40代女性
主訴:咳・のどの違和感
現病歴:一か月前から鼻がずるずる出て、耳鼻科受診。副鼻腔炎と診断。PCR陰性。抗菌薬処方された。
その後、のどに違和感が出て再度受診。鼻からのどにきている(後鼻漏?)と診断された。膿を出してもらい、抗菌薬処方された。
抗菌薬を服用している1週間は、すこしマシかなあくらい。
咳だけ残った。のどにひっかかるような感じ。痰が絡んでいる感じがあるが、ほとんど出てこない。出てきた痰は透明ではなく、少し色がついている。朝の方が咳が出る。のどの乾燥感なし。
その他の症状・所見:右寸脈は左寸脈に比べて特に有力ではない。右関脈は左関脈より太め、より有力。左関脈細やや弱。舌老、暗紅色、中央に微黄苔。見た目は水滞の体質。
本治に関わる副鼻腔炎は肺熱と考え、標治に関わるのどの違和感は、鼻水がのどに垂れてきているところから、半夏が必要。
肺熱を取る処方と、半夏が含まれる処方を組み合わせて7日分。
7日後。3日目に咳が出なくなったと気づいた。今はほとんど出ていないとのこと。念のため、14日分お渡しして、終了。
所感:脈からは肺熱を感じなかったが、舌と痰の状態から判断した。
副鼻腔炎には、葛根湯加川弓辛夷が候補としてよく名前が挙がるが、本当に効果があるのかよくわからない。やや疑問に感じる。初期、浮脈、無汗が揃っても、舌を見て熱があるように感じられたら、使うのをためらってしまう。
※文字化け防止のために、「草かんむり+弓」を「弓」に置き換えています。