60代女性
主訴:経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)の副作用防止
現病歴:
2か月ほど前に突然血尿が出て病院受診。早期がんの疑い。2週間後に上記の手術を受けた。術後は激痛だった。これから、BCG注入療法をするが、膀胱炎など副作用が起きないようにしたい。
現在、日中は2時間ごとにトイレ、夜間も3時間ごとにトイレへいく。排尿痛は少し。血尿は見た目にはないが、尿検査で潜血(2+)。残尿感(-)。
その他の症状・所見:食欲○、水分摂取1.2~1.5L/日。酒・タバコ(-)。腰膝酸軟(-)。便通1日1回、便秘・下痢(-)。イライラ(-)、肩こり(-)。
症状もない内から、清熱作用の強いものを使用したくないため、清熱作用が弱めの薬と、手術痕の組織の修復を早めるために補血の薬を合わせて5日分。
2回目。BCG注入療法が始まり、施術の次の日は軽い痛みがあり、20~30分ほどでトイレに行き、眠れなかった。2日後には痛みがなく頻尿は落ち着き、以前の2時間に1回に戻った。尿検査では潜血(+)、肉眼的には(-)。血液検査でCRPが基準値以上だった。とのこと。自覚症状はほぼないが、CRPが高いのが気になるとのことなので、清熱作用が少し強いものを次回の施術後に服用してもらうように変更。6日分。
3回目。BCG注入療法の2回目、3回目終了。今回は施術後も20~30分ごとのトイレはなかった。夜間に3時間ごとに起きるがひどい頻尿はない。尿検査で潜血(+)、白血球(+)。とのこと。調子が良いようなので同じ薬。
4回目。BCG注入療法すべて終了。以後は定期的に検査予定。頻尿に関しては、現在昼は2時間おき、夜は5~6時間眠れている、1回起きる程度。違和感(-)、排尿痛(-)、体の冷え(-)、下半身の冷え(-)、ほてり(-)、手足のほてりも(-)。倦怠感(-)、食欲○とのこと。切除後の組織の回復とがん予防目的に切り替え、28日分。
その後、薬を加減しながら半年ほど続け、調子がよいのでお話しして一旦終了となった。
所感:組織修復には補血と考えたがその後の頻尿の度合いからもその点は良かったと思われる。本人の膀胱炎を起こしたくないという希望には、検査結果も参考に適宜清熱薬を服用してもらったことから上手く対処できたのではないかと考える。初回はさほど清熱作用が強くないものにしたが、手術の内容や経過によっては強い清熱作用のある薬を使うことも必要だと考えさせられた。