20代男性
主訴:陰部に違和感、ムズムズがある
現病歴:2年前に症状が出始めた。慢性前立腺炎と診断されている。抗菌薬無効。八味地黄丸、セルニルトン無効。痛み(-)。夏や温かい所ではマシ。以前はコーヒー、アルコールで悪化していたが、今は避けている。疲れでの悪化(±)。夕方から夜にかけて悪化。風呂上りも症状がある。
その他の症状・所見:手足の冷え症。冷房やガスが溜まってきた時に腹痛(+)。喜冷飲(-)。尿の色不明、勢いはある。朝起きたときに尿が溜まっている感じがある。排尿2~3回/日。水分摂取500mL/日。体のだるさ(-)。食欲(+)。食後のだるさ・眠気(-)。下痢(-)。頭痛(-)。のぼせ(-)。イライラ(-)。ストレスなし。心下痞(-)。胸脇苦満(+)だが自覚なし。臍上方1寸と左1寸に圧痛。右寸脈沈、関脈太く有力。渋。左関脈有力、弦(-)。淡紅舌、薄白苔、滑苔、歯痕、舌下静脈怒張(+)。
於血として、血府逐於丸を10日分お渡しした。
2回目、「改善しているような気もするが、はっきりわからない。下痢にはなっていない。」とのこと。血府逐於丸を減量し、牡丹皮を含む薬を加えて10日分お渡しした。
3回目、「服用2日目から効果を実感しだした。以前の症状が10なら、今は1くらい。まだ、疲れた時などに症状が出るように感じる。」とのこと。さらに10日分お渡しした。今後、症状がほとんどなくなってからも、少しの間服用し、徐々に減らす方が再発しにくいことを説明した。
所感:明らかな於血。手足の冷えと胸脇苦満から駆於血剤として血府逐於丸を選択したが、無効だった。そこで、牡丹皮を含まない血府逐於丸を減量して牡丹皮を含む薬を加え、奏効した。
血府逐於丸では取れる於血の場所が違ったか。そう考えると、少腹逐於湯では効果があったのだろうか。
泌尿器なので、やはり、肝経に入り、かつ清熱作用のある牡丹皮が必要だったと思う。
※文字化け防止のために「病だれ+於」を「於」に置き換えています。
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