40代男性
主訴： コロナ後の体のだるさ、痰、喉のイガイガ
現病歴：
午前中は動けるが、午後からしんどくなる。体を動かした後や、仕事に集中するとだるくなる。昼食後は眠たい。夕方も時に寝たい。休日も不変。
咳はでないが、痰が出る。透明で粘っこい。たまにのどにへばりついている。
のどのイガイガは朝はマシで夕方になるにつれて悪化。
コロナは1ヶ月前になった。初めは強い寒気、発熱37.5℃、水様便2～3日。その3日後に強いのど痛。さらに4日後に痰、咳だけ残った。
その他の症状・所見：
足が冷えやすい。喜温飲。花粉症(＋)。胸やお腹に汗が多い。小便12～13回、量はそこそこ出る。便通1日1回、柔らかめ。食欲あるが、空腹感（±）。コロナ後は少し食欲落ちたが、今はコロナ前と同じくらい食べられている。右の季肋部重い。睡眠問題なし。高音の耳鳴り(＋)。のどが詰まる感じ(＋)。爪が割れやすい。
舌淡紅～紅、胖大、滑苔、微黄膩苔、舌下静脈怒張(＋)。脈右寸左よりも弱めだが、力はある 右関やや弦、やや浮、有力 右尺太さ力○ 左寸沈 左関弦(－)、沈、大、有力 左尺脈太さ力○
経過
湿＋熱のかぜにやられて、その後、湿が脾に残り、運化を阻害していると判断。荷葉や枇杷葉など、肺脾の余邪をとる薬を主として、脾気を高める薬を少し。 10日間。
10日後、だるさは服用開始2日目にやや減、4日目以降は(－)。とのこと。
のどのイガイガはほぼ(－)。痰は変わらず。のどのへばりつき(＋)、透明で粘っこい、咳(－)、日によって差があり、ストレスの影響(－)、乾燥感(－)、量少。舌紅、胖大、ほぼ無苔、滑苔。
肺の熱を取り、潤す薬と痰を切る薬を12日分。
12日後、痰もほとんど気にならなくなった。とのこと。
所感：
舌と脈をみるまでは、脾気を補う薬のみで良いかと思ったが、舌は紅いし、脈も有力なので、方向転換した。体がだるいからって何でも補気で解決するわけもなく、その症状に至った流れが大事。
