50代女性
主訴:潰瘍性大腸炎
現病歴:2年前に診断された。それまでも出血していたが痔だと思っていた。今はアサコールとビオスリーで寛解。血液検査に異常なし。肉眼的血便(-)だが、医師からは「潜血があると思う」と言われている。便は朝に2~3回、昼食後はお腹がゴロゴロ鳴り、何度もトイレに行く。夕方くらいに少し落ち着く。夕食後は行ったり行かなかったり。夜中は2回ほど。便の匂い(+)。排便後に疲れる、肛門にヒリヒリした痛みがある。
その他の症状・所見:寝汗時々べったりとかく。一日中疲労感あり。落ち込みやすい、ストレスを感じる。夜間排尿2回。喜冷飲(+)。髪は30代半ばで白髪がかなり増えた、パサついて細くなった、抜けやすい。お腹が冷えるため、腹巻とカイロをしている。淡白舌、白苔。
標治に参苓白朮散+四逆散料。本治に六味丸。11日分お渡しした。
11日後、昼食後の便の回数、ガス感減った。便は細いが形があることが増えてきた。有形便だと匂いもなく疲れることもない。尿の回数が減った。とのこと。同じ方剤14日分。
14日後、またトイレの回数が増えた。初回よりは悪くはない。夜間のトイレは1回になった。15時から寝るまでに5~6回はトイレに行く。お腹の張りはない。便は形がないと匂いが強い。とのこと。参苓白朮散+半夏瀉心湯、六味丸+健康丸に変更して21日分。
21日後、全体的にいい感じ。ガス感が減り、あせってトイレに行くことが減った。外出時は病院でもらったロペラミドを頓服で飲んでいたが、回数が減った。とのこと。六味丸と健康丸のバランスを変更。
その後、香砂養胃湯などを用い、数週間後、すごく調子がよいと本人が仰るまで改善、次は朝の便通の改善を目指してお薬を一緒に考えている。
所感:アサコールで血液や粘液が肉眼で見えないような便になっていたので、参苓白朮散でも問題なかったのだと思う。
本当は健康丸より鹿茸製剤がいいように感じるが、予算の関係で使用できていない。
潰瘍性大腸炎に対しては、理気薬が入っている方がよいように感じる。
潰瘍性大腸炎の治療についてはこちら↓
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※文字化け防止のために「艸+霍」を「霍」に置き換えています。