40代女性
主訴:歯の痛み
現病歴:歯科治療をした後、抗菌薬をもらって数日間服用したが、効果がなく歯が痛い。昨晩は痛みでよく眠れなかった。
第三世代セフェム系を処方されていた。その時点で、抗菌薬を正しく使う医者の所へ行った方がいいのではないかと思った。が、言わずにおいた。〔第三世代セフェム系は、バイオアベイラビリティ(生物学的利用率)が悪く、ほとんど吸収されない、また、抗菌スペクトルが広く、耐性菌が生じやすいなど問題点がある。ある感染症医は第三世代セフェム系を選択するケースはほとんど思いつかない、少なくとも、第一選択ではないと言う。DU処方。〕
すぐに効かせるために、新今治水(当店に販売用では置いていない)をつけてもらい、寝る前に清熱解毒の散剤(エキス剤ではなく生薬の粉末)を水に溶かしてうがいをして飲み下すように指示。3日間、朝昼服用と寝る前に含嗽使用とした。
使用したその日から痛みがほとんどなくなり、2日目以降は新今治水は使用せず、漢方薬だけを3日服用して治癒した。
考察:新今治水もすぐに痛みを取るために効果があったと思うが、漢方薬がしっかり効いたと思われる。黄連解毒散を使用したが、エキス剤ではなく散剤を使ったのは、黄連の量が割合も量も、エキス剤より多いという理由からだった。
直接、患部に当てられない部分の炎症には、程度によって、清熱消腫の生薬を合わせた方がいいように思う。