20代女性
主訴:月経痛がひどく、生理時に寝込んでしまう
現病歴:月経前に胸の脹りがある。周期35~40日。期間5~7日。経血に塊あり。2日目が経血多いが、全体として経血量はあまり多くない。2日目に寝込むことが多い。
その他の症状:冷え性で、お腹も手足も冷えやすいが、疲れると夕方に手がほてる。疲れやすい。あまり多くは食べられない。ストレスが強い。ストレスでお腹が痛くなりやすい。顔は白っぽく、手は黄色い。舌はやや紅、白苔、胖大、紅点あり、舌下怒張(++)。
気滞血於が強く、そこへ冷えを伴っていると考え、弓帰調血飲第一加減を主に理気の方剤を組み合わせて薬をお渡しした。
次の生理後、日々の疲れやすさは取れたが、やはり、生理の多い日は痛みが強く、体がだるくなるとのこと。その後、駆於血の薬や理気の薬を変更しても、やはりよくならない。
改めて考え直して、皮膚の色、ぽちゃっとした肌、舌から、水滞が中心にあると考え、当帰芍薬散(芍薬と沢瀉の割合が多い散剤)を主に、紅参を加え、脈と手のほてりから六味丸を少し加えてお渡しした。
次の生理時には、寝込むことなく、仕事へ行けた。その前後でも1日中寝込むことがなかった。また、40日を超えていた周期が35日になったとのこと。
2ヶ月ほど続けて、徐々に減らしていきましょうとお話しした。
所感:於血と水滞を合併している場合、於血より水滞に比重を置いて治療した方がよいのかもしれない。血虚と水滞、脾虚と水滞を合併している場合、水滞を先に治療するか、もしくは水滞の比重を多めに方剤を考えた方がうまくいくように感じる。水滞は補剤の邪魔をしたり、気血の通り道を阻むことが多いと感じる。
ただ単に、水滞が強めのお客さんが平均より多く来店するだけなのかもしれないけれど。
※文字化け防止のために、「病だれ+於」を「於」に、「草かんむり+弓」を「弓」に置き換えています。