アトピー性皮膚炎について

 アトピー性皮膚炎は乳児期は頭や顔に多く、成長につれて体幹や手足の関節部分の乾燥が目立つようになります。思春期以降になると顔や肩など上半身全体に湿疹ができやすくなります。

 というのが、一般的な説明ですが、実際には年齢によっても、人によっても起こる症状は様々です。
 一様に「アトピーにはこの薬」といったものはなく、その人に合わせたお薬を考えてお渡しします。

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 アトピー性皮膚炎はダニやハウスダストなど、外からのアレルギー物質によって起こることもあれば、湿をうまく排泄できない体質、血のめぐりが悪い体質など、身体の内が原因で起こることもあります。
 肌は乾燥していても、体の中に痰湿(はたらきを失った水)が溜まっていることが少なくありません。また、余分な熱も溜まり、その熱が肌を乾燥させていたりします。
 漢方薬でその水の偏在を正し、余分な熱を取り除き、肌が正常に生まれ変わりやすい体質をつくります。

 症状のある個所がジュクジュクしていないか、体のどの部位にあるのか、赤みの強さや触った時の熱感などを見ます。できれば、症状がある部分を見せられる服装で来てください。

 ※舌診や脈診は全身状態を把握するために重要なため、欠かせません。特に、舌診は方剤が適しているかどうかを判断するのに重要です。症状の変化が乏しくても舌が変わる事もあり、治療方針の決定に役立ちます。
 来店される方は、来店前の2時間ほどはコーヒーや紅茶など、色の付く飲み物を飲まずに来てください。また、食事でも苔が変化するため、2時間ほどは食事にも気を付けていただけると、非常に助かります。

 もちろん、肌の調子が良くなることで方剤が適しているかを判断できますが、上に書いた通り、舌でも判断します。写真をとって、相談者の方と一緒に今の体の状態を確認し、これからどうしていくかをお話しします。
 肌が悪化したのを、「毒が出ている」「良くなる前の反応」などと言われることがありますが、アトピーの漢方治療に限って言えば、それはないと思います。悪化した場合、原因となった方剤を中止し、悪化したことで得られた手がかりから次からの方針を決めます。
 大まかな方針が決定するまで、初めのうちは5日間や7日間間隔で来店してもらい、繰り返し肌と体の状態を観察していくことが重要です。

 ご本人の自分の症状や体に対して、細かく観察し変化を報告してくださると、方剤が決定しやすくなります。
 アトピーはまかせきりにして治すのではなく、相談をする側とされる側が一緒になって治していくものです。


 アトピーは強い痒みや人目に付きやすいことから、ご本人は苦しんでいらっしゃると思います。
 自身もアトピー患者のスタッフが対応いたします。一度ご相談ください。

アトピーに関するその他の記事はこちら↓
https://halenova.com/blog/?s=%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%BC

漢方薬局ハレノヴァ

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症状・病気別漢方

症例

老人必用養草19(老人の疾病治療について4 痰・頻尿)

香月牛山

引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。

今日は老人の痰・頻尿に関する部分の続きを抜粋して読んでみます。

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老人必用養草18(老人の疾病治療について3 便秘)

香月牛山

引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。

今日は老人の便秘に関する部分の続きを抜粋して読んでみます。

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胃の不調

40代女性
主訴:胃の不調

現病歴:
 最近、胃の調子が悪い。やや吐き気(+)。ストレス多い。みぞおちの痛み(+)。

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顔の赤み

50代男性
主訴:顔の赤み

現病歴:
 1年前に、赤みがこめかみから始まり、今は頬まで広がっている。皮膚科でステロイド処方された。ストロイドを間違った使い方をして赤みが広がった。診断はステロイド性酒さ。別の塗り薬を処方された。
 顔が熱っぽい。濡れたタオルを当てている。痒み(+)。前は寝るときも痒かったが、今は薬で↓。風呂、朝、お酒で悪化。改善は特になし。

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ゴールデンウィーク営業日(2025)のお知らせ

8月のたぬき

ゴールデンウィークはカレンダー通りに営業いたします。

休業日:2025年4月27日(日)、29日(火)、5月3日(日)~6日(火)
営業日:2025年4月28日(月)、4月30日(水)~5月2日(金)

期間中、メールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は翌営業日以降となります。
また、休業日はオンラインショップの発送業務も停止いたしますので、予めご了承ください。

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願い申し上げます。

花粉症・鼻炎にはクマザサがおすすめ(インペアードパフォーマンス予防に)

クマザサ6

「インペアードパフォーマンス」という言葉をご存じですか。
自覚しないうちに、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬によって、頭の働きが落ちている状態です。
古くからある抗ヒスタミン薬は、効きがいいのですが、その分、脳の覚醒度も落としてしまいます。例えば、d-クロルフェニラミン2㎎を服用すると、ウイスキーのハーフショットを飲んだのと同じくらいパフォーマンスが落ちると言われています。
比較的新しい抗アレルギー薬は、そこまでではありませんが、多かれ少なかれ影響があります。

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胸部の締め付け感

50代女性
主訴:胸が苦しい

現病歴:
 数年前からストレスが増え、初めは起床後に胸に不快感があった。その後、のどの痞えが生じて、去年からはのどの締め付け感もある。現在は、のどから胸にかけて苦しく、こわばっている。呼吸もしづらい。
 西洋薬、漢方薬(半夏厚朴湯、加味逍遙散、香蘇散などその他多種)をいろいろと試したが改善せず、悪化している。
 ストレス時に顕著に悪化する。体のストレッチをすると軽減する。

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私は花粉症への道をどれくらい進んでいるのだろう

クマザサ6

今年も嫌な花粉の季節が始まりました。
私は花粉症ではないのですが、いつ発症するかびくびくしながら、毎年過ごしています。

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子宮筋腫

40代女性
主訴:子宮筋腫

現病歴:
 多発性子宮筋腫。大きなものは触るとわかる。圧迫感、腹脹がある。
 手術を勧められたが断った。ホルモン剤は副作用で中止。

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下痢と腹痛

60代女性
主訴:下痢と腹痛

現病歴:
 初冬。原因はわからないが、今月2回下痢をした。その後、便秘、兎糞状、残便感あり、便意があるが出ない。今までも疲れて下痢をして、その後便秘することがあった。腹痛なし、4日出ていないが、腹脹や腹満なし。左腹部不快感。腸蠕動亢進なし。腹鳴なし。吐き気なし。ガスが出るが、出ても楽にならない。お風呂に入っても楽にならない。

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親知らず抜歯後の痛み

20代女性
主訴:抜歯後の痛み

現病歴:7日前に親知らずの抜歯をした。数日してから痛みが出だした。今日はずっと痛い。痛み止めを飲むと、少し楽になる。抗菌薬は処方されていない。

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年末年始休業日のお知らせ(2024~25年)

2015門松

2024.12.2(月)

漢方薬局ハレノヴァの年末年始休業日をお知らせいたします。

年末年始休業期間:2024年12月29日(日)~2023年1月5日(日)

期間中、メールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は2023年1月6日(月)以降となります。
また、休業期間中はオンラインショップの発送業務も停止いたしますので、予めご了承ください。

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願い申し上げます。

頭がぼーっとする

20代女性
主訴:頭がぼーっとする

現病歴:
 昨日から、頭がぼーっとする。今日は特にひどい。頭に熱感がある。少し頭痛がある。
 

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アトピー性皮膚炎について②

アトピーの治療で「本当は冷えによって起こっている」「身体の内側は冷えているから温めないといけない」が、好きな人が多いなあと思います。
熱症状と思える炎症が、実際は冷えで起こっているのだと言うと、逆説的で、それが今までの考え方をひっくり返してくれて、袋小路に入り込んだ思考に新たな抜け道を与えてくれるようで、飛びつきたくなるのでしょうか。
治療者も、患者も心地いいのかもしれません。
ただ、冷えが悪いのは、そこから巡りが悪くなるからであって、炎症がある直接(根本ではなく)の原因は気血津液の滞りだと考えます。
いずれは温める薬が必要であったとしても、今の肌の状態を考慮しないといけません。

少なくとも炎症が強い時は、強く温める生薬を使わない方が、無難です。どうしてもという時に、いろいろと組み合わせながら、慎重に使います。
局所の熱症状がある時に、強く温める薬を使うと、大体、悪化してるように感じます。
体が冷えている場合、熱症状がある程度取れてから、少しずつ温めていくのが一番良いのではないかと思います。

※文字化け防止のために「艸+弓」を「弓」に置き換えています。

めまい

20代女性
主訴:めまい

現病歴:
 1年前からめまいがあり、最近は頻繁にある。昼に症状強く、夜はマシ。生理中に症状強い。生理前から期間中はずっとある。動けなくなることもある。寝不足で悪化し、動悸も伴う。曇天時悪化し、体のだるさも伴う。季節での変化(-)。季節の変わり目(+)。空腹時とその後食べた時にも悪化。グルグルしためまいと血の気がひくめまいどちらもある。
 

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