70代女性
主訴:皮膚の赤み
現病歴:
数か月前から皮膚に地図状の赤みが出てきた。凹凸なし。痒み(-)、カサカサ(-)。
その他の症状・所見:
足のむくみ(-)、腰から下の冷え(+)、クリニックでは足の血流問題なしと言われている。のぼせ(-)、頭痛(-)、耳鳴り(+)。こむら返りに芍薬甘草湯をもらっているがあまり効かない。
水分摂取1L/日くらい。喜温飲。口乾(-)、咳(+)、のどの乾燥(+)。
夏はよく汗をかく。動くとすぐに汗。夏は寝汗をかく。暑がり、上半身は特に。
食欲(-)、量あまり食べられない。ガスが溜まりやすい。
寝つきが悪い。夜間に何度も目が覚める。トイレは1回。
便秘(+)、2日に1回。狭心症(+)。不安(+)、落ち込み(-)。動悸(+)。
腰痛(-)、尿5回/日。
経過:
電話での相談なので、発疹部位を直接見ることができず、なかなか判断が難しい。日本漢方的に判断。
上盛はあまりないが下虚があり、汗、不眠、動悸、食欲不振から、2つの方剤をお渡しした。
3週間後、皮膚の色は少しマシかなあ。とのこと。同じ処方。
さらに1か月後、皮膚の色はかなりよくなった。動悸はまだすこしある。とのこと。同じ処方。
所感:
赤みがあっても全身に熱がなかったので、清熱はしなかった。暗赤色や暗紫色であっても、活血が必要ない場合もあるのと同じ。
皮膚の色調変化だけで、他に皮膚の症状が何もない場合、全身を見て体調を整えるつもりで薬を選ぶのがよいのかも。