前回、病気にならないためには、正気を強くするか、邪の侵入を防いだり、邪を体に溜め込まないようにするかどちらかという話をしました。
では、正気を強くするにはどうすればよいか。
正気を強くするには、正しい食事と睡眠をとる、治療のための薬ではなく保健のための薬を飲む、体の熱や冷えのバランスを整える、五臓(肺心脾肝腎)のバランスを整えるなどが必要です。
正しい食事と睡眠、これは基本的なことですが、一番大事なところです。
人は生まれてから死ぬまで、ずっと、生まれ持った精(≒生命力)に加えて、食事と呼吸で精を補充して生きていきます。いずれは精がなくなり、亡くなることになりますが、睡眠が少ないと、精を浪費してしまいます。精から正気が作られて体が正常に働きますが、食事や睡眠を正しくすることで、正気を強くすることができます。
治療のための薬ではなく健康を保つための薬を飲むというのは、症状に対する薬ではなく、体の根本を強くする薬を飲むということです。
西洋薬は対症療法、漢方薬は体質改善に効くと思ってらっしゃる方も多いと思いますが、漢方薬にも、症状を取るだけの薬、症状の裏側にある体の状態を整える薬、上述の精を補うなどして根本を強くする薬などがあります。
体の根本を強くする薬は、ほとんどの場合、今出ている症状を取ることはあまりできませんが、少量を続けて服用することで、数年後、10年後、20年後の体を変えていくものです。
正気を作り出す基礎を高めて、邪に負けない体を作るものです。
体の熱や冷えのバランスを整える、五臓を整えるのも、正気を強くするのに重要です。
体に熱が多すぎる時には全身運動などで熱を追い出したり、脂っこい食事や甘いものを控えめにします。冷えている場合は、これも運動などで体の熱を作り出す助けをしたり、体を温めるものを積極的に摂ったりします。
五臓(肺心脾肝腎)のどこかに弱点があれば、そこから邪が侵入したり、そこに邪が発生したりしてしまいます。ここでは詳しく書けませんが、薬や生活習慣で弱点を補い、バランスを整えることで、正気を高めることができます。
正気>邪なら病気にならないため、正気を強くするお話をしましたが、邪を防ぐ、邪を生み出さないようにするにはどうすればよいでしょうか。
(つづく)
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当店では、「症状を改善したい」だけではなく、「体を丈夫にしたい」「病気を再発させたくない」「健康寿命を延ばしたい」といったご相談も承っています。
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↓続きはこちら
病気になりにくい体・再発しにくい体について③(邪への対処)
病気になりにくい体・再発しにくい体について④(治療薬・健康を保つための薬)
↓以前の記事はこちら
病気になりにくい体・再発しにくい体について①(正気と邪)