先日いらっしゃったお客さん。現在70代で、30代の頃に左眼が中心性網膜炎になり、現在は両眼とも緑内障。視力だけは失いたくない。
現在は亡くなった漢方薬局の先生の勉強会に参加していたそうで、病名と方剤の1対1の対応表を自作して持っている。
その先生から黄連解毒湯と越婢加朮湯を薦められたらしく、現在も服用中。
他所でもらっている黄連解毒湯と越婢加朮湯が自分に合っているかと、瓊玉膏が眼にもよいか聞きたい。とのこと。
口渇ときどき。冷たいものは好きではない。以前は冷たい牛乳で下痢していた。トイレは日中に5~6回、夜に0~1回。腰は痛くなりやすい。階段を上がるのはだるくなく平気。食事は自炊していて、おでん、カレーが多い。朝はパンや青汁、果物を食べる。
脈は右関やや浮、やや無力、尺有力。左関やや硬い、尺沈弦。淡白舌、裂紋少し、やや胖大、中央に薄白黄苔、奥に白黄厚苔、紫斑あり、舌下静脈怒張(++)。
10年か20年ほど黄連解毒湯を飲み続けているのだろうか。黄連解毒湯で冷えて、気血の巡りがかなり悪くなっていると思われる。このままの量で飲み続けると、むしろ、眼には逆効果だと思う。越婢加朮湯で津液が少なくなり、気血の流れの悪化を助長したことも考えられる。
腎陽虚までは陥ってないみたいだが、今のうちに、薬を変えるか調節した方がいいと感じたので、少なくとも黄連解毒湯は減らした方がよいと伝えた。
しかし、目にはこの2つを飲み続けないといけないと思い込んでいて、ほとんど聞く耳を持たない。聞きたいことを答えたのにそれはあんまりだと思いながらもある程度説得をしてみた。
一方、瓊玉膏に関しては、体の不要なものを排出した方がよいタイプではないので、適していない人ではない。直接、眼に効果があるわけではないが、瓊玉膏は体の土台を作るために服用するのはよいと説明して、本人の希望で、瓊玉膏を販売した。
またよければ来てくださいとお話しした。
ちゃんと来てくれるのだろうか。次回があるなら、気力を使うけど、また、説明して少しずつ説得していきたいと思う。
しっかり漢方を勉強している先生にかかり、自分の希望を伝えて話し合い、ちゃんとその人からお薬をもらってくれれば、こういうことはなくなるんじゃないかと思う。
自分で薬を決めて他人の意見を全く聞かなかったり、薬の名前だけ聞き出して服用し続けたりといったことは、結局、自分の不利益になるのではないかなあ。