健康丸は冷えのある方に対する「補腎」の基本的な薬で、老化による体の衰えを感じる方、衰えを予防したい方におすすめです。
腎(じん)は西洋医学の腎臓のはたらきだけでなく、腎精(じんせい;生命力の源)を保管する場所でもあります。
「腎精」は「腎陰(じんいん)」と「腎陽(じんよう)」、すなわち体の根本の水(腎陰)と火(腎陽)に変化します。腎陰と腎陽が不足すると、腰痛、脚に力が入りにくい、尿が出にくい、夜間頻尿、全体的に元気がないなどの症状が現れます。
どうしても、歳とともに生命力は弱ってきます。早めに対策をとることで、老化の坂を緩やかにすることができるため、このような症状や体の衰えを感じ始めたら、服用してみてください。
【瓊玉膏との違い】
瓊玉膏は、健康丸より腎精を補充する力が強い薬です。腎精から腎陰がつくられるため、「貯金」を増やすのが瓊玉膏で、貯金を使って買える「水」や「火」を増やすのが健康丸と言えます。こう言うと、「貯金」が増える方がいいと感じますが、「水」や「火」が不足している場合は、直接補充する方が早くしっかりと効果が現れるため、腰痛、足腰のだるさ、排尿トラブル、夜間頻尿などの上記の症状がある場合は、健康丸が適しています。
【六味丸との違い】
健康丸は桂皮(けいひ)と附子(ぶし)が含まれているため、体を温める作用があります。手足や下半身の冷えがある方は健康丸が適しています。ほてりまではなくても、冷えを感じない方は、六味丸をおすすめします。
【丸剤とエキス剤の違い】
健康丸の元となる八味丸には、エキス剤と丸剤があります。エキス剤は生薬を煎じた液の水分を飛ばしてつくる薬で、インスタントコーヒーのようなものというと、わかりやすいと思います。エキス剤は製造の過程で、揮発性のある成分や水に溶けにくい成分が多く失われてしまいます。一方、丸剤は生薬の粉末をハチミツやデンプンなどで固めた薬です。粉末をそのまま服用できるため、揮発性のある成分や水に溶けにくい成分も体に取り入れることができます。
健康丸に含まれる生薬では、桂皮、茯苓(ぶくりょう)、牡丹皮(ぼたんぴ)は粉末の方が効果が高く、実際に使用してみると、丸剤に含まれる生薬はエキス剤より少量ですが、しっかり効果があると感じます。
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