60代男性
主訴:腹痛、ガスが溜まる
現病歴:3週間前に手術で胆のうを切除した。その後から症状。腹痛は夜寝てからが多いが朝もある。日中は(-)。腹満なし。背中まで痛むことはない。市販薬を服用。胆石13個あった。コレステロール、中性脂肪高い。
便通は毎朝あり、やわらかめ。食直後の便意はたまに(+)。アルコールや牛乳で軟便。匂いは強くない、灼熱感(-)、茶色。残便感(+)。
その他の症状・所見:喜温飲(+)。疲れやすさ(-)、もともと胃腸弱い。ストレス強い。イライラや落ち込み(-)。食欲○、量○、胸やけ(-)、腹鳴(+)。車酔い(-)。風呂上りは体調よい。末端冷え症(+)、腹巻きをつけると症状ややマシ。たまに腰がだるい。右寸やや弱、関やや弱、弦、左関脈より弱め、尺やや弱。左関弦、太さ○、力○、尺やや細弱。
もとに脾虚があり、冷えと肝鬱気滞によって、腹部の筋肉が痙攣している。お腹を温めて筋肉を緩める薬を7日分。
7日後、調子がよい。2~3日で腹痛が無くなった。同じ薬が欲しい。とのこと。30日分。
30日後、1日1回、寝る前だけで服用してるが、問題ない。夜にトイレに起きなくなった。とのこと。同じ薬を30日分。
今後、ご本人で、調節してもらい、漸減できると思われる。
所感:体質としての脾虚に加えて、仕事が忙しく、いつでも腹痛が起こる基礎はできていた。そこへ、手術が重なり、腹痛・ガスの症状が出てきたと考えた。(科学的な説明ではないかもしれないが)手術は手術室の冷たい空気と体の内部が直接触れるので、漢方で考える「冷え」がこびりついて残りやすい。お腹を冷やさないことを心がけて、運動などで体を温める習慣をつけると、薬を止めても再発しないと思われる。