エキス剤では効果が不十分な方はぜひ煎じ薬を。
「インスタントコーヒー」のエキス顆粒ではなく、「ドリップコーヒー」の煎じ薬を服用してみるのはいかがですか。
詳しくは【煎じ薬のすすめ・利点】をご覧ください。
十全大補湯について
気力・体力ともに低下し、さらに冷えを伴った人に適しています。術後の回復を早めたり、抗がん治療を併用する上で、副作用の防止にも使われます。
手術は出血を伴うため気血を消耗し、体の内部が外気と直接触れるため体の冷えをもたらします。
抗がん治療も手術と同様、体力を奪い、気血を大量に消費します。気血を大量に消費すれば、“がんは小さくなったけど、体がものすごくしんどい” 状態になりかねません。そのような場合に、十全大補湯が活躍します。
症状としては、全身の倦怠感が強い、疲れやすい、顔色が悪い、貧血やたちくらみがある、皮膚がカサカサする、手足が冷える、寝汗をかくなどの症状がある方に適しています。
【注意】体が全く冷えない方、体格の良い方、脈が強くしっかりしている方、舌が真っ赤な方、舌の苔が黄色く厚い方などは漢方の専門家に相談してから服用してください。
当店で煎じ薬に使う生薬はランクの高い生薬を使用しています。十全大補湯のうち、こだわりのある生薬の一部について説明いたします。
地黄はただ乾燥させたものではなく、蒸して乾燥したものを使います。乾燥させた地黄は体に潤いをもたらし、奥深くに潜む熱を取り去ります。蒸して乾燥した地黄は、「血」を増やし、体をつくる根本となる「精」を補充します。薬の種類によって使い分けますが、十全大補湯の場合、蒸して乾燥した地黄が適しています。さらに、場合によっては、酒で蒸して乾燥する工程を繰り返した、胃にもたれにくく血を補う作用も高い「九蒸九曝(くじょうくばく)」と呼ばれる地黄を使います。
当帰・芍薬は国産を使用しています。国産の当帰は甘みが強く、「血」を補充するちからが高くなっています。芍薬は血管内に水分を引き込み、血流をよくする手助けをしますが、国産の芍薬は酸味のある香りが強く、その作用が高くなっています。十全大補湯は、人参や黄耆によって脾気を高めて消化吸収の力を強くし、同時に、当帰・川弓・芍薬・地黄で「血」を作り出し流れも良くします。
白朮は和白朮ではなく唐白朮を使用しています。和白朮は脾気を補う作用があまりなく、不要な「水」を追い出す作用に長けています。実際に味を確かめてみても、和白朮は香りと苦みが強いですが、唐白朮は甘みがしっかりあります。漢方では、甘みは体に必要なものを補う作用があるとされているため、唐白朮を使用することで、十全大補湯が本来の目的に適った薬となります。