20代女性
主訴:頭痛が起こりやすい
現病歴:低気圧時に頭全体が痛む。ひどいとズキズキと痛み、ひどくないと重く、ぼんやりとする。冬は寒い場所へ出た時など温度差でもなりやすい。お風呂に入ると悪化しやすい。心が落ち着かない感じ、不安感があり、自分から嫌なことを想像してしまう。
花粉症(+)、足のむくみ(+)、便通3日に1回、排尿問題なし、夏は冷たいもの、冬は温かいものを飲む。22時就寝、8時間睡眠。鼻づまり(+)、鼻水(+)、生理不順(-)、経血赤い、塊(-)、生理痛(+)薬服用、生理前のイライラ、落ち込み、胸のハリなどがある。
心血虚、肝血虚、肝鬱気滞を考え、14日分の薬をお渡しした。
2度目来店、頭痛に変化なし。気持ちは落ち着いているか、周期として落ち着く時期もあるので、何とも言えないとのこと。舌の状態から水滞があると考え、去痰薬などへ処方変更。21日分。
3回目、梅雨の時期が過ぎたからか、頭痛は週に1回に減ったが、大きな変化はない。痛くなりそうだと、すぐに鎮痛剤を服用する。イライラや落ち込みは減ったとのこと。水を捌くため肺気を高める処方などへ変更。
しかし、その後は大きな変化はなく、初回から2か月後の6回目、やはり大きく変化はないとのことであった。そこで、改めて考え直し、頭風と判断して、水滞と頭風の方剤へ変更した。14日分。
7回目、頭痛が前より軽くなったかもしれない。雨の日でも軽減している。1日だけ鎮痛剤を飲んだが、それ以外は問題なしと。処方継続14日分。
8回目、頭痛はやはり以前よりマシになっていると思う。痛くなる頻度も程度も下がっている。ただ、気になるとどんどん悪い方へ考えることが続いている。その点は以前の方が調子が良かった。とのことなので、利水薬を去痰薬へ若干変更。14日分。
9回目、気持ちは落ち着いているが、頭痛は以前のように戻ったとのこと。利水・去痰・去風薬の併用へ変更。
10回目、頭痛も気持ちの面も落ち着いているという。
素体には血虚があると考えられるため、今後は体質改善を目標に、徐々に補血にシフトしていこうと考えている。
考察:頭痛のきっかけが、低気圧、暖かい所から寒い所への移動、頭痛が起こった日の入浴後(入浴中は起こらない)であった。低気圧は水滞、寒い所は気滞か水滞、入浴後は冷え+水滞(?)と考えられるが、利水剤だけでは反応がよくなかった。外からのちょっとした刺激ですぐに頭痛が起こってしまうことから、頭風と考え、方剤を追加してうまく効いた。一旦、頭風の状態を解除することで、利水薬が効きやすくなるのかもしれない。