20代男性
主訴:なかなか寝付けない
現病歴:4~5年前から徐々に寝つきが悪くなった。1時頃床に入り、3~4時まで眠れない。8時半ごろ目覚め、すぐに二度寝もできず、10時ごろ起床。夏、暑くなってくると悪化。冬はマシ。その他の悪化改善条件は特になし。寝酒を飲んだり、疲れているときでも眠れたり眠れなかったりする。
その他の症状・所見:冷え症(-)、手足のほてり(-)。イライラ(-)、不安感(-)。便通特に問題ないが、スパイスが強い料理で下痢。食欲(+)、吐き気(-)。多夢(+)、悪夢(-)。口渇(+)、冷飲(-)。食後の眠気(-)。動悸(-)。十分に眠れていないせいか、目に力があまりなく、少し疲れている様子。右関脈:やや滑、有力。左関脈:弦、有力、やや数。尺脈:有力。舌:黄白苔、淡紅舌、やや滑。
虚証ではないと思われる。柴胡加竜骨牡蛎湯を7日分お渡しした。
7日後、2時に眠れるようになり、夢も少なくなった。ただ、服用開始2~3日で便が緩くなり、形のない水っぽい便になった。とのこと。改めて脈を診てもやはり有力だが、より虚証向けの方剤に変更。
さらに7日後、お腹の調子がよい。以前は気張らないといけなかったのが、今はスルッと出る。また、今は1時にスッと眠れて、9時に起きる。とのこと。その後、数週間続けて、徐々に減らしていった。
所感:問診、脈診から、柴胡加竜骨牡蛎湯でうまくいくだろうと思っていたが、実際は違っていた。下痢しやすいところと、見た目から判断すべきだったか。