2020.11.7
前回、【新型コロナ後遺症と漢方①】で、急性期を超えた後は、漢方の出番であることをお話ししました。
30代女性
主訴:生理時の不調、体質改善
現病歴:2年前に子宮筋腫と診断されたが、今のところ手術は不要。多嚢胞性卵巣。
月経周期26~36日、期間2~3日、経血は黒っぽく、塊(+)。生理前には眠気、食欲増進、イライラ、頭痛、肩こりなどがある。
花粉症(+)、朝の方が倦怠感が強い、便通2日に1回、残便感(+)、就寝時間24~25時、睡眠時間7時間、頭痛(+)、口渇(+)、首肩の凝り(+)
30代男性
主訴:アトピー性皮膚炎
現病歴:数か月前、秋ごろからアトピーが悪化し始めた。小さい時にアトピーがあったが、中学生のころに治った。24歳ごろに再発し、かなりひどかった。その頃、漢方薬を数か月もらったが、効果がなく、食生活の改善を徹底して治癒した。3年ほど前からまた症状が出始め、憎悪と寛解を繰り返していた。
その他の所見:肌はカサカサして赤みが強い。触ると熱い。冷え症で手足が冷たい。冬になると、かじかむ事が多い。甘いものを空腹時に食べると胃がもたれやすい。痰が絡みやすい。夏以外は喉が渇かないのであまり水分を摂らない。甘いものが好き。飲酒5日/週。白黄苔、滑苔、やや暗紫色、舌下静脈怒張(+)
50代女性
主訴:高血圧・過緊張
現病歴:検診で前から血圧が高めと言われていたが、今月、170~180くらいまで上がり、薬を飲んだ方がよいと言われた。よく歯を食いしばり、常に緊張しているように感じる。寝ているときにも緊張しているように感じる。起床時に力が入っていてスッキリしない。
その他の所見:精神的にも常に緊張している。夢は時々見る。頭痛があり、コーヒーで楽になる。肩こり、首筋のコリがひどい。お腹が前より空きにくい。舌やや胖大、滑苔。
20代女性
主訴:息苦しく、息を吸っても肺に入る感じがしない
現病歴:1か月前から息苦しさを感じるようになった。吸いにくいが、吐くことはできる。病院にも通っているが、薬の効果は実感していない。
その他症状・所見:疲れやすいが、昼から体が動く。夜は平気、朝の方がしんどい。ストレスをため込む。1か月前から食欲低下。睡眠が浅く、疲れがとれない。寝付き、寝起き悪く、熟睡感がなく、夜中に起きる。夢もよく見る。胸やけを起こしやすく、胃薬を飲むことが多い。月経に関してはほとんど問題なし。
60代女性
主訴:右肩が痛くて眠れない
現病歴:4カ月ほど前に、ジムで右肩を下にして足を動かす運動をしたときに違和感があった。2か月前から夜間痛がある。クリニック受診し、レントゲンは問題ない。MRIで右肩腱板損傷、右肩関節唇損傷と診断された。1か月ほど前からロキソニンを服用しているが、寝て1時間半で痛みで目が覚める。その後も、2時間ごとに起きる。暖かくなってからも痛み変わらず、日中も痛いことは痛い。
その他症状・所見:むくみ(-)、食欲あり。飲み物は温かいものを心がけている。酒・タバコ(-)。痛みのため、熟睡できず、睡眠で疲れが取れない。頭痛(-)。イライラ(-)。たまに耳鳴り。たまに喉のつまり。
脈弦(-)、右関脈有力。淡紅舌、白苔、歯痕。肩の熱感(-)
50代女性
主訴:左顔面マヒ
現病歴
3日ほど前から、顔の左半分がマヒしている。目じりは下がり、口角もあがらない。今回は耳の後ろが痛い。2日前に脳のCTを撮ったが異常なし。以前も顔面マヒになったことがあり、その時に行った病院がコロナの影響で外来診療をしていない。近くの耳鼻科で薬をもらったが、あまり信用できなかった。知人から漢方薬が効くと聞いたので、薬が欲しい。
その他症状・所見
耳の後ろに皮膚病変なし。前額部と風池あたりに圧痛あり。全身の多汗。むくみ(+)。悪寒(-)。排尿は1日3回。冷たいものをよく飲む。梅雨が苦手。扇風機をつけたいが、風邪が苦手でしんどくなる。歯ぎしり(+)。マッサージに行くと、冷えていると言われるが自覚なし。
右-関脈実。左-数・実。舌-黄苔、裂紋、舌尖紅点、舌下静脈やや怒張。
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス、いわゆる水ぼうそうの原因となるウイルスによって引き起こされます。子供のころにかかった水ぼうそうのウイルスが神経節に隠れ、大人になってからストレスや疲労による免疫力低下が引き金となり、再び活性化して発症します。
2019年8月6日(木)
漢方薬局ハレノヴァの夏期休業日をお知らせいたします。
夏期休業期間/8月13日(木)~8月16日(日)
期間中、メールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は8月17日(月)以降となります。
また、オンラインショップの発送業務も停止いたしますので、予めご了承ください。
ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします。
30代女性
主訴:生理に伴う諸症状
現病歴:頭痛は以前は生理中のみだったが、生理前にも起こるようになった。2日ほどまえからこめかみあたりがジクジク押されているような感じ。生理痛は2日目の朝のみある。1週間前から胸の痛みやハリがあり、2日前から眠気やイライラがある。頭痛もちで、天気の悪い日に起こりやすく、こめかみが痛くなる。
その他症状・所見:舌はやや痩薄、淡紅~紅、薄白苔、舌下静脈怒張なし。月経周期30日、1~2日ずれることもある。月経期間6~7日。塊あり。
50代男性
主訴:中途覚醒
現病歴:入眠後、途中で起きてからなかなか眠れない。起きる時間は2時、4時などバラバラ。起きた後はうつらうつらしながら、いつの間にか寝て7時になる。寝汗は2週に一度ほど、食べてすぐに寝ることはない。夜中にトイレに起きることもある。少しの物音で起きる。紅舌、歯痕舌。
80代男性
主訴:足のむくみ
現病歴:両足の膝から下にむくみがある。初めは足首から下だったが、半年ほど前からひどくなってきた。クレアチニン1.0程度、推算GFR50程度。腎臓が悪く、病院へ行っているが、Drはむくみに関してあまり気にしていないとのこと。
その他症状・所見:靴下の跡が付き、触ると固い。押すと凹みが付き、なかなか元に戻らない。痛みはない。下腿に細絡があり、肌が乾燥している。上肢は乾燥していない。爪がもろく、縦しわがある。舌は淡紅、薄白苔、於斑。
引き続き『老人必用養草(ろうじんひつようやしないぐさ)』を紹介します。
この本は香月牛山(かつきぎゅうざん)が1716年に著した本です。
老人の養生、老人への接し方など現代にも通じるいろいろな教訓が書かれていて、今読んでもためになります。
今日は精神の保養に関する部分の後半を抜粋して読んでみます。
【原文】
・悲の情は心胞絡の主る所なり。年老いては気弱くして、憂にだも堪えがたし。悲はまた憂よりも気をけづる事倍せり。『素問』にも「悲ときは気消す」とあり。憂にしづむといふも、心のやる方もなきものなれど、涙の催すほどなる事なし。少のかなしみにもまづ涙のさきだつをもて、その重き事をしるべし。老人のとぼしき元気いかんぞ此悲に堪んや。悲はおほくは死別なり。老人には死別をつつみかくして聞せぬやうにすべき事なり。