帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス、いわゆる水ぼうそうの原因となるウイルスによって引き起こされます。子供のころにかかった水ぼうそうのウイルスが神経節に隠れ、大人になってからストレスや疲労による免疫力低下が引き金となり、再び活性化して発症します。
最初期は、皮膚の違和感やピリピリ、チクチクとした痛みが出てきます。その後、発熱したり、リンパ節が腫れることもあり、続いて皮膚の発赤、水疱が現れます。水疱が破れるとかさぶたとなり、皮膚病変が現れてから2~3週間程度で皮膚症状が治まります。
中医学では、湿毒や火毒などによって生じるとされます。毒というのは、発赤や腫脹、化膿を引き起こすものを指します。湿は正常な働きを失った水のことであり、湿を伴った毒により水疱が現れます。火は熱をもち炎症を引き起こすため、火を伴った毒により発赤、腫脹します。
方剤は、水疱か発赤疼痛のどちらが強いかを判断して、湿と熱のどちらを主にするか決めます。湿が強ければ、麻黄・石膏や、車前子などの利水薬が入った処方を選び、熱が強ければ、黄連、大青葉などが入った処方を選びます。そこへ、抗ウイルス作用があるとされる生薬を加えることもあります。
後にびらんが残り、治りにくければ、皮膚表面の水のめぐりを良くしたり、肉芽の生成を早める方剤を用います。
また、痕が残るのを気にする場合、発赤や腫脹などの勢いがなくなってきたら、血の巡りをよくする薬を加えます。
漢方薬を服用することによって、回復を早め、痕が残りにくくなるため、その点で、西洋薬に加えて漢方薬を服用する意義があります。
高齢になると、皮膚が治っても、神経へのダメージから神経痛が残りやすくなります。焼けるような痛みや針で刺すような痛みが持続したり、何かが触れるだけで痛みが出たり、寒冷刺激などで痛みが生じてしまいます。これを防ぐには、やはり、早期治療が大切です。基本は西洋医学の抗ウイルス薬を服用することですが、加えて漢方を服用することで、神経痛も残りにくくなります。
もし、神経痛が残ったとしても、痛みが誘発されるきっかけなどから、原因を探り、治療法を考えることができます。
仕方ないと諦めずに、できるだけ早く、相談にいらしてください。
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