民間薬、一部の生薬の効能まとめ(あ行)

病気の前段階、「未病」のときに民間薬を上手に使うことで、病気にならずに過ごすことができます。
病気の時、具合が悪い時は、病院や診療所へ行き、診察を受けてください。
その上で、病院や診療所でもらった西洋薬の効果がいまひとつのときに、主治医の先生の了解を得て、補助として民間薬をうまく取り入れてみるのもいいと思います。

また、この中には、民間薬ではなく生薬(漢方薬の素材)として使われるものもあります。
民間薬は厳密な決まりがない一方、生薬は成分含量が決まっているなどの違いがありますが、ここでは植物由来の薬として、併せて記載します。

オンラインショップはこちら↓
https://halenova-onlineshop.com/



赤芽柏(アカメガシワ)

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胆石症などが気になる方に。
痔や腫れ物には服用するほか、煎じ液で洗ったりもします。
あせもの治療に入浴剤として用いることもあります。
若芽が赤いことから、赤芽柏と呼ばれ、昔は「切らずに治す腫れ物の薬」として使われていました。

アガリクス茸

高い抗がん作用で知られています。
日本では古くはヒメマツタケという名前で世の中に出ていました。

アケビの実

胸や脇の痛み、胃痛、下腹部痛、月経痛、腰痛などに用います。いずれも、張ったような痛みに適応します。
他にも、膀胱炎や尿道炎に使われます。
つるの部分を生薬、木通(もくつう)として、利尿や消炎として使います。
〔別名:八月札〕

アザミ根

止血の効能があるため、出血、吐血、鼻血、痔出血などに使うほか、健胃薬としても用いられます。
また、高血圧にも効果があります。

アシタバ(明日葉)

高血圧や便秘などに用いられます。
乳牛の牧草にすると乳の出がよくなるといわれ、催乳・強精作用も考えられています。
アシタバという名前は、成長が早く、葉を摘んでも“明日”にはまた“葉”が伸びだすことに由来します。

甘茶(あまちゃ)

糖尿病、胃腸病、むくみなどに煎じて飲みます。
砂糖の代わりに用いる甘味料としても使うため、甘みが強いお茶です。

アマチャヅル

鎮静作用があるため、ストレスによる様々な症状に使われます。
胃痛、潰瘍、下痢、便秘、気管支炎、血圧が高め、血圧が低めの方などにおすすめ。
甘くて飲みやすく、ご家族でお飲みになれます。
葉を噛むと甘みがあるので、この名前がついていますが、甘茶とは関係ありません。
〔別名:七葉胆〕

アロエ

少量を服用して消化不良や胃炎、口内炎などに、多量を便秘薬として用います。
日本では観賞用の多肉植物として栽培されています。アフリカ大陸やマダガスカルが原産のため、霜や凍結に弱い植物です。
〔生薬名:蘆薈(ろかい)〕

郁李仁(いくりにん)

利尿の効果があり、むくみに使われます。
また、軽い下剤としての作用もあります。

イチョウの葉

物忘れが気になる方に。
そのほか、コレステロール値の低下や、狭心症にも有効だとされています。
イチョウ葉エキスはヨーロッパやアジアの一部では医薬品として扱われています。
認知症などに有効であるとの報告が海外であったため、日本でも注目されるようになりました。

ウコン

肝臓の機能が気になる方、胆結石が気になる方に。
血の巡りをよくするので、生理不順や生理痛のある女性にもオススメです。
「ターメリック」の名前でスパイスとしてよく使われます。

ウラジロガシ(裏白樫)

尿路結石、腎結石、胆結石などに昔から使われています。
連銭草と一緒に飲むのがよりオススメです。

ウワウルシ

利尿薬として、膀胱炎、尿道炎、腎炎や、尿路結石などに使います。
また、煎じた液を陰部の消毒薬としても用います。
〔別名:クマコケモモ(熊苔桃)〕

エゾウコギ

強壮、強精、鎮痛、疲労回復、体質強化などに使われ、主に下半身に作用します。
リウマチ、足腰の疲労、陰痿、遺尿、小児の発育不良、腹痛などに用います。
薬用酒の材料としてもオススメです。
免疫力アップにも。
〔生薬名:五加皮(ごかひ)、刺五加(しごか)〕

黄精(おうせい)

強壮薬として、病後の衰弱や、慢性病、リウマチ、痛風などで体が弱っている人に用います。
〔植物名:ナルコユリ〕

黄柏(おうばく)

健胃、消炎のはたらきがあるので、下痢や胃炎、食あたりに使います。
口内炎や水虫、痔や打撲には煎じた液をつけると効果があります。
健胃薬として、古くから使われ、いろいろな伝統薬に配合されています。
〔植物名:キハダ〕

黄連(おうれん)

止血、消炎の効能があるので、吐血、鼻血、痔出血、口内炎、胃炎などに煎じ液を飲みます。
また、体の熱を取る作用があるので、興奮、不眠、のぼせなどにも使われます。

オオバコ種皮

食後血糖値の低下、コレステロールの低下や、便通を調える作用があります。
水溶性、不溶性の食物繊維が豊富に含まれます。
お腹の中で膨れるので、ダイエットサポートにも効果的です。

オトギリ草

生理不順、扁桃炎、腫れ物、咳などに。
外用薬として生の葉や茎の汁を切り傷や腫れ物に塗ったり、煎じ液を打ち身や捻挫に湿布したりします。
〔別名:小連翹(しょうれんぎょう)〕

漢方薬局ハレノヴァ

TEL: 06-6312-8429

大阪市北区末広町3-21 扇町センタービル1F

ご相談予約

症状・病気別漢方

症例

軽度うつ

50代男性
主訴:軽いうつ

現病歴:
 経営者。数か月前から、仕事のやる気が減った。以前は、仕事が重なっても、やる気があったが、今はスケジュールを見て、ため息をついたり、これから得意先との大事な話があるというときにしんどくなったりする。自分では、軽いうつなのではないかと思う。
 

続きを読む »

不眠

40代女性
主訴:不眠

現病歴:
 昨年春頃から、2週間に1日程度、朝4時まで眠れない日もあったが、次の日は眠れた。
 最近は、暑さのせいもあるのか、眠れない。熟眠感ない。寝起き悪い。途中覚醒もあり、昼間眠い。仕事中困る。疲れもとれない。
 コロナ禍以降は在宅勤務となり、動かないせいかも、もしくは更年期かもと考えている。
 眠れないからと、ついつい夜更かししてしまう。悪循環になっていると思う。

続きを読む »

老人必用養草17(老人の疾病治療について2)

香月牛山

引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。

今日は老人の疾病治療に関する部分を抜粋して読んでみます。

続きを読む »

夏季休業期間のお知らせ(2024)

李時珍1

2024年8月2日(金)

漢方薬局ハレノヴァの夏期休業期間をお知らせいたします。

夏期休業期間:8月11日(日)~8月15日(木)

休業日もメールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は翌営業日以降となります。
また、オンラインショップの発送業務も停止いたしますので、予めご了承ください。

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします。

かぜ(コロナ?)

30代女性
主訴:かぜ(コロナ?)

現病歴:
 夫がかぜで倒れたあとに発症。頭痛、手足がだるい、寒け少し、37℃強の微熱。

続きを読む »

コロナ後の痰・息切れ

40代女性
主訴:コロナ後の痰・息切れ

現病歴:
 2年前の秋にコロナ感染。痰が粘っこくひっつく。夜に1時間ごとに起きることもある。通常は透明で粘っこい痰。黄色い痰が出るとすっとする。夕方に悪化。
 “水蛭が入った漢方薬”をもらって服用しているが、効果なし。

続きを読む »

発疹

70代女性
主訴:皮膚の赤み

現病歴:
 数か月前から皮膚に地図状の赤みが出てきた。凹凸なし。痒み(-)、カサカサ(-)。

続きを読む »

眼感染症

60代女性
主訴:眼感染症

現病歴:
 コンタクトレンズを付けると、曇って見えた。眼科を受診すると、感染症と言われ、抗菌薬の点眼薬を処方された。点眼薬が合わず、途中で中止。1ヶ月後の受診時に治っていないと言われた。
 目の痒みは少し。痛み(−)。目脂は1週間に1回くらい。涙が出やすい(−)。目が疲れる。元々ドライアイ。

続きを読む »

気象病(天気痛)について

半夏4

気象病(天気痛)とは、天気や気圧の変化によって起こる痛みや体調の悪化をいいます。
雨の日が近づくと頭痛がしたり、リウマチの人なら関節が痛くなったり、喘息の人なら少しぜーぜーするなどの症状が出てきたりします。

漢方では、体の中に湿気をため込んでいる人は、気象病の症状が出やすいです。
体の中に湿が溢れていると、体の外の湿に、体の中の湿が反応して、体への影響が大きくなります。
カラッと晴れた湿度の低い、いい天気の時には、体内の湿も鳴りを潜めて大人しくしているのですが、外に味方がいるときには暴れてしまいます。

体の中に湿をため込む人(水の巡りが悪い人)は、いくつかの種類に分けることができます。
胃腸が弱いタイプ、腎が弱いタイプ、冷えているタイプ、肺が弱いタイプなどがあります。
胃腸が弱いタイプは、食事の量はあまり食べられなかったり、食後に眠くなりやすかったりします。漢方では、胃腸は水をさばく働きがあると考え、胃腸が弱いと、水の巡りが悪くなって、手足や頭に湿が溜まりやすくなります。
腎が弱いタイプは、喉が渇いて飲むけど尿が出にくかったりします。尿による不要な水の排出が悪くなることで、湿が溜まりやすくなります。
冷えているタイプは、手足が冷えやすかったり、冷たいものが飲めなかったりします。冷えているせいで、体内の水の巡りが悪くなり、湿を溜めてしまいます。
肺が弱いタイプは、かぜをひきやすかったり、動くとすぐに汗が出たりします。肺は体の上部や体表面の水を動かす働きがあるので、肺が弱いことも湿が溜まることに繋がります。
このほかにも、精神的ストレスで全身の気(エネルギー)の巡りが悪くなり、それに伴って水の巡りが悪くなるのが絡んでいる人もいます。
1人の人の中に、いろいろなタイプが混ざっていることが多いので、その人にあったお薬を選ばないといけません。

では、湿をため込まないためにはどうすればよいかですが、湿を入れない・生み出さない、湿を追い出す、この2つが原則です。
水を飲む量を考えたり、湿を生む甘いものや脂っこいものを避けたりして、湿の発生を防ぎ、しっかり動いて汗や尿として湿を追い出すなどが効果的です。
体が冷えると気血水の巡りも悪くなるため、氷入りの水分は取らないことなども重要です。

天気に関連する不調に関しては、西洋薬ではあまり効果がないため、漢方薬が大きな力を発揮します。
お一人お一人に合った漢方薬をご提案します。
よければ、一度ご相談ください。

暑熱馴化(しょねつじゅんか)について

防風1

暑熱馴化(しょねつじゅんか)。なぜかこの2、3年で急にニュースで聞くようになった言葉です。暑熱馴化ができていないと、熱中症のリスクが高まります。
体が暑さに馴れる馴れないとは別に、体質として、なかなか汗をかかない方は、結構います。漢方相談で来店される方の場合、汗をかきやすい、或はかけるかどうかはかなり重要な判断材料となります。

さて、暑熱馴化に関して簡単に説明すると、急に気温が上がる時期や、暑い日が続かない時期は、まだ体が暑さに慣れていなくて、汗を出したり体表面の血管を拡げて熱を体の外へ逃がす機序が上手く働かないということです。

厚労省や日本気象協会の情報から引用すると、予防には、ウォーキングやサイクリングなどの軽い運動、筋トレ、入浴などが有効で、汗を出やすい体にできると言います。
一度、体が暑さに慣れても、数日暑くない日が続くと、元に戻ることがあり、5月、梅雨の晴れ間、梅雨明けなどは気を付けなければいけません。

また、利尿薬や、自律神経にはたらくパーキンソン病の薬、広範囲の皮膚疾患を持っている方などは、熱中症の危険性が高いです。

まずは、運動で汗腺を鍛えることが重要ですが、それでも体質として難しい方は、漢方薬も選択肢になります。
漢方では、汗をかけないのは、体表面まで気を持って行けなかったり、体表面までの道で気が滞っていたり、体が冷えていて代謝が悪いなどの状態が考えられます。
漢方薬を試してみたい方は、一度ご来店ください。

唇の荒れ

80代女性
主訴:唇の荒れ

現病歴:
 唇が1ヶ月ほど前から荒れている。皮がめくれていて、自分でもめくってしまう。

続きを読む »

ゴールデンウィーク営業日(2024)のお知らせ

ゴールデンウィークはカレンダー通りに営業いたします。

休業日:2024年4月28日(日)、29日(月)、5月3日(金)~6日(月)
営業日:2024年4月30日(火)~5月2日(木)

期間中、メールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は翌営業日以降となります。
また、オンラインショップの発送業務も停止いたしますので、予めご了承くださいませ。

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願い申し上げます。

老人必用養草16(老人の疾病治療について1)

香月牛山

引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。

今日は老人の疾病治療に関する部分を抜粋して読んでみます。

続きを読む »

かぜのような体の不調

50代女性
主訴:かぜのような体の不調が続く

現病歴:
 趣味のスポーツを練習中、かぜのような寒気がした。葛根湯を飲んで少し元気になった。1週間後、同様の症状。
 食欲不振はないが、若干の寒気がある。毎年、春先に体調を崩しやすい。夜に寝る時だけ咳が出る。

続きを読む »

漢方の「肝」について

漢方と現代医学では、同じ用語でも全く同じものを指すことはありません。
「五つの臓(臓器)」の名前でいうと、西洋医学では、臓器そのものの実体を指す言葉ですが、漢方では、システムや機能単位で区切った言葉です。
今回、「肝」について紹介いたします。
続きを読む »