アトピー性皮膚炎は、新薬がたくさん出て、現代医学でも症状が出ていない状態を維持することはできるようになりました。
しかし、以前にもお話したように、まだ根本治療ができる所までは至っていません。
根本治療でまず取り掛かるのは食生活です。アトピーの原因を体内にどんどん入れながらでは、根治するのはかなり難しいです。
例えば、朝昼晩3食ともカップラーメンやパン、出来合いの弁当などを食べている場合、根本治療はほとんど不可能です。
完全ではなくても、ある程度気を付けた食生活をした上で、そこへ、体質改善のための漢方薬を服用することで根本治療を目指します。
食事は非常に重要で、実際、食事だけで寛解を維持できる方はいらっしゃいます。
ある方は、体だけでなく首や耳の後ろ、額まで出ていたのが、漢方薬に頼らず、2年間食養生をしっかりなさって、全く正常な肌に戻りました。その後、数年はその状態を維持していたのですが、治ったと油断して、食生活が乱れ始めると、徐々に症状が出てきました。
ストレスもあり、週に5～6回、お酒を飲むようになり、以前のようにひどい状態になりました。漢方薬を服用し始めましたが、なかなか症状が治まらないため、再び、食生活の改善に取り組み、だんだんと改善していきました。お酒を服用してはまた悪化するのを繰り返していましたが、今では、お酒を週に数日服用しても問題ないところまで回復してきました。
根本治療は、症状が悪化している時期よりも、症状が治まっている時期が大切です。症状が悪化しているときに根本治療に使用する薬を使うと、さらに悪化することがよくあるため、症状が治まってから、じっくり腰を据えて体質改善をしていきます。
体質改善のお薬を服用中も、季節・気候や、舌、脈、他に現れる体の症状の変化を手がかりに、現在の薬が正しいか常に考えながら、一緒にゴールを目指していきます。
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