40代女性
主訴:新型コロナウイルス感染症
症例①のご家族。普段からお薬をお渡ししている方。
数日前から喉がイガイガしたり、微熱があったが、家族の看病をしていた。体温36.4~37.4℃ 咳(+)、痰(+)黄白色。声は元気。コロナ検査陽性。
→柴葛解肌湯1日1包
翌日、体温36.8~37.5℃。冷たい梨を食べておいしかった。薬は必要?と連絡あり。
→コロナなので、早めに手を打った方がよいと思うと答えて柴葛解肌湯1日1包
その3日後、38.4℃ 昼にカロナール服用。初めは夕方~夜に熱が上がっていたが、昨日、今日は一日中発熱。不眠(+)おとといは全く眠れていない。痰(+)、咳(+)頭痛を伴う。便黒い、乾燥(±)。ごはんを食べていないので出たりでなかったり。汗(+)、尿赤褐色1日3回。冷たいもの欲しいと思わないが、朝に食べた冷たいゼリーはおいしかった。口渇(+)かなり渇いている。飲水量1~1.5L。口苦(-)マヌカハニーでさっぱりしている。舌はやや暗色。白い苔がみっしり。舌の乾燥±。体が重だるい(+)。声に力がない。
→湿≦熱、営分に邪が入りかけている。白虎加蒼朮湯を主にするのがよいと考え、白虎加人参湯エキス剤に手を加えて薬をお渡しした。
後日連絡があった。その日に2回服用し、体温が39.5℃、高熱だが頭痛(-)。次の日、体温37.4。朝に服用。熱はないが頭痛(+)。36.7℃に下がった。昼には解熱したが薬を服用し、もどした。その後は服用しなかった。とのこと。
初めはご家族の看病ができるくらい元気だったので、こちらもご本人も油断していた。
柴葛解肌湯は筋肉痛や関節の痛み、頭痛などの表証がないと効果がかなり薄れるのかもしれない。加えて、1日1包では少なすぎたようにも思う。
病勢の強い急性感染症では、毎日、最低でも2日に1回、電話で症状をお聞きしながら薬を決めないと非常に難しいと改めて思った。