2021.1.18
第1波、第2波を大きく上回る感染者数となり、医療崩壊も懸念されている中、漢方薬局にできることは、免疫力向上によって感染を予防すること、中等症や重症へ進展するのを防ぐこと、後遺症を残さないことだと強く思います。
【感染予防】
感染しやすい体の状態は、必ずしも「体力低下」や「たまった疲れ」だけではありません。
昔から冷え症の方は、かぜから体を守る気(エネルギー)が不足しています。熱≒エネルギー≒気であるため、熱の不足は気の不足ととらえられます。この方は、体を温める生活習慣や漢方薬の服用をおすすめしています。特に内を冷やさないように、冷たい飲食物は避けることが重要です。
普段からかぜを引きやすかったり、温度変化で鼻水やくしゃみがすぐに出たりする方は、体表や気管の防御を担う肺の働きが低下しています。食べ物から作り出した気をしっかり肺へ送る漢方薬などをおすすめします。
食欲の低下や食べ過ぎるとすぐにお腹が張ったり便が緩くなる方は、砂糖などの甘いものや脂っこい肉を避け、自然の甘みを持つ穀類やいも類を食べたり、胃腸への負担をなくすために食べ過ぎを避けることが重要です。その上で、胃腸を元気にする漢方薬を服用することが感染予防に繋がります。
【重症化予防】
コロナは本来「かぜ」を引き起こすウイルスなので、初発症状はかぜと似ています。
その時点で漢方薬を服用することで、症状が進展する以前の段階で治癒に導くことができます。
かぜに対して、西洋医学では解熱剤や鎮咳薬といった、症状を抑える薬しかありませんが、東洋医学では免疫などの体の防御機能を鼓舞することで、重症化を防ぎます。
「発症初期に食い止めること」が鍵となるため、発症前から家に漢方薬を準備しておくことが大切です。
漢方薬をご購入の際は、使い方・服用するタイミングを詳しくお教えします。
コロナにかからなくても、家庭の常備薬にできる薬をご提案するため、決して無駄にはいたしません。
【後遺症予防】
新型コロナは軽症の場合の方が、後遺症が残りやすいとも言われています。
急性期を超えたあとは、血の流れをよくする漢方薬や、残った邪(感染初期の「邪」はウイルスも含むが、回復期には炎症や機能異常を引き起こす血中のサイトカインなどを指すと思われる)を排除する処方や、肺や脾(消化器)の気(機能)を高める漢方薬を服用します。
当店の常連の方がコロナ陽性になり自宅療養となった際は、症状をお聞きして重症化予防の薬をいくつか提案しました。
発症時の症状が軽く、体のだるさと連続して出る咳くらいでしたが、後遺症予防のため、本人のご希望に沿ってお薬を郵送し、今では後遺症なく仕事をされています。
もちろん、西洋薬を含めた全ての薬に言えることですが、同じ人、同じ条件で薬を服用した場合と服用していない場合を比べることはできませんので、この例を以て漢方薬が効いたとは必ずしも言えません。
しかし、西洋医学的なコロナ重症化の仕組みや漢方薬の研究結果なども踏まえて薬を選んでいるため、服用する価値は必ずあります。
感染を避けたい方、薬を備えておきたい方は一度お越しになってください。