正常な人でも、正座を長時間した後に、しびれを感じることがあります。慢性的に血行不良が続いたり、一時的な血行不良のあと、一部血流が再開すると、しびれを感じます。
漢方でも、しびれや知覚のマヒは、症状のある部分に気血(エネルギーや血液)が届かなくなって起こると考えます。
その原因は大きく分けて2つあり、邪魔なものが道を塞いで気血の運行が滞っているか、もしくは気血が少なくて症状のある場所まで十分な量が届いていないかです。
邪魔なものとしては、冷えや湿気などの外気、体の中から生じたもののうまく排出できず停滞している水や血などがあります。
冷えや湿気などが原因の場合、体表面を温めて冷えを散らしたり、汗や尿と共に湿気を追い出す薬を使います。
このタイプの方は、冷えると悪化したり、天気の悪い日に悪化します。
余分な水が体内にある場合は、体内の不要な水が出来る根源となりやすい胃腸の状態を判断して、胃腸の水を抜いたり、皮膚に張り付いた水を、やはり汗や尿として追い出す薬を用います。
このタイプの方は、体全体が重だるい、舌が腫れぼったい、舌に歯形があるなどの症状があります。
余分な血が体内にある場合は、静脈の流れを良くしたり、血管外に漏れてしまった血を再吸収させる薬を使ったりします。
このタイプの方は、症状のある部位の細い静脈が浮いて見えたり、舌の裏の静脈がくっきり見ええるなどの所見があります。
また、水や血の滞りがある方は、食事に問題があったり、運動習慣がなかったりすることが多いと感じます。生活の改善で、さらに薬が効きやすくなります。
気血が少ない、不足しているタイプは、気が少ない方と、血が少ない方に分けられますが、同時に併発している場合も少なくありません。
このタイプの方は、疲れやすかったり、体を動かすと悪化して休むと軽快したりします。
気を増やしたり、血行を促進する薬を使います。
このように、いろいろな原因でしびれは起こるため、その方に合ったお薬、生活習慣の改善が必要です。
じっくりお話をお聞きして、お薬をご提案するため、初回は少々お時間をいただきますが、しびれや知覚鈍麻でお困りの方は、一度ご相談ください。