民間薬、一部の生薬の効能まとめ(か行)

病気の前段階、「未病」のときに民間薬を上手に使うことで、病気にならずに過ごすことができます。
病気の時、具合が悪い時は、病院や診療所へ行き、診察を受けてください。
その上で、病院や診療所でもらった西洋薬の効果がいまひとつのときに、主治医の先生の了解を得て、補助として民間薬をうまく取り入れてみるのもいいと思います。

また、この中には、民間薬ではなく生薬(漢方薬の素材)として使われるものもあります。
民間薬は厳密な決まりがない一方、生薬は成分含量が決まっているなどの違いがありますが、ここでは植物由来の薬として、併せて記載します。

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艾葉(がいよう) → よもぎ

カキドオシ → 連銭草(れんせんそう)

柿の葉(かきのは)

血圧が気になる方にオススメ。ビタミンCもたっぷり。
歯茎の出血にも使えます。
味が良く、健康茶として古くから飲まれていています。

莪朮(がじゅつ)

抗腫瘤作用があり、できものに用いられるほか、健胃作用があり、お腹が張る、食べたものがお腹にたまるなどに効果があります。

荷葉(かよう) → 蓮葉(れんよう)

甘草(かんぞう)

急な腹痛などに、甘草だけを煎じた液が非常に効果があります。
漢方では、急に起こった症状を緩和するためや、作用を穏やかにするためにいろんな処方に含まれています。
息苦しさ、のどの痛み、痰、胃潰瘍、食中毒など、様々な効能があります。
ただし、長期間大量に用いると、血液中のカリウム値が下がり、副作用が出ることがありますので、
少量で用いるか、大量に使う場合は、急性の症状に短期間だけ用います。

乾姜(かんきょう)

蒸して乾燥させた生姜です。
生の生姜、乾燥しただけの生姜よりお腹を強力に温めてくれます。
お腹が冷える方にぴったりの素材です。

桔梗(ききょう)

排膿作用、去痰作用があるため、腫れもの、扁桃炎や痰の絡まる咳に使います。
うるしかぶれには煎じ液を塗ると効果があります。

キササゲ

利尿作用が強く、腎炎やネフローゼによる顕著なむくみや蛋白尿に効果があります
日本では古い時代に入ってきて、栽培されたものが野生化しています。
〔別名:梓実(しじつ)〕

キダチアロエ → アロエ

キハダ → 黄柏(おうばく)

ギムネマシルベスタ

血糖値が気になる方に。
便秘がちの方には、よりおすすめです。
服用しやすい粒タイプもあります。
サラシア、グァバなどと組み合わせると効果的です。

玉竹(ぎょくちく)

滋養強壮の効能があるので、疲労衰弱、寝汗などの症状や、潤す力があるので、空咳などの症状に。また、美容にも使われます。

キラン草

咳、痰、発熱、下痢止めや、健胃薬として知られています。
清熱解毒作用があり、気管支の炎症や喉の腫れなどにも使われます。
また、入浴剤として、あせもや湿疹に用います。
〔別名:筋骨草(きんこつそう)、ジゴクノカマノフタ〕

稀薟草(きれんそう)

関節の痛み、足腰が冷痛、筋肉がやせる、麻痺、高血圧などに。
関節の腫れを除き、筋骨を強めるはたらきがあります。

筋骨草(きんこつそう) → キラン草

金銭草(きんせんそう)

連銭草と同じように、尿路結石や胆結石などに使われます。
ウラジロガシと合わせると効果的です。

グァバ

葉は血糖値が気になる方に。糖質の吸収を穏やかにしてくれます。
実はビタミンや食物繊維が豊富に含まれ、美容にもオススメです。
グァバ葉は少し苦味があり、グァバの実は酸味があります。

枸杞子(くこし)

目が気になる人、老化が気になる人に。
視力低下やめまい、足腰のだるさ、精力減退などに用いられます。
昔から、不老長寿の生薬として有名で、日本でも平安時代から強壮薬として知られています。

枸杞葉(くこよう)

高血圧や動脈硬化の予防におすすめ。
煎じた液で髪を洗うと、抜け毛が止まり、髪のクセが弱くなります。
また、精力減退にも用いられます。

クチナシ → 山梔子(さんしし)

クマコケモモ → ウワウルシ

クマザサ

胃が弱い方や、血糖値、血圧が気になる方に。
虚弱体質や疲労回復、ぜんそくにも。
葉の縁が秋ごろから白く枯れて隈どるところから、「隈笹(クマザサ)」と呼ばれます。

熊柳(くまやなぎ)

健胃、整腸、胆石などに使われます。
熊柳8g、連銭草4gを合わせて煎じたもので、七転八倒していた胆石がスッキリ治ったという話もあります。

グルコサミン

軟骨を構成する成分で、腰や膝の関節炎などに使われます。

黒文字(くろもじ)

脚気や浮腫、胃腸炎に用いられ、粉末を止血薬に、また入浴剤としていんきん、たむしなどの皮膚病に使います。
地衣類の一種が付着して黒斑があり、文字を書いたように見えるので、黒文字と呼ばれます。

桑の枝

リウマチ、神経痛、関節炎にオススメ。
〔別名:桑枝(そうし)〕

桑の葉

糖尿病、頭痛、たん、せき、目の充血に用いられます。
また、便秘や高血圧の予防にも効果があります。

桂皮(けいひ)

健胃作用、お腹を温める作用があり、お腹が弱い方、冷える方にオススメです。
中国最古の薬物書『神農本草経』には、長く飲むと体が軽くなり、老いないと記載があります。
シナモンパウダーにつかうニッケイと近い種類なので、同じ香りがします。
〔別名:肉桂(にっけい)〕

決明子(けつめいし)

便秘や高血圧、口内炎、二日酔い、胃腸病などに使います。
中国の薬理学的試験では、血中のコレステロールを下げる働きもあり、脂質異常症の方にも適しています。
また、目の充血や痛み、かすみなどにも用いられます。
味も良く、毎日飲めるお茶としておすすめですが、お腹がゆるい方や、低血圧の方には向きません。
「ハブ茶」は本来、ハブソウのお茶ですが、現在では一般的に決明子のお茶を指します。

玄草(ゲンノショウコ)

食あたり、下痢、慢性の胃腸病、便秘に効果があります。
古くから、下痢止めの妙薬とされていますが、飲み過ぎても便秘になることはほとんどありません。
「現に効く証拠」として、ゲンノショウコの名前があります。

紅花(こうか)

月経不順や冷え症、産後の腹痛、更年期障害、婦人病一般に用いられます。
また、血行障害による腫瘍、打撲にも用いられます。
妊娠している方は避けてください。

紅参(こうじん)

虚弱体質の改善や、消化吸収をよくする作用があります。
いわゆる「朝鮮人参」を蒸して乾燥させたもので、乾燥させただけの人参より、元気を補う作用が強いです。
胃腸が強い人は、歳をとっても若く、元気が溢れています。
体格が良くて暑がりの人以外、全ての人にオススメします。

牛黄(ごおう)

動悸、気付けに用いるほか、解熱して毒を去り、意識をはっきりさせる作用もあるため、高熱でうなされているとき、意識がなくなったときなどにも効果があります。
ここぞというとき、社会人のプレゼンや、受験生の試験直前に飲むことで、緊張を和らげ、気力が出てきます。
また、二日酔いにもよく効くと評判です。
オーストラリア産が品質がよいとされ、品質のよい牛黄は苦味の中に、少し甘味があります。

五加皮(ごかひ) → エゾウコギ

漢方薬局ハレノヴァ

TEL: 06-6312-8429

大阪市北区末広町3-21 扇町センタービル1F

ご相談予約

症状・病気別漢方

症例

軽度うつ

50代男性
主訴:軽いうつ

現病歴:
 経営者。数か月前から、仕事のやる気が減った。以前は、仕事が重なっても、やる気があったが、今はスケジュールを見て、ため息をついたり、これから得意先との大事な話があるというときにしんどくなったりする。自分では、軽いうつなのではないかと思う。
 

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不眠

40代女性
主訴:不眠

現病歴:
 昨年春頃から、2週間に1日程度、朝4時まで眠れない日もあったが、次の日は眠れた。
 最近は、暑さのせいもあるのか、眠れない。熟眠感ない。寝起き悪い。途中覚醒もあり、昼間眠い。仕事中困る。疲れもとれない。
 コロナ禍以降は在宅勤務となり、動かないせいかも、もしくは更年期かもと考えている。
 眠れないからと、ついつい夜更かししてしまう。悪循環になっていると思う。

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老人必用養草17(老人の疾病治療について2)

香月牛山

引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。

今日は老人の疾病治療に関する部分を抜粋して読んでみます。

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夏季休業期間のお知らせ(2024)

李時珍1

2024年8月2日(金)

漢方薬局ハレノヴァの夏期休業期間をお知らせいたします。

夏期休業期間:8月11日(日)~8月15日(木)

休業日もメールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は翌営業日以降となります。
また、オンラインショップの発送業務も停止いたしますので、予めご了承ください。

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします。

かぜ(コロナ?)

30代女性
主訴:かぜ(コロナ?)

現病歴:
 夫がかぜで倒れたあとに発症。頭痛、手足がだるい、寒け少し、37℃強の微熱。

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コロナ後の痰・息切れ

40代女性
主訴:コロナ後の痰・息切れ

現病歴:
 2年前の秋にコロナ感染。痰が粘っこくひっつく。夜に1時間ごとに起きることもある。通常は透明で粘っこい痰。黄色い痰が出るとすっとする。夕方に悪化。
 “水蛭が入った漢方薬”をもらって服用しているが、効果なし。

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発疹

70代女性
主訴:皮膚の赤み

現病歴:
 数か月前から皮膚に地図状の赤みが出てきた。凹凸なし。痒み(-)、カサカサ(-)。

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眼感染症

60代女性
主訴:眼感染症

現病歴:
 コンタクトレンズを付けると、曇って見えた。眼科を受診すると、感染症と言われ、抗菌薬の点眼薬を処方された。点眼薬が合わず、途中で中止。1ヶ月後の受診時に治っていないと言われた。
 目の痒みは少し。痛み(−)。目脂は1週間に1回くらい。涙が出やすい(−)。目が疲れる。元々ドライアイ。

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気象病(天気痛)について

半夏4

気象病(天気痛)とは、天気や気圧の変化によって起こる痛みや体調の悪化をいいます。
雨の日が近づくと頭痛がしたり、リウマチの人なら関節が痛くなったり、喘息の人なら少しぜーぜーするなどの症状が出てきたりします。

漢方では、体の中に湿気をため込んでいる人は、気象病の症状が出やすいです。
体の中に湿が溢れていると、体の外の湿に、体の中の湿が反応して、体への影響が大きくなります。
カラッと晴れた湿度の低い、いい天気の時には、体内の湿も鳴りを潜めて大人しくしているのですが、外に味方がいるときには暴れてしまいます。

体の中に湿をため込む人(水の巡りが悪い人)は、いくつかの種類に分けることができます。
胃腸が弱いタイプ、腎が弱いタイプ、冷えているタイプ、肺が弱いタイプなどがあります。
胃腸が弱いタイプは、食事の量はあまり食べられなかったり、食後に眠くなりやすかったりします。漢方では、胃腸は水をさばく働きがあると考え、胃腸が弱いと、水の巡りが悪くなって、手足や頭に湿が溜まりやすくなります。
腎が弱いタイプは、喉が渇いて飲むけど尿が出にくかったりします。尿による不要な水の排出が悪くなることで、湿が溜まりやすくなります。
冷えているタイプは、手足が冷えやすかったり、冷たいものが飲めなかったりします。冷えているせいで、体内の水の巡りが悪くなり、湿を溜めてしまいます。
肺が弱いタイプは、かぜをひきやすかったり、動くとすぐに汗が出たりします。肺は体の上部や体表面の水を動かす働きがあるので、肺が弱いことも湿が溜まることに繋がります。
このほかにも、精神的ストレスで全身の気(エネルギー)の巡りが悪くなり、それに伴って水の巡りが悪くなるのが絡んでいる人もいます。
1人の人の中に、いろいろなタイプが混ざっていることが多いので、その人にあったお薬を選ばないといけません。

では、湿をため込まないためにはどうすればよいかですが、湿を入れない・生み出さない、湿を追い出す、この2つが原則です。
水を飲む量を考えたり、湿を生む甘いものや脂っこいものを避けたりして、湿の発生を防ぎ、しっかり動いて汗や尿として湿を追い出すなどが効果的です。
体が冷えると気血水の巡りも悪くなるため、氷入りの水分は取らないことなども重要です。

天気に関連する不調に関しては、西洋薬ではあまり効果がないため、漢方薬が大きな力を発揮します。
お一人お一人に合った漢方薬をご提案します。
よければ、一度ご相談ください。

暑熱馴化(しょねつじゅんか)について

防風1

暑熱馴化(しょねつじゅんか)。なぜかこの2、3年で急にニュースで聞くようになった言葉です。暑熱馴化ができていないと、熱中症のリスクが高まります。
体が暑さに馴れる馴れないとは別に、体質として、なかなか汗をかかない方は、結構います。漢方相談で来店される方の場合、汗をかきやすい、或はかけるかどうかはかなり重要な判断材料となります。

さて、暑熱馴化に関して簡単に説明すると、急に気温が上がる時期や、暑い日が続かない時期は、まだ体が暑さに慣れていなくて、汗を出したり体表面の血管を拡げて熱を体の外へ逃がす機序が上手く働かないということです。

厚労省や日本気象協会の情報から引用すると、予防には、ウォーキングやサイクリングなどの軽い運動、筋トレ、入浴などが有効で、汗を出やすい体にできると言います。
一度、体が暑さに慣れても、数日暑くない日が続くと、元に戻ることがあり、5月、梅雨の晴れ間、梅雨明けなどは気を付けなければいけません。

また、利尿薬や、自律神経にはたらくパーキンソン病の薬、広範囲の皮膚疾患を持っている方などは、熱中症の危険性が高いです。

まずは、運動で汗腺を鍛えることが重要ですが、それでも体質として難しい方は、漢方薬も選択肢になります。
漢方では、汗をかけないのは、体表面まで気を持って行けなかったり、体表面までの道で気が滞っていたり、体が冷えていて代謝が悪いなどの状態が考えられます。
漢方薬を試してみたい方は、一度ご来店ください。

唇の荒れ

80代女性
主訴:唇の荒れ

現病歴:
 唇が1ヶ月ほど前から荒れている。皮がめくれていて、自分でもめくってしまう。

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ゴールデンウィーク営業日(2024)のお知らせ

ゴールデンウィークはカレンダー通りに営業いたします。

休業日:2024年4月28日(日)、29日(月)、5月3日(金)~6日(月)
営業日:2024年4月30日(火)~5月2日(木)

期間中、メールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は翌営業日以降となります。
また、オンラインショップの発送業務も停止いたしますので、予めご了承くださいませ。

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願い申し上げます。

老人必用養草16(老人の疾病治療について1)

香月牛山

引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。

今日は老人の疾病治療に関する部分を抜粋して読んでみます。

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かぜのような体の不調

50代女性
主訴:かぜのような体の不調が続く

現病歴:
 趣味のスポーツを練習中、かぜのような寒気がした。葛根湯を飲んで少し元気になった。1週間後、同様の症状。
 食欲不振はないが、若干の寒気がある。毎年、春先に体調を崩しやすい。夜に寝る時だけ咳が出る。

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漢方の「肝」について

漢方と現代医学では、同じ用語でも全く同じものを指すことはありません。
「五つの臓(臓器)」の名前でいうと、西洋医学では、臓器そのものの実体を指す言葉ですが、漢方では、システムや機能単位で区切った言葉です。
今回、「肝」について紹介いたします。
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