40代女性
主訴:かぜの後の咳
現病歴:1週間前にのど痛からかぜをひいた。コロナ陰性。その後発熱、頭痛。ロキソニンとフスコデをもらったが、フスコデは眠くなるので中止した。4日前、咳と鼻水が残っていた。今日は鼻水は少しマシ。咳は出だすと出る。のどが痒く、イガイガする。鼻をかむと少し楽になる。のどの乾燥感(+)、張り付いて乾いている。痰はからむがあまり出ない、へばりついている。咳は夜にひどくなる、入浴後から布団に入る前まで。朝起きた時と寝る直前に咳が出やすい。麻杏甘石湯と半夏厚朴湯をもらったが、あまり効果がなかった。
その他の症状・所見:食欲正常。便通はもとから便秘気味。睡眠はもとからよくなく、以前と変わりなし。朝の口の粘り(+)。口苦(+)。舌紅絳、裂紋、奥に黄膩苔。舌尖紅(-)。右寸脈は左と同程度、右関脈弱め。左関脈細弱。
熱はあるが、邪はない。陰虚による乾燥。麻杏甘石湯は不要。半夏厚朴湯は少し要る。滋陰降火湯と半夏厚朴湯を組み合わせて3日分。
3日後、まだのどが張り付く感じがあるが、乾燥感は少しマシ。鼻水は結構出ている、透明で粘っこい。朝起きてからえずくほどの咳が出る。息は最後まで吸える。とのこと。越婢加半夏湯を朝に服用、味麦地黄丸を夕に服用してもらう。3日分お渡し。
3日後、昨日は朝から昼まで鼻水も出ず、調子がよかった。ただ、夜にすごく咳が出た。たまにイガイガする。とのこと。同じお薬を3日分。
3日後、かなり良くなった。とのことなので、終了。
所感:肺陰虚より腎陰虚の方が強かったせいで、滋陰降火湯では力不足だったと考えた。
舌の奥に黄膩苔があるのに腎陰虚。紅絳舌と裂紋から陰虚と考えたらよいか。苔はあまり考慮すべきではない症例。