2020.10.31
今年の春先から流行し始めた新型コロナウイルス感染症は、残念なことに現時点では収束の兆しが見えていません。
また新型コロナウイルス感染症は、治療後も後遺症が続く場合があるとわかってきました。
嗅覚障害、呼吸苦、だるさ、咳、味覚障害など、発症から数か月経過した場合でも新型コロナ感染時と同様の症状が続いたり、抜け毛が増える、気力が低下する、うつ傾向になるなどの症状が現れることがあるようです。
西洋医学は、外傷の手術・治療や、感染症の原因であるウイルス・細菌の駆除・除菌などには、漢方が太刀打ちできないほどの大きな力を発揮します。(実際には、西洋医学との併用で、効果が倍増することが少なくありません。また、本人が少し違和感を感じる程度の極めて初期や、入院に至る前の段階では、漢方の独壇場であることがありますが、それについては【新型コロナの感染予防・重症化予防・後遺症予防】に記載しています。)
しかしそれらの治療が終わった後に、体の持つ自然治癒力を高めることは得意としていません。
自然治癒力が高まらない状態では、回復に時間が掛かり、長期間体が弱った状態でいる、つまり長期間不調を起こしやすい状態でいることになります。
西洋医学と違い、体の持つ自然治癒力を高めることは漢方の得意分野です。
そのため、細菌やウイルスなどの「邪」が取り除かれた後には、漢方によって自然治癒力を高めることが重要です。
古くから受け継がれてきた漢方薬の専門書である傷寒や温病に関する書物には、感染症にかかった後、おおよそ治癒したが症状が残るもの、症状がぶり返したものにどういった治療をするかが書かれています。
それらも参考に、気血水の状態を判断して、感染症に使う方剤だけでなく、慢性病に使う方剤も考えながら、その人にあった方剤を選びます。
このように、西洋医学の治療やリハビリと同時に漢方も服用することで自然治癒力を高め、回復のスピードを上げることで後遺症対策に応用できます。
新型コロナに限らないことですが、なるべく早くに対処することで、治癒にかかる期間が短くなる傾向にあります。
気になる場合は早めに相談にいらしてください。
続きはこちら【新型コロナ後遺症と漢方②】