50代男性
主訴:体のだるさ・睡眠障害
現病歴:
どちらも1~2年前から症状があり、きっかけは思い当たらない。同時期に発症。
体のだるさは、朝(+)、昼は食事で(+)、夕方から夜は朝よりマシ。平日と休日で変化なし。季節での変化なし。
睡眠障害は、寝つきよいが、途中で起きて1時間以上眠れない。7時に起床。中途覚醒は3日/週。眠前の食事や飲酒(-)。物音で起きる(+)。胸悶(-)、煩躁(-)。仕事のことなど、いろんなことを考えてしまう。
その他の症状・所見:
血圧高め。易怒(-)、臍傍悸(-)。食欲○、量○、泥状便(+)、胸やけ(-)、乗り物酔い(-)。飲酒2~3回/週。口渇(+)、1L/日、喜温飲。汗は頭や首に多い。手掌発汗(-)。手足の冷え(-)、お腹の冷え(+)。ガスたまりやすい(-)。イライラたまに(+)、抑うつ(-)。梅核気(-)。目が疲れやすい(+)1日中しょぼしょぼする、やや充血。爪やや薄い、こむら返り(-)。表情がこわばり、目は力があるが、輝きがない。
右関脈やや緩、有力、左関脈弦、有力。舌は淡紅、歯痕、黄苔、滑苔。
肝血虚、心血虚とやや肝鬱気滞。補血、疏肝解鬱の薬を10日分。
10日後、少しマシな感じ。ぼーっとするのが減り、体のだるさも減ったように感じる。睡眠に関しては、1時間以上眠れなかったのが30~40分で眠れる。まだ、途中で起きるのは3日/週で変わりなし。同じお薬を14日分。
14日後、調子が良い。とのこと。同じお薬を14日分。
その後、1日1~2包で調子がよく、徐々に減量した。
今では調子が悪くなったとき、忘れたころに取りに来られる。
所感:単純な気滞の症状がなく、若干の肝鬱気滞。熱症状はほぼなく、肝鬱化火にはなっていない。冷えの症状が多いため、加味逍遙散は不適。生薬の粉末のみの逍遙散の製剤を服用してもらった。