30代女性
主訴:アトピー性皮膚炎
現病歴:
2月来店。いろいろなクリニックや薬局を経ている。越婢加朮湯や竜胆瀉肝湯、桂枝茯苓丸などで悪化した経験あり。あるクリニックでは、桂皮や附子などを含む薬で悪化。症状を訴えても、薬の変更がなく、当店へ。
お風呂上り、暖房、イライラで悪化。一度掻くとずっと掻いてしまう。寝る前、寝てから痒い。
頬や耳の後ろは浸出液が出て黄色く固まっている。触れると熱い。手はひび割れている。
その他の所見:
顔や手足のむくみ(+)。小便量少ない。歯ぎしり。体がだるい。手足の冷え(+)。喜冷飲。食欲、食事量正常。
舌淡紅、歯痕。苔滑、白膩。裏は表より赤い、舌下静脈怒張(+)。
脈右寸中取有力、関弦、沈取有力、尺沈弦有力。左寸沈弱、関やや弦、渋、尺沈やや弱。
経過:
湿熱、血熱、於血と考え、薬を組み合わせる。
ややマシ。少量の炮附子を加える。
悪化したため、初めの組み合わせに戻す。浸出液が多く、苦参を含む薬も加える。
全体的に浸出液が少なくなる。
その後、波がありつつも徐々に良くなり、肘と手の平を中心に残る。
残った症状もよくなるよう、さらには寛解状態を長く保てるように試行錯誤中。
所感:
ステロイドを塗らないと決めている方は、こちらが精神的にしんどい。ある程度生活に困らないところまで症状を抑えるのに、一苦労して、さらに、悪化させないように本治に徐々にシフトしないといけない。
途中でやめる方もいらっしゃる。初めにとことん突き詰めて話さないといけない。