瓊玉膏は腎陰(体の水分、体の冷却水の役割がある物)や腎精(体を作る大元の材料、生命力の源)を補うお薬です。
老化の坂を緩やかにしたり、肺や肌を潤して空咳や乾燥肌、髪のパサつきを改善する効果があります。
薬理学的研究では、血糖値や血圧の低下、活性酸素除去、脳神経の保護などが証明されています。(『慢性病と漢方薬 牛黄清心元、瓊玉膏、双和湯 編』より)
【老化に関して】
漢方において老化による衰えは、「脾」(消化器)と「腎」(腎臓、ホルモンなどの役割;生命力はここに溜められる)の機能低下が重要な問題となります。
人は「先天の精」と「後天の精」をもとに活動します。「先天の精」は両親から受け継いだ生命力で、生きている限り減り続けます。「後天の精」は「脾」によって食べ物から作り出され、「先天の精」とともに「腎」に保管されます。腎に貯蔵されていることから、この2つの精を合わせて、「腎精」と呼びます。2つの「精」のうちどちらかが尽きると、体も脳も動かなくなり死に至ります。
「先天の精が尽きる」のが「寿命が尽きる」こと、「後天の精が尽きる」のが「餓死する」ことと置き換えると、わかりやすいと思います。瓊玉膏は「先天の精」を補充し、「後天の精」を作り出す「脾」を強くするため、老化のスピードを緩やかにする働きがあります。
瓊玉膏に含まれる生薬を詳しく見てみます。
ハチミツを除くと、一番多く含まれている生薬は地黄(じおう)です。瓊玉膏は地黄の搾り汁を三日三晩加熱し、精を補う作用を高めています。一般に使われる地黄は乾燥しただけのものですが、これは熱を去り、水を生む作用が強くなる一方、精を補う作用は少なくなる加工方法です。一般的な漢方薬の製剤は通常、乾燥した地黄を使用しています。その点、瓊玉膏はしっかりと加熱した地黄を使用することで、精を補い、老化の坂を緩やかにする作用が高いお薬です。
また近年、一般常識になりつつありますが、老人は肉を食べた方が長生きし、健康寿命も長くなると言われています。これは漢方の視点から見ると、当たらずとも遠からずで、肉を食べるから健康になるのではなく、肉を食べられるほど胃腸が強いから健康だと言えます。食べたものをちゃんと消化して、栄養を吸収できる胃腸を持っているおかげで、体が丈夫になります。
瓊玉膏には、朝鮮人参と茯苓の粉末が入っており、脾気を補う(胃腸を強くする)働きがあります。
脾気虚(消化吸収機能の低下)が強いと、疲れのせいで体がだるい、あまり食べられない、すぐ息切れするなどの症状が出ます。
人参は脾気を補い、元気をつけるには抜群の効果がある生薬です。
茯苓は正常な働きを阻害する脾の湿を穏やかに流して、脾を強くします。脾は湿に弱く、べったりしたもの(脂っこいものや甘いもの)の摂りすぎで、食欲低下や胃もたれを起こします。べったりした性質がある地黄、ハチミツを摂りすぎると、食欲がなくなるなどの悪影響が出てきます。茯苓は脾への副作用を予防し、正常に働くように整えてくれます。
ハチミツは、ビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖を多く含むため、腸内環境を整え、人参と一緒に胃腸にとってプラスに働きます。
人参、茯苓、ハチミツが「脾」を強くし、「後天の精」をしっかり作れる体にしてくれます。
人参が1日量10g中に含まれている人参末は0.28gなので、少ないように思われるかもしれませんが、人参0.28gから抽出したエキスではなく、生薬の粉末なので、少量でも効果があります。
瓊玉膏を続けることで、5年後、10年後には周りの方より、肉体的にも精神的にも活発で魅力的な人になれます。
ぜひ、たくさんの方に飲んでいただきたい漢方薬です。
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