
今まで捨てていましたが、もったいないので、今度、浅漬けにして食べてみようかな。

植物のチカラで透明感のあるお肌に♪

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2018年7月9日(月)

太陽がまぶしい季節になりました。
紫外線によるお肌のダメージが気になる時期でもあります。
紫外線ダメージはお肌の老化にも関係し、UVケアや保湿はとても大切だといわれています。

今回はシミ、くすみが気になる方におすすめのオーガニック化粧品フィッツの「ブライトニング」シリーズと、お手入れの仕方をご紹介いたします。
「ブライトニング」シリーズは、8種類の植物成分を配合し、シミができにくいお肌へ導いてくれる商品です。

フィッツ化粧品の毎日のお手入れの基本は3ステップ
「洗う」→「うるおす」→「整える」

1:「洗う」
前回ご紹介したクレンジングミルク「レイドロネトワヤン」で洗うことで、お肌をしっとり柔らかくしてくれます。

2:「うるおす」
化粧水「ブライトニングローション」
日焼け後のお肌を再生し、しっかり保湿してくれます。

3:「整える」
クリームは2種類
「ブライトニングデイクリーム」なめらかなクリームタイプ
「ブライトニングナイトクリーム」こっくり濃厚なタイプ
お好きな使い心地や香り、朝晩で使い分けて選んでいただくこともできます

さらにスペシャルケアとして、週1~2回の角質ケア「ブライトニングゴマージュ」や毛穴のケア「ブライトニングマスク」もおすすめです。
古い角質や毛穴の汚れを取ることで、化粧水などがぐんと入りやすくなります。
お肌が明るくなるのも感じられると思います。
「ブライトニング」シリーズで、お肌のトーンアップ、シミケア対策を始めてみませんか?

テスターをご用意していますので、店頭でぜひ体験してみてください♪

むくみ、頭痛の原因? 湿邪とは

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2018年6月29日(金)

関東甲信越地方では梅雨明け?というニュースがありましたが、大阪は今日も不安定な天気、まだまだ梅雨なのかな、という感じです。

この梅雨の季節から夏にかけては湿気が多いため、漢方では湿邪(シツジャ)が亢盛になる時期です。
邪とは、身体に悪い影響を与えるもののことで、湿邪は水に関係する邪を指します。

湿邪の影響が強くなると、水に関係する不調が出やすくなります。
具体的には、むくみ、全身倦怠感、食欲不振、下痢、頭重感、頭痛、関節痛などの症状が出やすくなります。
また低気圧近付く、また、雨の日になると決まって身体の不調が出るという方は、元々身体の水のバランスが崩れている(崩れやすい)人ですので、より上記の症状が現れやすいのではないのでしょうか。

このような場合は、余分な水を身体の外に出す、崩れた水のバランスを調えるなど、水に対するケアが必要になってきます。
これらの不調の解消は漢方薬が得意とする分野でもありますので、気になる方は一度ご相談くださいませ。
薬はまで必要ないかな……という方にはオリジナルブレンドのお茶などもご用意できますよ。

本草綱目附図3

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2018年6月18日(月)

前回(4月16日)までは、本草綱目附図の合肥本を見てきました。
今回は、李時珍の息子たちが、他の本草書を真似て書いたという金陵本を見てみようと思います。
合肥本であんまり見分けが付かなかった魚たちはどうなっているでしょうか。

更に見分けが付かなくなってる。
これって間違い探しじゃないの?ニコリ製作じゃないの?
この本片手に同定は無理。余計に悩んでしまう。

書き込みが凄かった獅とか豹はどうでしょう。

何これ。ちょっとかわいい。ユガにやられた壁画みたい。豹は毛づくろいしてるネコっぽい。
よくよく見たら、気になることもある。象は口も耳も変だし、何か包帯巻いてるみたい。虎は鼻が変だし、模様がおかしい。あと、みんなこんなに掃除に使えそうな尻尾してたっけ。
細部を想像で補ってるんだろうな。でも、それがいい味を出してる。
右ページにある合肥本より手抜きの牛黄と、頭の毛がもっさり生えているラクダが気になるけど、左ページのかわいさに目が惹かれる。やっぱりたまらない。癒される。ずっと見ていられるわ。

さて、2種類の本草綱目附図を見てきましたが、どうでしたか。
本草綱目に少し興味が湧いてきましたか。
一旦、附図の話は終わります。
本草綱目は附図だけでなく、本文も気になるところがたくさんありますので、またの機会に、紹介したいと思います。

大神神社に参拝しました

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2018年6月6日(水)

いつも、初詣に訪れている大神神社(おおみわじんじゃ)へ行ってきました。
目的は、頂いたりしてわんさかになったお守りの返納、そしてお礼参りをするためです。(ちょっとしたお願い事がかないましたので。)
普段は、このような時期に訪れることはなく、初詣とは違う雰囲気に驚きながら、お参りしてきました。
晴天に恵まれ、涼しい風が吹き、気持ち良い日でした。写真は二の鳥居。ものすごく大きく迫力満点。

神社さんを気に入る(お参りに通う)理由としての1番は、訪れて、なんとなく雰囲気に惹かれるか惹かれないか、という点が大きいと個人的には思っています。

それもありますが、さて、なぜ、大神神社によくお参りするようになったか、を考えてみますと、やはり「薬、医療」に関わる神様がいらっしゃる場所であるということ、ちょっとした楽しみもあることではないか、ということに至りました。

大神神社は、ご神体が三輪山という「山」です。拝殿の後ろに聳えています。そのため本殿が存在せず、そこが珍しいところかもしれません。
三輪山には、国造りの神様でいらっしゃる大物主大神(オオモノヌシノオオカミ)の魂がお鎮まりになっている神話があります。
大物主大神は、産業開発、医薬、造酒などの守護神でいらっしゃいます。

また、境内には、いくつかの神社さんがありますが、そのうち、「薬、医療」の神様を祀る
磐座(イワクラ)神社、狭井(サイ)神社があります。

磐座神社は少彦名神(スクナヒコナノカミ)が祀られ、少彦名神は、薬の神様です。大阪では道修町に少彦名神社があり、祀られています。

狭井神社は三輪の神様の荒魂を祀る神社で、病気平癒の神様として信仰されています。狭井神社の奥には、薬井戸という湧き水(薬水;万病に効くといわれています)を汲める場所があり、ペットボトルや水筒を携え、水を汲みに来る人で賑わっていました。
コップも用意されておりその場で飲むこともできます。お正月は混みすぎて、いつも諦めていました…。

そして、ここが1,2番目にお気に入りのところなのですが、磐座神社と狭井神社に至る参道は、くすりの道と言われ、道の両脇に薬用植物が植えられています。そんなに長く険しい道のりではありません。

「ほうほう。」と植えられている植物の、看板を見るうちに、道は終わります。
そして、わたしは、聞いたことのある植物が植えられていることをみると、おおっと楽しくなります。毎年そんなことを楽しみにしつつ、散策しております。

また、久延彦(クエヒコ)神社という学業向上などの、智恵の神様を祀る神社もあります。…智恵は幾つになっても向上させたいところ…と思い立ち寄ります。

このように、興味深い場所がある点、お願い事をしたい場所も沢山あるところが、いいなぁと感じた理由でしょうか。

ちなみに、ここには「なでうさぎ」がいらっしゃるのもポイントです。
なでうさぎについては割愛させていただきますが、なでなでしてパワーを頂いてきました。
写真はなでうさぎのお守りです。可愛いと周りには好評です。

今度は、大阪の道修町の少彦名神社に足を運びに行きたいと考えています。神農祭の時期にでもと計画中です。

うるおう お肌へはクレンジングから

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2018年5月24日(木)

日差しが強くなり、汗ばむ季節となりました。
お肌の調子はいかかでしょうか?

今回はフィッツ人気No.1商品、うるおうクレンジングミルク「レ イドロ ネトワヤン」をご紹介させていただきます。

メイクを落とした後、さらに泡立て洗顔をしていませんか?
洗顔後にお肌がつっぱるのは、洗いすぎのサインかもしれません。
「レ イドロ ネトワヤン」は、お肌にやさしく、うるおいを与えながら毛穴の奥の汚れやメイクをしっかり落とす、洗い流しタイプのクレンジングミルクです。クレンジング後の泡洗顔は必要ありません。
洗顔後のお肌はしっとりもちもち肌に。パルマローザの香りにも癒されます。
その優しい洗いあがりに、お肌のうるおい感を実感していただけると思います。
また朝の洗顔にも使え、しっとり仕上がったお肌はお化粧のりもよくなります。
お客様からも「お肌の調子がよい」「乾燥しなくなった」「しっとりすべすべになる」「香りもとても良くて素敵」など嬉しいお声をいただきます。定期購入されるなどリピーター率もNo.1商品でもあるのです。

私自身が、初めて使用したフィッツ商品が「レ イドロ ネトワヤン」です。
当時、肌がひどく乾燥しごわつく感じがとても気になっていました。保湿力の高い化粧品やクリームを試しましたが、改善は感じられず。当時はダブル洗顔もしていました。
クレンジングを変えてみようと思い、すぐに試してみました。
ミルクタイプのやわらかな使用感と洗った後のしっとりとうるおう感じ、そして香りに一度でファンになってしまいました。悩みのひどい乾燥も改善されていったのです。それ以来ずっと使い続けています。
ぜひ、多くの方に実感していただきたいと思います。

これから紫外線によるダメージを受けやすい季節です。お肌をやさしく洗い上げてくれる「レ イドロ ネトワヤン」おすすめです。
サンプルもご用意していますので、お気軽に声をかけてくださいね。

フィッツ商品は、天然由来成分100%、オーガニック認定コスメです。

身近な薬用植物

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2018年4月27日(土)

緑の美しい季節になりましたね。今年は急に気温が上がり、花も一気に咲き始めました。
生薬の中には、身近な植物もたくさんあります。
今日は我が家の庭でこの春、花の咲いた薬用植物を紹介します。

【レンギョウ】

黄色い花が春の訪れを知らせてくれます。
ハレノヴァの向かいにある扇町公園にもあります。
レンギョウはモクセイ科、レンギョウ属の低木です。
生薬も同名の連翹(レンギョウ)で、果実を用います。
清熱、解毒作用があり、化膿性疾患にも用いられ、頻用漢方処方にも使われています。

【イカリソウ】

この可憐な花の形からイカリソウと名付けられたと言われ、葉もハート型で愛らしいです。
イカリソウはメギ科、イカリソウ属の多年草です。
生薬としては淫羊(インヨウカク)、仙霊脾(センレイヒ)などと呼ばれ、地上部全草を用います。
強壮、強精作用があり、滋養強壮ドリンクや薬用養命酒などにも使われています。

【ボケ】

バラ科ボケ属の落葉低木で春に花を咲かせますが、寒ボケと言って冬に咲くものもあるのでこの名が付いたのかと子供の頃は思っていました。
しかし、ボケは果実が瓜(ウリ)に似ていることから、木になる瓜で「木瓜(モケ)」、その後、「木瓜(ボケ)」と言われるようになったようです。
少しややこしいのですが、日本では、ボケの果実を「皺皮木瓜(シュウヒモッカ)」と言い、筋肉痛などに使われます。また「皺皮木瓜」とは別に、「木瓜(モッカ)」と呼んでいる生薬もあり、それはバラ科カリンの偽果です。中国での呼び方とは異なります。
カリンは去痰作用があり、呼吸器疾患に用いられます。
カリン酒ものどの炎症などに使われますよね。

ちょっと興味を持つと、意外と身近な植物が生薬として使われていることに気づきます。実際の植物がわかると、生薬にも愛着が生まれますよ。

本草綱目附図2

合肥本けもの3

2018年4月16日(月)

前回(3月24日)に引き続き、合肥本の附図を楽しみます。

漢方薬には、植物だけでなく、哺乳類などの動物も使われるをご存知ですか。動物由来の生薬では、動悸、息切れ、極度の疲労などに使う牛黄(ごおう:牛の胆石)や、気持ちを落ち着かせる、動悸を鎮めるためなどに使われる竜骨(りゅうこつ:動物の化石)、血液や体液の不足に使われる阿膠(あきょう:ロバなどのニカワ)なんかがよく使われます。
もちろん、本草綱目附図にも動物が描かれています。
そのページを見てみます。

円山応挙みたいなゆるかわを想像していたなら、すみません。全然かわいくないです。むしろ、全部ワルそうな目してます。
豪猪なんて、パンクなモヒカンだし。たぶん、こいつは些細なことですぐブチギレるし、下唇にはピアスしてると思う。

ラクダだけめっちゃ目優しい。馬もちょっとだけ優しい。描いた人の個人的な好みが影響してる気がするな。ラクダに助けられたことがあるのかもしれない。

このページは全体的に迫力がある。その中でも、象の目力がすごい。盛りすぎ。浅丘ルリ子みたい。
一番目を引くのは右上の獅。筆に力が入りすぎて、念とか怨とか呼ぶべきものがこもってるように思う。

あと、気になるのはひとつ前の画像の牛黄のひどさ。丸いの描いて、表面に「牛黄」って書くのずるくない?
絵を描くのが仕事なんだから、もうちょっとがんばってよ。

もう1つ見てみます。

獅と同じで、竜の絵の力の入り方が違う。こいつは、まんが日本昔ばなしの竜とは格が違うのだろう。霊力とか使えるやつで、尾崎紅葉の鬼桃太郎に出てくるのはたぶんこいつの系統。

その下の竜骨も気になる。竜骨をそのまま、竜の骨として描いてる。もちろん、竜は実際にいないのだから、こんな形の骨は出てこないはず。似ているのが出るとしても、だいぶ頭で補って描いてるよね。

さて、まだまだ楽しいページはあるのですが、一旦閉じましょうか。
ずっと同じだと飽きますよね。
では、次はもうひとつの附図を開いてみます。

花粉症対策にいかがですか? ハレノヴァ今日のお茶

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2018年3月29日(木)

ハレノヴァではその季節に応じたお茶をご用意しています。
2週間前後ぐらいで種類を入れ替えますので、お店にお越しになった時期により、お出しするお茶が異なります。
今は、花粉症対策におすすめのブレンドハーブティーをご用意中。
お客様に感想を聞くと、なかなか評判も良い感じです。

ちなみにこのオリジナルブレンティー、店舗にて販売もしております。
毎日ご用意できる数が限られていますので売り切れにご注意くださいませ。

またこの辛い時期を乗り切るための漢方薬もご用意しています。
その人の出ている症状によっておすすめする漢方薬が異なりますので、お気軽にご相談くださいね。

また花粉症の症状が起こりにくい身体になりたい方は、根本からの体質改善がおすすめです。
体質改善のためのオーダーメイド漢方薬もご用意できますよ。

さて来週のお茶は、潅仏会が近いので、甘茶を用意しようか、どうしようか考え中です。

本草綱目附図1

gouhibonmushi

2018年3月24日(土)

上の画像は、『本草綱目附図(ほんぞうこうもくふず)』の合肥張紹棠刊本(合肥本:ごうひぼん)の図です。
明の時代に李時珍が書いた『本草綱目』という薬の事典があるのですが、それに付け加えられた図がこれです。
李時珍は本草綱目を生前に完成させていましたが、出版されたのは亡くなってからです。
本文で図に言及した部分がなく、李時珍自身は関わっていません。
3つある附図のうち、合肥本においては張紹棠がまとめ、許功甫が図を描いたとしてあります。
ですが、難しいことはどうだっていいです。絵を楽しみましょう。
いやあ、味わい深い絵ですね。
ただ、気になるのは、描き分けができてないことです。
全く知らないものについて、私がこれを見て、同じものを見つけられる自信がないです。

例えば、カエルを見ると、基本的に同じ。
何か、ダイナミックな動きをつけて、いろんなパターンにするという小細工をしてるけど、この絵では絶対見分けられない。

次にヘビも見てみましょう。

模様が若干違うので、ちょっとマシな気がするけど、やっぱりこれだけじゃ足りないです。
水に入れてみただけで水蛇ってのは、ちゃんと書き分けるのをなまけてるだけじゃないのか。
いや、それより気になることもありますよね。
下の図左側にある両頭蛇は実在しないでしょ。食べたものは最終的にどこに行くのか、脳は2つあるのか、どう動くのかとか、様々な疑問が浮かんできます。
こいつだけ、山海経の匂いがします。

さらに言うと、ヘビが全部舌出してます。これって、舌書かないとヘビと認識してもらえないっていう自信の無さが現れてるのでしょうか。
それか、単にいろいろ描き加えたい性格だったのかも。

最後に魚を見てみます。

やっぱり、あんまり描き分けできてないです。
そして、やっぱりそれより気になることがあります。
背景の水面を、途中からめんどくさくなって描くのやめてるし。何か、鯉だけ水流激しい。
鯉には激流を遡っていて欲しいのかもしれません。
人々の勝手な理想を求められている。アイドルみたいで鯉も大変です。


さて、いろいろ見ましたが、まだまだ楽しい図がいっぱいありますので、また続きます。
私が楽しいので続きます。

春先に咲く花と漢方素材「モモ」

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2018年3月16日(金)

日差しが随分と温かい日もあり、春めいてきましたね。
まだ少し肌寒くなる日もありますが、着実に春に向かっていっているのだと感じます。
ちょうど来週は春分ですね。
春分は昼の長さと夜の長さがほぼ同じになる日と言われていますが、確かに最近は日が落ちるのが大分遅くなった気がします。

この時期は、ウメ、モモ、サクラときれいな花が次々と咲きます。
開花時期も少しずつずれているので、長く楽しめるのがいいですよね。
漢方の世界ではこれらの「花」ではなく、「実」や「種」、「樹皮」の部分を利用します。
中でも一番よく使われるのはモモの種を利用した「桃仁(トウニン)」。
血(ケツ)のめぐりを良くする働きがあり、婦人科領域でよく使われる処方の中にも含まれることも多いです。
ただ観賞用や食用のモモの種は小さいため、薬用の品種のモモから桃仁は作られています。

その他の身近な植物もこのように漢方薬に利用されているかも知れませんよ。
これからは薬用植物もたくさん花を咲かせる時期です。
散歩てがら、薬用植物を探しに行ってみてはいかがでしょうか。