50代男性
主訴:のどのイガイガ、咳払い
現病歴:起きてから寝るまで数分ごとに咳払いをする。違和感があるのはのどより下、天突穴のやや上。10年程前から症状がある。秋に悪化し、春まで症状が続き、夏は症状なし。鼻、耳が乾燥する。休日も症状があるが、仕事中は若干多いかも。漢方薬は2種類試したことがあるが、効果がなかった。
その他の症状・所見:朝起きて出社するまでに鼻水がたくさん出る。みぞおちの痞え(-)。皮膚の乾燥(+)。冬でも家では靴下を脱ぐ。のぼせ(-)。コーヒー、赤ワインが飲めない。緑茶を飲むとムカムカする。イライラしやすい、怒りを抑えている、仕事上のストレスが多い。口乾(-)、口渇(-)。脈右沈、やや大、実、尺脈〇、左沈、弦(-)、やや浮、尺脈〇、舌やや胖大、紅舌、中央から奥にかけて黄苔。
痰気鬱結、やや肺陰虚として、方剤2種類を組み合わせて14日分をお渡しした。
2回目。調子が良い、イガイガが減った、同じ薬がのみたいとのこと。同じ薬を14日分。
3回目。1日1包で服用していたが、調子はよいとのこと。同じ薬20日分。
所感:仕事のストレスで発症したのだろう。現状では肝鬱気滞ではなく、痰飲もひどくないから、弦脈とならなかったと思う。弦脈がハッキリしていたら、四逆散を選んでいた。寒熱も潤燥も偏らない組み合わせなので、当分服用していても問題ないと思う。