20代男性
主訴:毎朝の下痢
現病歴:数年前から、毎朝下痢になる。お腹がぐるぐる鳴り、少し腹痛がある。ストレスを感じやすい。よく食べるが、あまり太らない。舌中央に微黄苔。
典型的な半夏瀉心湯証と思い、昼晩1日2回で服用してもらったところ、7日間でほとんど症状が無くなった。
1か月間続けて一旦中止したが、飲んでいた方が調子が良いとのことで、1日2回からさらに減らして服用していた。
勉強のイライラが関与していると判断して、甘草瀉心湯にした。
1か月ほど服用していると、のどが痞えるようになったという。
香砂六君子湯に変えてのどの痞えは消えた。
所感:途中で出てきたのどの痞えは、香砂六君子湯で消失したことから、甘草が胃になずんで起こったとわかる。OTCの甘草瀉心湯は満量の1/2なので、甘草の量だけをみると半夏瀉心湯2/3量とほとんど変わらないが、甘草で胃がもたれたということは、方剤中の甘草の比率が高いせいなのだろう。そう考えると、各生薬の比率は厳格に考えるべきなのかもしれない。