回春仙は、13種類の生薬を配合しており、気(≒エネルギー)や陰(≒機能の亢進しすぎを抑えるもの)などをバランスよく補充できる漢方薬です。
1丸が小さいため服用しやすく、瓶も小さいので持ち運びやすいのが特徴です。
症状があるときに服用する、頓服薬としてとても便利な漢方薬です。
今回は、動悸・息切れに対する効果についてお話します。
動悸が起こるメカニズムはいろいろあります。
心臓のポンプ作用が低下すると、1回で送り出す血液の量が減り、量を回数でカバーしようとするため、動悸が起こります。
自律神経のバランスが崩れ、相対的に交感神経の働きが強くなっても、動悸が起こります。
また、息切れが起こるメカニズムにもいろいろあります。
血液の流れが悪くなると、全身に酸素が届かなくなるため、呼吸ができている(肺には問題がない)のに、息切れしたり息苦しさを感じます。
回春仙の主役となるのは蟾酥(せんそ)という生薬です。
蟾酥は、心臓のポンプ作用を強くして、自律神経を整えるはたらきがあります。また、呼吸に関わる神経を興奮させるはたらきや、ポンプ作用を強くすることで全身の血流をよくするはたらきがあります。
蟾酥を含む回春仙を服用することで、心臓がしっかりと血液を送り出せるようになり、自律神経が整うと、心拍数が安定し、息切れが改善します。
少し詳しいお話。
蟾酥は心臓のポンプ作用を強くしますが、心臓への負担が少ない(心筋の酸素消費量が上がらない)ため、安全に使用できる成分です。
回春仙には、蟾酥以外にも、人参(にんじん;いわゆる朝鮮人参)や山薬(さんやく)、枸杞子(くこし)、何首烏(かしゅう)、イカリソウなど滋養強壮の生薬が多く含まれており、長期に服用してもよい薬になっています。
ただ、1つ注意点があります。噛んで服用してはいけません。
蟾酥が舌に触れるとしびれるため、飲み込んで服用してください。
(万が一噛んでしまって舌がしびれても、しばらくすると治ります)
回春仙は即効性があり、小さくて携帯しやすいお薬です。
動悸・息切れには、常にカバンの中に入れておいて、いざというときに使えるようにしてください。