民間薬、一部の生薬の効能(さ~な行)

病気の前段階、「未病」のときに民間薬を上手に使うことで、病気にならずに過ごすことができます。
病気の時、具合が悪い時は、病院や診療所へ行き、診察を受けてください。
その上で、病院や診療所でもらった西洋薬の効果がいまひとつのときに、主治医の先生の了解を得て、補助として民間薬をうまく取り入れてみるのもいいと思います。

また、この中には、民間薬ではなく生薬(漢方薬の素材)として使われるものもあります。
民間薬は厳密な決まりがない一方、生薬は成分含量が決まっているなどの違いがありますが、ここでは植物由来の薬として、併せて記載します。

オンラインショップはこちら↓
https://halenova-onlineshop.com/



サフラン

血の巡りをよくすることで、冷えや血色不良を改善します。
そのほか、更年期障害、月経困難、無月経、月経過多などに使います。
また、気分のすぐれないとき、ヒステリー気味のとき、なかなか寝付けないときや、頭痛、めまいなどに効果があります。
特に、冷えとのぼせがある方に適しています。
婦人病の妙薬として、古代エジプトやギリシャの時代から用いられてきました。
妊娠中の方は避けてください。
〔別名:蕃紅花(バンコウカ)〕

サラシア

糖質の吸収を穏やかにして、血糖値が急激に上がるのを防ぎます。
糖尿病の方や、糖尿病の予防に適しています。
糖尿病の薬を飲んでいる方は注意が必要です。

サルノコシカケ → 梅寄生(ばいきせい)

山査子(さんざし)

肉や脂の消化を助けてくれるので、消化不良、食欲不振、下痢に効果があります。
食べたものがいつまでもお腹に残って苦しい方は、山査子の粉末を食後に飲んでください。
また、二日酔い、食中毒にも使われます。

山梔子(さんしし)

体を冷やす、胸苦しさをとる働きがあります。
消炎作用があり、腫れて熱を持ち、赤くなっているところに、小麦粉を加えて酢で練って貼ったり、粉末を飲んだりすると良いです。
また、止血の効能があるので、鼻血、喀血、痔出血、子宮出血などに。
気分を落ち着ける効能があるので、興奮して眠れないときにも使えます。
その他、食道ポリープや食道炎での飲み込みづらい症状、胸や胃が詰まって痛むとき。
口内炎、歯肉炎、扁桃炎に煎じ液をうがいをするようにしながら飲むなどの使い方があります。
〔植物名:クチナシ〕

ジゴクノカマノフタ→キラン草

梓実(しじつ) → キササゲ

七葉胆(しちようたん) → アマチャヅル

車前草(しゃぜんそう)

咳止めや下痢止めに効果があります。
また、膀胱や尿道の熱をとり、利尿に働くので、
尿が少なくなったとき、膀胱炎のような症状の時におすすめ。
陰部の痒みにも効果があります。

将軍木皮(しょうぐんぼくひ)→アカメガシワ

小連翹(しょうれんぎょう) → オトギリ草

刺五加(しごか) → エゾウコギ

十薬(じゅうやく)

高血圧、便秘、蓄膿症などに。味がよく、毎日続けられるお茶です。
蓄膿症には、乾燥した葉をお茶代わりに飲むのと一緒に、生の葉を塩で揉み、寝るときに一方の鼻に差し込んで眠る。5時間ほど経過したら取って鼻をかみ、その後もう一方の鼻も同じようにします。これを2~3週間続けるといいです。
十種類の薬の効果があるので“十薬”と呼ばれます。
〔植物名:ドクダミ〕

スギナ

利尿作用があるため、血圧を下げるほか、血管強化、貧血、肉体疲労などに使われます。
春に出てくるつくしが育ったものがスギナです。
〔別名:問荊、ホーステイル〕

スベリヒユ

利尿や痔には煎じた液をお飲みください。
痔、にきび、唇の荒れ、陰部の痒みには濃く煎じた液を直接付けても。
〔生薬名:ばしけん〕

清風藤(せいふうとう) → 防已(ぼうい)

接骨木(せっこつぼく)

リウマチや関節痛が気になる方に。
雨の日に悪化する人や、むくみやすい人に適しています。
昔、ニワトコの枝の黒焼を骨折治療に使ったことから、接骨木の名前が付きました。
〔植物名:ニワトコ〕

仙鶴草(せんかくそう)

血便、子宮出血などの止血、健胃、下痢止めに。
倦怠感、精力減退にもオススメ。
大腸炎、赤痢などで、ゲンノショウコで効果のないものに効く事があります。
〔植物名:キンミズヒキ〕

センナ

便秘にはダイオウよりも強力に効きます。
少量を飲むと、消化を助けて食物の滞りを防ぎます。
また、体力が衰えてない人の腹水にも使うことがあります。
〔別名:蕃瀉葉(バンシャヨウ)〕

センブリ

健胃薬として有名であり、消化不良、食欲不振、胃痛、腹痛、下痢などに用います。
三大民間薬の1つで、昔からよく飲まれてきたお茶です。
胃腸の弱りからいろんな病気につながるので、健胃薬を飲むことで日々をすこやかに過ごすことができます。
〔別名:当薬〕


桑枝(そうし) → 桑の枝(くわのえだ)




大黄(だいおう)

便秘に使われる生薬です。
漢方では、便秘だけでなく、血の巡りをよくするため、体の熱を取るためにも用いられます。
子宮を収縮させる作用があるので妊娠中の方は避けてください。
また、骨盤の充血も増長させる作用があるため、産後、月経期間中も注意してください。

大棗(たいそう) → なつめ

タラ根皮(たらこんぴ)

胃炎、吐き気、糖尿病、強壮などに。
空腹時に飲むと、胃腸の運動をよくして、消化を助け、便通を整える効果もあります。
糖尿病には連銭草と組み合わせるのがオススメ。

タラ木(たらぼく)

胃炎、糖尿病などに用いられ、タラ根皮と同様の効果があります。

ツルナ → 浜千佐(はまじしゃ)

田三七(でんさんしち)

止血の効能があり、吐血、鼻血、血便、不正性器出血、産後の出血が多いときなどに使われます。傷には粉末を塗ることもあります。
他にも、血圧が高い、もしくは低い、疲れやすい、肝機能が気になる、飲み会の次の日が辛い、胸の不快感があるなどにオススメです。
中国最古の薬物書『神農本草経』では、上品(じょうほん)に分類され、長く服用することができます。上品に分類されている薬は、命を養う薬とされています。
非常に高貴な生薬で、「金不換」という名称もあります。

甜茶(てんちゃ)

くしゃみ、鼻水や鼻づまりなど、アレルギー症状に用いられます。
カロリーがほとんどない甘み成分を含み、飲みやすいお茶です。

当薬(とうやく) → センブリ

ドクダミ → 十薬(じゅうやく)

杜仲葉(とちゅうよう)

ダイエットサポート、美容やアンチエイジングに。
血圧、コレステロールや中性脂肪が気になる方にもオススメ。
味が良く、飲みやすいお茶です。




ナタマメ

痰のからまる咳や病後の体力回復に。
また、蓄膿、歯槽膿漏、痔瘻など膿のたまるものにも。
のどの腫れや口内炎には、豆の黒焼きを粉末にして付けたり、豆を味噌漬けにして食べたりします。
〔別表記:刀豆〕

なつめ

滋養強壮におすすめです。
また、小児の夜泣ききにも使われます。
おかゆなどに入れてお楽しみいただける甘くておいしい生薬です。
〔生薬名:大棗(たいそう)〕

ナルコユリ → 黄精(おうせい)

南天(なんてん)

百日咳やぜんそくなどの咳止めに使われ、視力の回復にもよく効くとされています。
俗にシロナンテンの方が効き目があると言われていますが、赤い実も白い実も薬効に特に差はありません。


ナンバン毛

とうもろこしの毛の部分です。
体の余分な水を出してくれるため、むくみや血圧が気になる方に。
とうもろこしの香りが広がる飲みやすいお茶です。

肉桂(にっけい) → 桂皮(けいひ)

人参(にんじん)

虚弱体質の方の滋養強壮に使われます。
胃腸の働きをよくして、食べ物から栄養が吸収できる体にする効能があります。
普段は体が強い方でも、一時的に疲れているときに飲むと、早く体力が回復します。

漢方薬局ハレノヴァ

TEL: 06-6312-8429

大阪市北区末広町3-21 扇町センタービル1F

ご相談予約

症状・病気別漢方

症例

年末年始休業日のお知らせ(2024~25年)

2015門松

2024.12.2(月)

漢方薬局ハレノヴァの年末年始休業日をお知らせいたします。

年末年始休業期間:2024年12月29日(日)~2023年1月5日(日)

期間中、メールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は2023年1月6日(月)以降となります。
また、休業期間中はオンラインショップの発送業務も停止いたしますので、予めご了承ください。

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願い申し上げます。

頭がぼーっとする

20代女性
主訴:頭がぼーっとする

現病歴:
 昨日から、頭がぼーっとする。今日は特にひどい。頭に熱感がある。少し頭痛がある。
 

続きを読む »

アトピー性皮膚炎について②

アトピーの治療で「本当は冷えによって起こっている」「身体の内側は冷えているから温めないといけない」が、好きな人が多いなあと思います。
熱症状と思える炎症が、実際は冷えで起こっているのだと言うと、逆説的で、それが今までの考え方をひっくり返してくれて、袋小路に入り込んだ思考に新たな抜け道を与えてくれるようで、飛びつきたくなるのでしょうか。
治療者も、患者も心地いいのかもしれません。
ただ、冷えが悪いのは、そこから巡りが悪くなるからであって、炎症がある直接(根本ではなく)の原因は気血津液の滞りだと考えます。
いずれは温める薬が必要であったとしても、今の肌の状態を考慮しないといけません。

少なくとも、炎症が強い時は、強く温める生薬を使わない方が、絶対に無難です。
どうしてもという時に、いろいろと組み合わせながら、慎重に使うべきだと思います。
局所の熱症状がある時に、乾姜、附子、桂皮、川弓を使うと、大体、悪化してるように感じます。

そもそも、1人の人間が経験に基づいて言うことなんて、偏っているはず、偏っていて当たり前です。
冷えてるはずだから温める、で全員に対応していると、そこからこぼれる人が出てきます。
まあ、うちにいらっしゃる方に、温熱薬で悪化する人がたまたま多いだけと言えば、そうかもしれないです。
だからこそ、できるだけ先入観を取り除いて、薬を決めていかないと、と自分に言い聞かせています。

※文字化け防止のために「艸+弓」を「弓」に置き換えています。

めまい

20代女性
主訴:めまい

現病歴:
 1年前からめまいがあり、最近は頻繁にある。昼に症状強く、夜はマシ。生理中に症状強い。生理前から期間中はずっとある。動けなくなることもある。寝不足で悪化し、動悸も伴う。曇天時悪化し、体のだるさも伴う。季節での変化(-)。季節の変わり目(+)。空腹時とその後食べた時にも悪化。グルグルしためまいと血の気がひくめまいどちらもある。
 

続きを読む »

うつ症状

50代男性
主訴:うつ症状

現病歴:
 経営者。数か月前から、仕事のやる気が減った。以前は、仕事が重なっても、やる気があったが、今はスケジュールを見て、ため息をついたり、これから得意先との大事な話があるというときにしんどくなったりする。自分では、軽いうつなのではないかと思う。
 

続きを読む »

不眠

40代女性
主訴:不眠

現病歴:
 昨年春頃から、2週間に1日程度、朝4時まで眠れない日もあったが、次の日は眠れた。
 最近は、暑さのせいもあるのか、眠れない。熟眠感ない。寝起き悪い。途中覚醒もあり、昼間眠い。仕事中困る。疲れもとれない。
 コロナ禍以降は在宅勤務となり、動かないせいかも、もしくは更年期かもと考えている。
 眠れないからと、ついつい夜更かししてしまう。悪循環になっていると思う。

続きを読む »

老人必用養草17(老人の疾病治療について2)

香月牛山

引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。

今日は老人の疾病治療に関する部分を抜粋して読んでみます。

続きを読む »

夏季休業期間のお知らせ(2024)

李時珍1

2024年8月2日(金)

漢方薬局ハレノヴァの夏期休業期間をお知らせいたします。

夏期休業期間:8月11日(日)~8月15日(木)

休業日もメールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は翌営業日以降となります。
また、オンラインショップの発送業務も停止いたしますので、予めご了承ください。

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします。

かぜ(コロナ?)

30代女性
主訴:かぜ(コロナ?)

現病歴:
 夫がかぜで倒れたあとに発症。頭痛、手足がだるい、寒け少し、37℃強の微熱。

続きを読む »

コロナ後の痰・息切れ

40代女性
主訴:コロナ後の痰・息切れ

現病歴:
 2年前の秋にコロナ感染。痰が粘っこくひっつく。夜に1時間ごとに起きることもある。通常は透明で粘っこい痰。黄色い痰が出るとすっとする。夕方に悪化。
 “水蛭が入った漢方薬”をもらって服用しているが、効果なし。

続きを読む »

発疹

70代女性
主訴:皮膚の赤み

現病歴:
 数か月前から皮膚に地図状の赤みが出てきた。凹凸なし。痒み(-)、カサカサ(-)。

続きを読む »

眼感染症

60代女性
主訴:眼感染症

現病歴:
 コンタクトレンズを付けると、曇って見えた。眼科を受診すると、感染症と言われ、抗菌薬の点眼薬を処方された。点眼薬が合わず、途中で中止。1ヶ月後の受診時に治っていないと言われた。
 目の痒みは少し。痛み(−)。目脂は1週間に1回くらい。涙が出やすい(−)。目が疲れる。元々ドライアイ。

続きを読む »

気象病(天気痛)について

半夏4

気象病(天気痛)とは、天気や気圧の変化によって起こる痛みや体調の悪化をいいます。
雨の日が近づくと頭痛がしたり、リウマチの人なら関節が痛くなったり、喘息の人なら少しぜーぜーするなどの症状が出てきたりします。

漢方では、体の中に湿気をため込んでいる人は、気象病の症状が出やすいです。
体の中に湿が溢れていると、体の外の湿に、体の中の湿が反応して、体への影響が大きくなります。
カラッと晴れた湿度の低い、いい天気の時には、体内の湿も鳴りを潜めて大人しくしているのですが、外に味方がいるときには暴れてしまいます。

体の中に湿をため込む人(水の巡りが悪い人)は、いくつかの種類に分けることができます。
胃腸が弱いタイプ、腎が弱いタイプ、冷えているタイプ、肺が弱いタイプなどがあります。
胃腸が弱いタイプは、食事の量はあまり食べられなかったり、食後に眠くなりやすかったりします。漢方では、胃腸は水をさばく働きがあると考え、胃腸が弱いと、水の巡りが悪くなって、手足や頭に湿が溜まりやすくなります。
腎が弱いタイプは、喉が渇いて飲むけど尿が出にくかったりします。尿による不要な水の排出が悪くなることで、湿が溜まりやすくなります。
冷えているタイプは、手足が冷えやすかったり、冷たいものが飲めなかったりします。冷えているせいで、体内の水の巡りが悪くなり、湿を溜めてしまいます。
肺が弱いタイプは、かぜをひきやすかったり、動くとすぐに汗が出たりします。肺は体の上部や体表面の水を動かす働きがあるので、肺が弱いことも湿が溜まることに繋がります。
このほかにも、精神的ストレスで全身の気(エネルギー)の巡りが悪くなり、それに伴って水の巡りが悪くなるのが絡んでいる人もいます。
1人の人の中に、いろいろなタイプが混ざっていることが多いので、その人にあったお薬を選ばないといけません。

では、湿をため込まないためにはどうすればよいかですが、湿を入れない・生み出さない、湿を追い出す、この2つが原則です。
水を飲む量を考えたり、湿を生む甘いものや脂っこいものを避けたりして、湿の発生を防ぎ、しっかり動いて汗や尿として湿を追い出すなどが効果的です。
体が冷えると気血水の巡りも悪くなるため、氷入りの水分は取らないことなども重要です。

天気に関連する不調に関しては、西洋薬ではあまり効果がないため、漢方薬が大きな力を発揮します。
お一人お一人に合った漢方薬をご提案します。
よければ、一度ご相談ください。

暑熱馴化(しょねつじゅんか)について

防風1

暑熱馴化(しょねつじゅんか)。なぜかこの2、3年で急にニュースで聞くようになった言葉です。暑熱馴化ができていないと、熱中症のリスクが高まります。
体が暑さに馴れる馴れないとは別に、体質として、なかなか汗をかかない方は、結構います。漢方相談で来店される方の場合、汗をかきやすい、或はかけるかどうかはかなり重要な判断材料となります。

さて、暑熱馴化に関して簡単に説明すると、急に気温が上がる時期や、暑い日が続かない時期は、まだ体が暑さに慣れていなくて、汗を出したり体表面の血管を拡げて熱を体の外へ逃がす機序が上手く働かないということです。

厚労省や日本気象協会の情報から引用すると、予防には、ウォーキングやサイクリングなどの軽い運動、筋トレ、入浴などが有効で、汗を出やすい体にできると言います。
一度、体が暑さに慣れても、数日暑くない日が続くと、元に戻ることがあり、5月、梅雨の晴れ間、梅雨明けなどは気を付けなければいけません。

また、利尿薬や、自律神経にはたらくパーキンソン病の薬、広範囲の皮膚疾患を持っている方などは、熱中症の危険性が高いです。

まずは、運動で汗腺を鍛えることが重要ですが、それでも体質として難しい方は、漢方薬も選択肢になります。
漢方では、汗をかけないのは、体表面まで気を持って行けなかったり、体表面までの道で気が滞っていたり、体が冷えていて代謝が悪いなどの状態が考えられます。
漢方薬を試してみたい方は、一度ご来店ください。

唇の荒れ

80代女性
主訴:唇の荒れ

現病歴:
 唇が1ヶ月ほど前から荒れている。皮がめくれていて、自分でもめくってしまう。

続きを読む »