2018年4月16日(月)
前回(3月24日)に引き続き、合肥本の附図を楽しみます。
漢方薬には、植物だけでなく、哺乳類などの動物も使われるをご存知ですか。動物由来の生薬では、動悸、息切れ、極度の疲労などに使う牛黄(ごおう:牛の胆石)や、気持ちを落ち着かせる、動悸を鎮めるためなどに使われる竜骨(りゅうこつ:動物の化石)、血液や体液の不足に使われる阿膠(あきょう:ロバなどのニカワ)なんかがよく使われます。
もちろん、本草綱目附図にも動物が描かれています。
そのページを見てみます。
円山応挙みたいなゆるかわを想像していたなら、すみません。全然かわいくないです。むしろ、全部ワルそうな目してます。
豪猪なんて、パンクなモヒカンだし。たぶん、こいつは些細なことですぐブチギレるし、下唇にはピアスしてると思う。
ラクダだけめっちゃ目優しい。馬もちょっとだけ優しい。描いた人の個人的な好みが影響してる気がするな。ラクダに助けられたことがあるのかもしれない。
このページは全体的に迫力がある。その中でも、象の目力がすごい。盛りすぎ。浅丘ルリ子みたい。
一番目を引くのは右上の獅。筆に力が入りすぎて、念とか怨とか呼ぶべきものがこもってるように思う。
あと、気になるのはひとつ前の画像の牛黄のひどさ。丸いの描いて、表面に「牛黄」って書くのずるくない?
絵を描くのが仕事なんだから、もうちょっとがんばってよ。
もう1つ見てみます。
獅と同じで、竜の絵の力の入り方が違う。こいつは、まんが日本昔ばなしの竜とは格が違うのだろう。霊力とか使えるやつで、尾崎紅葉の鬼桃太郎に出てくるのはたぶんこいつの系統。
その下の竜骨も気になる。竜骨をそのまま、竜の骨として描いてる。もちろん、竜は実際にいないのだから、こんな形の骨は出てこないはず。似ているのが出るとしても、だいぶ頭で補って描いてるよね。
さて、まだまだ楽しいページはあるのですが、一旦閉じましょうか。
ずっと同じだと飽きますよね。
では、次はもうひとつの附図を開いてみます。