50代女性
主訴:下痢しやすい
現病歴:緊張に伴い下痢しやすい。緊張すると何度もトイレに行く。電車やバスなど、自由に動けない時に症状でやすい。背中の下の方から不安感が昇ってきて、不安に包まれる感じ。過敏銭腸症候群と診断された。
その他の症状・所見:昔、パニック発作や動悸が出現したことがある。新しい環境に慣れるのが大変。食後の眠気(+)。イライラ(-)。喉が詰まる、吸いきれない、息苦しい。
1か月半ほど半夏厚朴湯や香蘇散などの理気薬や少量の補気薬をいろいろと服用してもらったが、思ったほど改善がなかった。
その後の問診で、「お腹の調子がここ数日かなり悪い、胃痛もあった」という訴えから、方針を変更。
脾気虚が主、緊張で悪化するのは、脾が弱いせいで刺激に堪えられないだけと考えて、参苓白朮散をベースにした。すると、「今までで1番体に合っている気がする。調子がよい。お腹もいい感じに空く。」とのこと。下痢の回数も減少傾向。
その後、1ヶ月ほどかけて徐々に服用回数を減らしていき、終了した。
所感:過敏性腸症候群という病名から、気滞が主と思い込んでいた。「不安感が背中から上がってきて包まれる感じ」から選んでいた桂枝加竜骨牡蠣湯も効果があったように思う。
※文字化け防止のために、「病だれ+於」を「於」に置き換えています。