30代女性
主訴:胃の痛み、仕事中の不安・焦り
現病歴:14日前から胃が痛む。仕事中にお腹が空くと痛みが強くなる。キリキリした痛み。休日も痛いが、平日よりマシ。だんだん悪化している。胃の痞え感はない。ブスコパン、ガストール無効、ストレージIで痛みがマシにはなるが、1日2回では効かない。
仕事中に不安、焦りがあり、忙しくなると悪化する。
黄連が多く入った処方と疏肝理気作用のある処方を組み合わせて、7日間で治癒した。
考察:ストレスからくる胃炎だろう。お腹が空くと痛みが強くなるのは、食べ物によって、胃酸が中和されないからだと思われる。ブスコパンは柔肝解痙、ガストール(ピレンゼピンや制酸薬の合剤)は清胃熱とすると、芍薬甘草湯無効、黄連無効となるが、ピレンゼピンは胃熱を取る作用が少ないと思うため、黄連は効果があるかもしれない。ストレージI(安中散)でしっかり効かないのは、牡蛎で胃酸を中和し、桂皮が胃の血流をよくして防御因子増強にはたらき、延胡索が鎮痛にはたらくが、全体として安中散が胃を温める処方だからだろう。