前回、邪を防ぐ、邪の発生を予防するための方法をお話ししました。
今回は、漢方薬にも、治療のための薬、健康を保つのための薬があることについてお話しします。
病気になるのは、邪>正気となるからでした。ここで考えてみると、邪が強いのは、病気の表面的な部分で、その奥深くには、正気が弱いことが必ずあると言えます。正気が強ければ、邪の影響を受けないはずだからです。薬に関しても、邪を除くのは表面的な治療で、正気を補充するのは、根本的な治療と言えます。
(「正気が強ければ、邪の影響を受けない」と話しましたが、邪が生活習慣から発生している場合に関しては、生活を正すことが一番には変わりありません。正気がいくら強くても、とめどなく発生する邪に対しては、いつか必ず負けてしまいます。)
中国で一番古い本草書(漢方薬の素材の生薬について書いた本)である『神農本草経』には、上薬、中薬、下薬と分けられていて、それぞれ、寿命を延ばす生薬、体を養う生薬、治療のための生薬、とされています。
古い時代から、治療薬と健康を保つための生薬は分けて考えられていました。
人によって、気血水のうちどれが不足しやすいかなど、かなり違いがありますが、歳をとるにつれて全ての人が共通して減っていくのが腎に蓄えられている精(≒生命力)です。
精は生まれてから減る一方で、絶対に増えすぎて困ることはありません。仕事が忙しく無理をしていたり、睡眠時間が短かかったり、肉体労働や気苦労が続いて、疲れがとれずにずっと残っていたり、房事を重ねていたりすると、精の消耗がさらに激しくなり、見た目もしくは体の内側が年齢以上に歳をとってしまいます。
精を補充する薬は、30代〜40代以上の方なら全員に服用してほしい、ほとんど全ての方の健康を保つための薬です。
ただし、注意点があります。体の中に邪をたくさん抱えているところへ、さらに正気を補充する薬を飲むと、流れが悪くなり、より多くの邪が発生する可能性があるということです。
例えば、よく食べて暑がりで太鼓腹の恰幅のよい方は、精を補充する薬の前に、体の不要なものを出さないと、邪を助長することがあります。
健康を保つための薬を飲み続けるにしても、どの種類をどの程度飲むかは、しっかり判断しないといけません。
その点は、当店のスタッフにご相談いただければと思います。
健康を保つ薬で、いつまでも若々しく、元気にあふれた人でいられるようにお手伝いいたします。
※
当店では、「症状を改善したい」だけではなく、「体を丈夫にしたい」「病気を再発させたくない」「健康寿命を延ばしたい」といったご相談も承っています。
直接、ご来店くださっても構いませんが、より正確な判断をご希望の場合は、ご予約の上、30分~1時間ほどお時間を頂戴して、お話をお聞かせいただければ幸いです。
瓊玉膏の症例はこちら↓
https://halenova.com/blog/?p=4059
瓊玉膏に関する他の記事はこちら↓
https://halenova.com/blog/?p=6056