めまいは、エネルギーである気や栄養である血(けつ)が不足したり、水が余分にあることで起こることが多いです。
原因として
1、余分な水によるもの
2、気の上逆によるもの
3、血の不足によるもの
4、老化によるもの
などがあります。
1は、水やそれが固まってできる「痰」が頭にあり、気血の正常な流れを遮ることでめまいが起こります。ぐるぐる回転するめまいであることが多いです。
めまいの他に、曇りや雨の日に調子が悪い、乗り物酔いしやすい、手足や体が重だるいなどの症状が出てきます。
普段の生活では、水分摂取量に気を付けてください。喉が渇いた分、体が欲する分だけ水を飲むように心がけて、
無駄な水を体に溜めないことがポイントです。
夏の暑い日は、汗として体の水が出ていくため、脱水にならないように多めに飲むことが必要ですが、
夏以外は、水が体に溜まりやすくなっているので、喉が渇いた分だけ飲んでください。
また、食事では、あずき、セロリ、冬瓜、そば、らっきょう、えんどう豆、白菜、きゅうりなど、
水はけをよくする食材をうまく取り入れてください。
このタイプの方には、水はけをよくする方剤や、突発的に痰が頭に昇るのを防ぐ方剤を使います。
2は、気が頭に昇り、降りてこない状態になるためにめまいが起こります。
めまいの他に、顔の赤み、顔のほてり、イライラ、突然の頭痛、手や足の冷えなどの症状が出てきます。
食事では、気の巡りをよくする食材をとってください。柑橘類、三つ葉、紫蘇、薄荷など香りのよいものが気の動きを良くしてくれます。
このタイプの方には、気を降ろす方剤を選びます。
3は、血は体の各所に栄養を届けますが、血をつくれなかったり、消費しすぎたりすることで、その血が不足し、めまいが起こります。目の前が暗くなるめまいが多いです。
めまいの他に、顔色が白い、目が疲れやすい、肌がカサカサする、集中力が続かない、不眠、夢をよく見る、爪がもろい、髪がパサつく、こむら返りが起こりやすいなどの症状が出てきます。
食事では、血のもとになる食材をとってください。にんじん、ほうれん草、小松菜、豆類、豚肉、イカ、落花生、ぶどう、ライチなどが血のもとになります。
このタイプの方には、血を補う方剤や、血をつくりだせる胃腸にするための方剤を選びます。
4は、老化によって生命の源が少なくなり、脳が滋養されずに起こります。
めまいの他に、歯や骨がもろくなる、髪が細く潤いがない、耳鳴りがする、尿がもれる、出にくい、逆に出やすい、腰や足が痛いなどの症状が出てきます。
生薬以外で、生命の源を補ってくれる食材はほとんどないため、食べ過ぎに気を付けて胃腸を大事にすることが基本です。その上で、気が不足している方は穀類やいも類、潤いが足りない方はゴマやスッポン、冷えがあるかたはクルミや羊肉、などをおすすめします。
このタイプの方には、生命の源を補う方剤を選びます。