頭痛が起こる原因は大きく2つあります。
環境によって体の外からの邪(じゃ)が入ってきて起こるものと、生活習慣や体質によって体の内側から起こるものです。
まず、体の外から邪が入って起こるものとして、
1、風邪(ふうじゃ)が冷気と一緒に入って痛むもの
2、風邪が熱と一緒に入って痛むもの
3、風邪が水と一緒に入って痛むもの
などがあります。
1の場合は、冷えると悪化する頭痛の他に、寒気がする、肩や背中がこわばる、体がだるいなどの症状があります。
このときには、風邪を散らし、かつ温める方剤を使います。
2の場合は、温まると悪化する頭痛の他に、軽い寒気、顔の赤みやほてり、目の充血、口が渇くなどの症状があります。
このときには、風邪を散らし、かつ冷ます方剤を使います。
3の場合は、雨や曇りの日に悪化する頭痛の他に、頭が重い、体が重い、胃腸が弱いなどの症状があります。
このときには、風邪を散らし、かつ体の余分な水を出す方剤を使います。
次に、体の内側から起こるものとして、
1、頭へ届く血(けつ)が足りずに栄養が届かなくて痛むもの
2、余分な水が頭に溜まって痛むもの
3、ストレスやイライラで気が頭に昇って痛むもの
などがあります。
1の場合は頭痛の他に、顔色が悪い、唇が荒れる、不眠、夢をよく見る、動悸、目が乾く、爪が割れやすい、皮膚がかさつく、髪がぱさつくなどの症状が出てきます。
このタイプの方は、血をつくるもとになる食べ物である、ほうれん草、にんじん、レバー、豚肉、くるみなどを普段の食事で食べるようにしてみてください。しかし血の材料を体に入れるだけでなく、きちんと体が血を作れるようにならなければ、血は増えません。血を作るには十分な睡眠をとることが重要です。特に夜は血を作る時間なので、そのときにしっかりと身体を休めることが効果的です。
漢方薬としては、血を補う方剤を選ぶほか、胃腸が弱くてちゃんと栄養を吸収できずに血を作れていない場合は、胃腸を強くする方剤を選びます。
2の場合は頭痛の他に、頭が重い、めまい、みぞおちのつかえ、吐き気、体が重い、などの症状が出てきます。
このタイプの方は、普段の食事として、きゅうり、冬瓜、かぶ、ねぎ、春菊、もやし、小豆、大豆、鶏肉、貝類りんご、さくらんぼ、スイカなどが適しています。
日常生活では、水のとりすぎに注意すること、汗をかくことを意識してください。水が体の中に溜まるのは、とりすぎが原因でることも多いです。水を飲みすぎるのは、高温多湿な日本、水を溜め込みやすい体質の方が多い日本人の生活に合っていません。喉がかわいた分だけ飲んで、無理に飲まないようにしましょう。また、飲むときは冷たい水分ではなく温かい水分をとるようにしてください。冷えた水は動きにくく、体に溜まりやすい性質があります。冷えた水を含む、生野菜、ほとんどの果物、冷えたビールはできるだけ控えてください。
漢方薬としては、体から水を追い出す方剤や、体が冷えている場合には水を動かすために温める方剤を選ぶこともあります。
3の場合は頭痛の他に、イライラする、怒りっぽい、のぼせる、顔がほてる、顔によく汗をかく、目が充血する、口が苦い、寝付きが悪いなどの症状が出てきます。
このタイプの方の普段の食事では、気を巡らせてくれる香りが良い食材を選んでください。紫蘇、大葉、たまねぎ、ミョウガ、ミント、柑橘類、春菊、セロリなどがあります。
ただし、精神的ストレスや悩み事なが原因ですので、それを取り除くか、考え方や取り組み方を変えることが非常に重要です。
漢方薬としては、気を巡らせる方剤や、頭の余分な熱を取る方剤を選びます。
症例はこちら↓
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