50代女性
主訴:慢性胃炎・逆流性食道炎
現病歴:胃カメラで指摘された。自分ではストレスが関係しているように思う。食欲低下(+)、食後にみぞおちの痛み(+)、のどが灼ける感じ(-)、肉で胃もたれ(±)。市販薬を服用すると楽にはなるが、飲まなくなり、また痛む。
その他の症状・所見:やせ型だが、声は力がある。食事量は少ない、便は1日1回ゆるい方。睡眠は中途覚醒多い、1週間に1度は寝付きが悪い。口渇(+)。咳(-)。お腹の冷え(-)。腹部動悸(-)。水分摂取が多いので尿量多い。
逆流性食道炎は西洋薬を服用していて症状がないようだが、既往があるので枳実、さらに、気滞の痛みに芍薬が必要と考え、本人曰くストレスのせいとのことから、柴胡疏肝湯を少し。そこに、虚証用の柴胡剤と、声が元気で口渇があり、睡眠障害もあるので黄連を加えた。
14日後、胃が痛むことがほとんどなくなったとのこと。同じ薬を14日分。
さらに14日後。痛みはないが、もう少し続けたいとのこと。28日分をお渡しした。
所感:枳実は消化管の蠕動運動を亢進し、逆向きに動いている場合は正常な方向、つまり下向きに変えてくれる。芍薬は胃腸のけいれん性の痛みや、枳実の行き過ぎを抑えてくれる。ストレスの絡む胃腸の気滞症状には、少量の柴胡疏肝湯を加えることが多い。