5歳男児
主訴:鼻やのどを鳴らす、まばたきをよくする、舌を出す
現病歴:幼稚園の行事があってからみられるようになった。人前に出るのは苦手。
その他の症状・所見:イライラしやすい(+)、幼稚園に送って別れるときに不安そう。じっとしないといけないときはじっとできる。症状が出始めてから便秘気味で2~3日に1回。食べるのに時間がかかる(-)。あくびをよくする(-)。寝言が多い(-)。寝付きが悪い。肩井の圧痛(±)。突発的な腹痛(-)。おならが多い。舌:淡紅舌、薄白苔。
きっかけ、イライラしやすい性格から抑肝散を10日分お渡しした。
10日後、「はっきりとした効果なし。飲み始めは便通がよかったが、また便秘。」とのこと。どちらか迷っていた小柴胡湯を主薬として少し薬を足してお渡しした。
その10日後、「薬が効いている。同じものが欲しい。」10日分お渡しした。
さらに10日後「舌を出すのはほぼなくなった。疲れた時に目をパチパチさせるくらいだけになった。」とのこと。だんだん減らしていってもいいことを伝えてお渡しした。
所感:抑肝散か小柴胡湯か決めかねた。お子さんのため、直接問診もできず、また、お腹も座位でしか触らせてもらえず、どうしようか迷った。どうしても、こちらがダメならこちらという渡し方しかできなかった。よい鑑別点を見つけ出さなくてはいけない。