30代女性
主訴:胸やけ、のどのつまり
現病歴:2018年に発症。初めは逆流性食道炎に悪い食べ物(アルコール、刺激物、乳製品)で胃痛や吐き気が出てきた。タケキャブを処方されて症状マシに。現在、特に思い当たるものはなくても、胸やけ、のどのつまり、吐き気が出る。灼熱感(-)、痛み(-)。朝食後数時間くらいから症状が出て、夕方まで続く。
その他の症状・所見:会社でのストレス大。疲れやすい。冷え症手足、お尻。頭汗(+)、寝汗(+)。下痢ぎみ、便の匂いが強い。残便感(+)。食欲あり。水分摂取量2L/日。夏でも温かい飲み物が好き。寝付きはよい。口苦(+)。朝に口がねばつく(+)。のどがつまる感じ(+)。きつい服が苦手(+)。動悸(+)。腹鳴(-)。生理の不調から、十全大補湯を4カ月ほど服用しているとのこと。右関脈やや弱い、やや弦、少し数。左関脈やや沈、細、やや弦、弱め。紅舌、舌尖紅、黄膩苔、滑苔。
半夏と枳実が必要。黄連も少しだけ。冷えや体格、下痢ぎみなのにも考慮して、その3つの生薬を含む薬をつくり、煎じパック希望だったのでパックして7日分。十全大補湯は生理前後以外は中止。
7日後、かなり楽になった。下痢もないが、それは生理前だからかもしれない。とのこと。煎じパック14日分お渡し。
14日後、生理終わったが下痢はなく、便通よい、十全大補湯は中止している、また生理中だけ服用する、まだ少しのどが詰まっている感じがするので、同じ薬希望。煎じパック14日分お渡し。
次は、枳実を含む粉末の薬に切り替えて、徐々に減らしていってもらおうと予定している。
所感:逆流性食道炎は、胃の寒熱、脾胃の強さ、吐き気の有無などを考慮して、薬を決める。
今回の場合、原因の1つはストレスだと思われる。ストレスを受け流せる考え方にしてもらうことが大事。
もう1つの原因は、十全大補湯。話を聞くと、処方した治療者が、舌も診ずに薬を渡していたらしい。普通なら、症状が治まっている時点で、中止に向けて考えないといけない。さらに、十全大補湯が適している要素が全くない舌になるまで、ずっと放置して渡していたことが疑問。ちゃんとしてほしい。