https://halenova.com/blog/?p=4041の続き。
50代男性
主訴:指先が白く冷たくなる
現病歴:前にもらった薬を継続していたが、1日1回になったり、飲み忘れたりしていたところ、4月中旬に両手人差し指が真っ白になった。触れると冷たかった。
その他の症状・所見:汗はもともと出にくい。のぼせ(-)、寒気(-)全身では寒さを感じていない。食欲○、大便1日1回、硬軟特に問題なし。小便 色 回数 量○ カサカサ(-)、手のひらのほてり(-)、左下腿外側が数日に1回痒い。
舌:淡紅舌 白苔 やや厚 舌裏紅 舌下(-)。この時は舌は紫ではなかった。手全体が紫がかった暗赤色。
立位で右季肋部押さえるとやや痞え(+)
心窩部按じると痛みで声が出て顔をゆがめる
今回、寒さが和らいできてから発症したため、前回お渡しした当帰四逆加呉茱萸生姜湯の適応ではないかもしれないと一から考え直すことにした。脈の幅、強さから当帰四逆加呉茱萸生姜湯ではない。
湿熱によっても手足末端の冷えが起こりうるが、黄苔など湿熱の他の症状がなく、肌の色も違う。アルコールの量は多いので、もしかしたら湿熱もあるかもしれない程度に考えた。
脈が強く太いので、血は充分にあるが、先まで届かないと考えて、肝血ではなく肝気の問題と判断した。
管理職であり、部下には気持ちよく仕事ができるように気遣っているとのこと、みぞおちの強い痞えがあること、足の冷えもなく全体的に不足しているものはないと判断したことから大柴胡湯を選択。便秘ではないので念のため去大黄。
大柴胡湯去大黄に健婦丸を合わせて服用してもらう。
→7日後、「1日1回の服用になっているが、症状起こっていない。」とのこと。
5/10
「GW前に薬が無くなっていて、飲んでいなかった。2~3日前にまた白くなった。」
→やはり効果があったようす。継続して飲んでもらうように伝えた。
5/28
手の赤黒さが取れて血色がよくなっていた。
あれからは1度も症状が出ていないとのこと。
所感:肝鬱気滞が原因のレイノー症状だった。西洋医学の病名と漢方を結び付けてはいけないと改めて感じた。